「共同参画」2026年8月号

連載2

女性デジタル人材育成で、地域の持続的発展を実現!

独立行政法人男女共同参画機構(JGEPA)


就労環境のジェンダーギャップを解消し、多様な人材の育成と活躍を促す手段の一つとして、「女性デジタル人材」の育成が注目されています。令和7年度に国立女性教育会館が実施した調査研究をもとに、女性デジタル人材育成事業を実施する意義や、自治体に期待される役割についてご紹介します。


女性デジタル人材育成事業の意義

近年、多くの自治体で女性デジタル人材育成事業が展開され、育児や介護等を理由に就労をあきらめていた女性がデジタル分野へ参入するきっかけとなっています。デジタル分野は比較的賃金水準が高いことから、スキルアップを重ねて経済的自立を実現するケースも報告されています。

育成された人材を通じて地域企業のDX化の進展の後押しにつながった例や、受講生らがネットワークを形成して男女共同参画を推進するプロジェクトを立ち上げる等、地域全体で相乗効果を生み出すケースも出てきています。

また、デジタル分野の就労は、時間や場所の制約を受けにくいという特性があります。これにより、働く場所や働きやすさの柔軟な選択肢が生まれ、結果として、地域への定着や移住者の増加を後押しする一因ともなります。

これらの点から、本事業は女性支援策にとどまらず、地域の持続的発展を支える重要な地域政策としての側面を有しているといえます。

自治体に期待される役割

地域の「女性」と「企業」双方の実情を把握し、地域の様々な企業や団体・組織と結びつきがある自治体が、女性の就労や経済的自立を促し、地域全体の活性化につながる事業を実施・継続することは大きな意義があります。

(1)未経験者の参入ハードルを下げる

デジタル分野に関心があっても、未経験者は「何から始めればよいのか分からない」のが実情です。自治体が窓口となる事業は、信頼性も高く、学習への一歩を後押しします。

(2)女性の「就労をめぐる課題」への対応

家庭の事情で仕事を中断したため、再び「働くこと」に不安を抱く女性や、在宅ワークなどの柔軟な「働き方」を望む女性は少なくありません。地域女性の「就労を阻む壁」を把握したうえで、デジタルスキルの習得に加え、コミュニケーション力の向上や受講生同士の交流等、包括的な伴走支援が求められています。

(3)地域企業に潜在するニーズに応える

最新のIT技術の習得を通じて場所を選ばない仕事に就くほかに、地方圏の中小・零細企業等のデジタル化に貢献している事例もあります。地域企業の潜在的なデジタルニーズに対応するスキルの習得を支援することで、女性の雇用創出と就労の後押しとともに、地域企業の業務効率化や人材発掘につなげることが期待されています。

(4)地域連携で事業を進化させる

女性デジタル人材育成事業をきっかけに、地域の商工団体や企業、大学、女性支援団体等が有機的に連携するケースが生まれています。自治体がかかわりながら多様なステークホルダーを巻き込み、事業の継続・発展につなげて、「デジタルの力で女性と地域をエンパワメントする」ことが期待されています。

女性デジタル人材育成事業の意義

事例等の詳細については、こちらの調査報告書をご覧ください。
https://www.jgepa.go.jp/about/publish/career2025/index.html


JGEPAは、女性デジタル人材育成に向けた地域の取組を後押しするため、好事例・先進事例を収集・発信するとともに、基礎的な研修プログラムの提供に向けて、関係者と連携して検討してまいります。