男女共同参画社会基本法逐条解説

(国際的協調)

第7条 男女共同参画社会の形成の促進が国際社会における取組(1)と密接な関係を有していることにかんがみ、男女共同参画社会の形成は、国際的協調(2) の下に行われなければならない。

1 趣旨

我が国の男女共同参画社会の形成の促進は、国連の女性の地位向上に係る活動等国際社会における様々な取組と 連動して進められてきた。我が国は、国際社会の一員として、男女共同参画社会の形成に関しては、国際的な連携、協力 のもとに行うことが望ましいので、その基本理念を本条において明らかにした。


2 用語解説

(1)「国際社会における取組」

国際的取組の例としては、女子差別撤廃条約等の条約、世界女性会議の成果(行動計画等)、国連総会での「女性に 対する暴力撤廃宣言」等の国連の活動、ILOの活動などが挙げられる。

(2)「国際的協調」

例として、(1)に示した国際社会における取組を踏まえた対応等が挙げられる。

例えば、条約等の国際的な枠組みを作り、それに基づき国際的な連携・協力を進めていくことを意味する。すなわち、 我が国として最大限の取組を行うとともに、世界各国に呼びかけ、助け合いながら、世界中の国々と手を携えて取り組む べきとの政策の基本を明らかにしたものである。

なお、特定の国と協調するということを定めたものではなく、先進国に限らず途上国への積極的貢献も本理念には含ま れる。


<参考1>論点整理における基本理念(「国際的に確立された理念の尊重」)からの変更

本条は、基本法答申に沿った形となっているが、論点整理の中では基本理念として、「国際的に確立された理念の尊 重と国際協力の積極的推進」が示されていた。

これについては、女子差別撤廃条約、第4回世界女性会議の成果を我が国の男女共同参画社会の形成にいかしてい くという趣旨については国際的協調に含意されるということと、各方面に対する国際的な協調も図っていくという意味も含 めて、「国際的協調」とした旨答弁(平成11年5月13日)している。

<参考2>第19条との関係

国際的協調については、本条で基本理念を示し、具体的施策として第19条で 国際協力の推進のために措置を講ずる 旨規定している。

これは、我が国の男女共同参画行政が国際的な動向を踏まえて進められた側面があるが、国際協調を進めるための具体的な国内措置は、理念に関する規定には馴染みにくいことから、第19条に規定したものである。

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