「共同参画」2026年10月号

連載2

男女共同参画を推進するためのジェンダー統計(1)

独立行政法人男女共同参画機構(JGEPA)


ジェンダー統計とは、社会における男女の置かれている現状や課題を客観的な数値で表した統計です。データを男女別に集計し、社会や経済構造の中で生じている男女間の格差や固定的な性別役割分担の影響を可視化することで、取り組むべき課題を明確にします。政策の立案に際しては、可能な限り、男女の置かれている状況を客観的に把握するための統計(ジェンダー統計)、データ、アンケート調査等を活用することで、主観的な感覚や経験則だけに頼らずに、客観的な事実に基づき男女共同参画の現状と課題を正しくとらえることができます。

ジェンダー統計の重要性

男女共同参画社会の実現に向けて、ジェンダー統計はあらゆる施策の基礎となります。客観的な男女別統計データによって男女間格差の実態が明らかになり、取り組むべき課題(賃金格差、意思決定層における女性参画の低さ、家事・育児の偏り、女性に対する暴力など)の特定や、重要性の高い方針・施策の立案、目標値の設定が可能となります。また、継続的に数値をモニタリングすることは、経年変化を把握し、実施した取組の効果を検証し、男女共同参画社会を確実に推進していくためにも極めて重要です。

近年、都道府県や市区町村が主体となって、ジェンダー主流化を進める取り組みが各地で実施されています。

JGEPAでは、「女性と男性に関する統計データベース」を公開するとともに、主に公的統計をもとに、人口・世帯、教育、生活時間、労働と所得、健康・安全・社会保障、意思決定の分野における男女の状況や格差を示すリーフレットや展示用パネルを作成しています。


男女共同参画統計リーフレット


小中高校教員・校長及び担任教科の男女別割合


男女共同参画に関する意識調査の意義

男女の置かれている現状や課題を可視化するうえで、「公的統計」と並び、「人々の意識や認識」も重要なデータです。第6次男女共同参画基本計画においても、両立支援、教育や進路選択、ハラスメント対策、意思決定への女性の参画など、あらゆる領域において、固定的な性別役割分担意識が障壁になっていることが指摘されています。

多くの自治体では、「働き方」や「結婚・出産」、「生きづらさ」などの住民意識や実態把握のための調査を実施しています。自治体独自の意識調査により、公的統計だけでは捉えきれない住民ニーズや対象となる人々の傾向を知ることができます。また、内閣府等が実施する全国調査と同一の質問を設置して、全国平均の回答と比較したり、同じ質問を繰り返したりして経年変化を把握する工夫を行っています。性別や年齢階級別、地域ごとの比較、経年変化を丁寧に読み解くことで、課題解決に向けた有効な手がかりとしての活用が可能となります。


男女共同参画統計リーフレットと展示用パネルの詳細は、こちらをご覧ください。
https://www.jgepa.go.jp/program/research/learning/index.html


お住まいの自治体では、どのような分野の男女別統計を入手することができますか?ぜひ一度確認してみてください。

次号では、全国の自治体で実施されている「男女共同参画に関する意識調査」についてご紹介します。