平成16年版男女共同参画白書

本編 > 第1部 > 第8章 教育分野における男女共同参画

(女子の大学進学率は上昇傾向)

学校種類別の男女の進学率をみると,高等学校等への進学率は,平成15年度で女子96.6%,男子95.7%と,若干女子の方が高くなっている。大学(学部)への進学率をみると,15年度で男子47.8%,女子34.4%と男子の方が10ポイントほど高い。しかし女子は,全体の13.9%が短期大学(本科)へ進学しており,この短期大学への進学率を合わせると,女子の大学進学率は48.3%となる。近年,大学(学部)への女子の進学傾向が上昇している一方で,短期大学への進学率は6年の24.9%をピークに,ここ数年激減している。

大学(学部)卒業後,直ちに大学院へ進学する者の割合は,男女ともに年々上昇し,平成15年度では男性13.8%,女性6.8%となっている(第1-8-1図)。

第1-8-1図 学校種類別進学率の推移別ウインドウで開きます
第1-8-1図 学校種類別進学率の推移

(男女の専攻分野の偏りは縮小)

大学(学部)における学生の専攻分野をみると,女子学生が最も多く専攻している分野は,昭和50年から平成12年までは人文科学であったが,ここ数年は社会科学が一番多くなっている。一方,男子学生が社会科学分野を専攻する割合は昭和50年と比べて低くなっており,平成15年では,社会科学分野を専攻している全学生の約3割が女性となった。また,工学を専攻する女子学生は,昭和50年には工学専攻の全学生の1%に満たなかったが,平成15年には10.6%となるなど,男女の専攻分野の偏りは小さくなってきている(第1-8-2図)。

第1-8-2図 専攻分野別にみた学生数(大学学部)の推移別ウインドウで開きます
第1-8-2図 専攻分野別にみた学生数(大学学部)の推移

また,女子学生の大学院における専攻分野については,修士課程では社会科学が最も多く,人文科学,教育,工学の分野がこれに次いで多くなっており,女子学生の近年の増加は社会科学,工学,理学,保健の分野において特に著しく,また社会人学生の約4割を女性が占めている。博士課程では,保健,社会科学の分野での専攻が多い。

第1-8-3図 専攻分野にみた学生数(大学院(修士課程))の推移別ウインドウで開きます
第1-8-3図 専攻分野にみた学生数(大学院(修士課程))の推移

大学等において研究に従事する女性の専門分野をみると,平成15年でも,栄養学などが含まれる医学・歯学以外の保健分野においては約半数が女性研究者である一方で,工学分野の研究者に占める女性研究者の割合は5.9%,理学,農学などでも1割台と低い。しかし,社会科学や工学を専攻する女子学生の増加に伴い,これらの分野における女性研究者も増加傾向にあり,以前に比較すれば,女性が研究に従事する分野が広くなりつつあることがうかがわれる(第1-8-4図)。

第1-8-4図 専攻分野別にみた大学等の研究本務者別ウインドウで開きます
第1-8-4図 専攻分野別にみた大学等の研究本務者

(社会教育での学習者)

生涯のいつでも,自由に学習機会を選択して学ぶことができるよう,多様な学習機会の整備が進められているところであるが,大学での社会人学生や,放送大学,公民館,青少年施設などで学ぶ人々は女性の割合が多い。文部科学省「社会教育調査」(平成14年)によると,公民館における学級・講座の受講者のうち,67.1%を女性が占めている。

(上位の職に少ない女性教員の割合)

初等中等教育について女性教員の割合をみると,小学校では教諭の6割を女性が占めているが,中学校,高等学校と段階が上がるにつれて低くなっている。校長及び教頭に占める女性の割合は,小学校の校長で平成2年の4.1%から14年には 17.7%と大幅に上昇しているのを始め,長期的には上昇傾向にあるが,その割合は教諭に比べて著しく低い。

大学,短期大学の全教員に占める女性の割合をみても,短期大学では4割を超えているが大学では1割台にとどまっており,特に教授,学長に占める女性の割合は低い(第1-8-5図)。

第1-8-5図 本務教員総数に占める女性の割合別ウインドウで開きます
第1-8-5図 本務教員総数に占める女性の割合

(コラム:オリンピックと日本女性の最近の大活躍)

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