男女共同参画白書(概要版) 平成29年版

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第5章 教育・研究における男女共同参画

第1節 教育をめぐる状況

(女子の大学進学率は長期的に上昇傾向)

平成28年度の学校種類別の男女の進学率を見ると,高等学校等及び専門学校(専門課程)への進学率は,女子の方が高くなっているが,大学(学部)への進学率は,女子48.2%,男子55.6%と男子の方が7.4%ポイント高い。女子は全体の8.9%が短期大学(本科)へ進学しており,これを合わせると,女子の大学等進学率は57.1%となる(I-5-1図)。

なお,平成28年度における高等教育段階の女子学生の割合は,大学(学部)44.5%,大学院(修士課程)30.8%,大学院(博士課程)33.0%となっている。

I-5-1図 学校種類別進学率の推移

(修士課程及び専門職学位課程における社会人の学び直しの状況)

修士課程の社会人入学者に占める女子学生の割合を見ると,平成28年度は半数近い48.1%を占める。一方,専門職学位課程への社会人入学者に占める女子学生の割合は,修士課程への社会人入学者に占める割合に比べて低く,28年度は27.5%であるが,2年連続で上昇している。

(専攻分野別に見た男女の偏り)

平成28年度における専攻分野計での大学(学部)及び大学院(修士課程)における女子学生の割合は,それぞれ44.5%,30.8%となっている。専攻分野別に見ると,人文科学,薬学・看護学等及び教育等では女子学生の割合が高い一方,理学及び工学分野等では女子学生の割合が低く,専攻分野によって男女の偏りが見られる(I-5-4図)。

I-5-4図 大学(学部)及び大学院(修士課程)学生に占める女子学生の割合の推移(専攻分野別,平成28年度)

(教育機関における女性教員の割合)

初等中等教育について,平成28年度における全教員に占める女性の割合を見ると,小学校では6割以上となっているが,中学校,高等学校と教育段階が上がるにつれて,その割合は低くなっている。

さらに,平成28年度における大学及び大学院,短期大学の全教員に占める女性の割合を見ると,短期大学では52.2%であるが,大学及び大学院では23.7%にとどまっており,特に教授等に占める女性の割合が低い。

第2節 研究分野における男女共同参画

(女性研究者の割合)

我が国における研究者に占める女性の割合は,緩やかな上昇傾向にあるが,平成28年3月31日現在で15.3%にとどまっており,諸外国と比べて低い(I-5-7図)。

I-5-7図 研究者に占める女性の割合の国際比較

(女性研究者の専門分野)

専門分野別に大学等の研究本務者に占める女性の割合を見ると,平成28年は,薬学・看護等の分野では女性が半数以上を占める一方,工学分野は10.2%,理学分野は14.2%にとどまっている。