平成17年版男女共同参画白書

本編 > 第1部 > 第2節 科学技術分野での女性の活躍の現状と可能性

ここでは,科学技術分野で活躍する女性のチャレンジ支援や仕事と生活の両立支援という観点から,女性研究者及び次代を担う女性若年層の現状と可能性をみることとする。

第2節のポイント

1 女性研究者の活動実態

  • 日本の女性研究者の数及びその割合は増加傾向にあるものの,全体に占める割合は依然として国際的に見ても少ない。また,指導的地位に女性が十分登用されていないなどの指摘がある。女性研究者の育児責任は男性に比較して大きく,出産・育児によって研究活動を十分に継続できない女性研究者も多い。
  • 科学技術分野においてもポジティブ・アクションの取組が進められている。各団体で自主的に女性の参画割合に数値目標を設定する動きが進んでいる。第2期科学技術基本計画においても女性研究者の採用機会等の確保や勤務環境の充実が明記されている。競争的研究資金制度においても育児支援のための措置等が講じられ始めている。
  • 情報交流会,インターネット等を通じた情報提供など,女性研究者を支援するネットワーク形成が行われている。

2 理工系分野における学力,関心及び進路選択

  • 経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査では,我が国の高校1年生の理科及び数学の学習能力について男女間に有意な差は認められなかったが,女子生徒は進学先や職業として理工系分野を選ばない割合が大きい。OECD諸国との比較において,高等教育卒業者(学士,修士,博士)に占める女性割合は最も低く,工学・製造・建築分野の高等教育卒業者に占める割合も最も低い。学部から修士,博士課程へと進むにつれて女性割合は低くなり,その傾向は理工系分野で顕著である。18歳以上の国民においても,科学技術に対する関心は男性に比べ女性の方が低い。
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