平成17年版男女共同参画白書

コラム > 男女の仕事と家庭生活・地域活動への係わり方~理想と現実~

「男女共同参画社会に関する世論調査」(平成16年11月調査)では,仕事との関係において,家庭生活または町内会やボランティアなどの地域活動への望ましい係わり方と現在の係わり方についてたずねている。

女性が女性自身について望ましいと思う姿,いわゆる理想像は,「仕事と家庭生活・地域生活の両立」が最も多く,次いで「家庭生活・地域活動優先」,「仕事優先」であった。これに対する女性自身の現実の姿は,「家庭生活・地域活動優先」,「仕事優先」,「仕事と家庭生活・地域生活を両立」の順となっており,自分の理想像と現実の姿にギャップのある女性が多いことがうかがえる。

一方,男性自身が考える男性の理想像は,「仕事優先」,「仕事と家庭生活・地域生活の両立」,「家庭生活・地域活動優先」の順となっており,特に「仕事優先」が突出して多くなっている。また,現在の姿も「仕事優先」が最多で,次いで「仕事と家庭生活・地域生活を両立」,「家庭生活・地域活動優先」となっている(第1-3-6図)。女性の回答においても,男性は仕事優先という回答が最も多く,男女ともに「男性は仕事優先」と考える傾向が強い。

第1-3-6図 仕事と家庭生活・地域活動への係わり方について(男女の望ましい姿と現状)別ウインドウで開きます
第1-3-6図 仕事と家庭生活・地域活動への係わり方について(男女の望ましい姿と現状)

この状況は,現在の各家庭での家事分担にも現れている。同調査結果によると,掃除や食事のしたく,食事の後片付けを妻が行なっている家庭は7~8割と依然として高くなっており,この状況は家庭生活が平等と感じている男女の家庭でも同様である。しかしながら,妻も有職者である家庭を中心に,これらの家事を家族全員で行なっている家庭が前回調査(平成14年7月)に比べ増加しており,男性は仕事優先と言いつつも,家庭内の実情にあわせて,女性とともに家事に参加している男性の増加もうかがえる。

同調査では,「今後,男性が女性とともに家事,子育て,介護,地域活動に積極的に参加するために必要なこと」もたずねているが,男女ともに,「夫婦や家族間でのコミュニケーションをよくはかること」(男女計57.8%,男性55.8%,女性59.5%)が最も多く,次いで,「男性が家事などに参加することに対する男性自身の抵抗感をなくすこと」(44.0%),「社会の中で,男性による家事,子育て,介護,地域活動についても,その評価を高めること」(38.2%)となっている。家族間の話し合いや,当事者や周囲の人,更には社会の意識改革が男性の家庭生活への参加には必要と考える人が多い。

男性の家庭生活への参加が進まない状況には,男性の労働時間の長さという問題に加え(第1-3-3図参照),男性は仕事中心の生活が当たり前であるといった意識や,家事・育児に積極的に参加する男性への社会の評価が低いことが大きく係わっていることがわかる。

第1-3-3図 性・年齢階級別就業時間(非農林業)別ウインドウで開きます
第1-3-3図 性・年齢階級別就業時間(非農林業)

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