「共同参画」2026年5月号

トピックス1

Shinzoneと女子少年院「愛光女子学園」による教育プロジェクトについて

「愛光女子学園」は、関東・甲信越及び静岡の各家庭裁判所で少年院送致の決定を受けた12歳(小学生は除く。)以上23歳未満の女子少年を収容し、非行からの立ち直り、健全な社会人となるよう、矯正教育を行う国の施設です。

少年院では、在院者の勤労意欲を高め、職業上有用な知識及び技能を習得させるために、原則として全ての在院者に職業指導を実施しています。

愛光女子学園では株式会社シンゾーンと協働して教育プロジェクトを行っており、本プロジェクトについて、株式会社シンゾーンに寄稿いただきました。

法務省矯正局少年矯正課


教育プログラム
「Woman’s Fashion Education 」

私たち株式会社シンゾーンは、アパレル企業としてどう社会的課題を解決していくことができるかを考え、「ファッションとウェルフェア(福祉)の架け橋になる」と宣言をしました。その中で令和5年に立ち上げたのが、女子少年院である愛光女子学園とともに取り組む教育プログラム「Woman’s Fashion Education」です。

この取組は法務省矯正局の山本少年矯正課長(現:法務省大臣官房審議官)よりお声がけをいただいたことに始まります。東京・狛江市にある愛光女子学園では、在院生がレース編みを行っています。その手仕事の精度と、そこにかけられた彼女たちの時間や努力を知った際に、これを我々の手で価値をつけて社会に届けたいと強く感じました。

本プロジェクトでは、年間を通してワークショップを実施し、在院生と対話を重ねながら商品開発を行っています。単に依頼した制作物を受け取るのではなく、デザインや用途をともに考え、どのように活用すれば彼女たちのレースに価値が生まれるのかを一緒に探る。その過程に意味があると思いました。第一回目と二回目を通して印象的だったのは、彼女たちの表情です。昨年、最終授業で手編みのレースを縫い繋げたドレスを完成させた際、それを目にした瞬間の、感動に満ちた表情は今でも忘れられません。また、今回の製品化に向けた授業でも、皆が真剣に向き合い、それぞれが持ち寄ったデザイン案からは、「より良い商品を作り上げたい」という強い意志が感じられました。デザイン案や意見に込められた本気度が印象的でした。

私たちが目指しているのは、この取組を通じて、彼女たちの笑顔や自信につながる体験を届け、社会復帰への第一歩を後押ししていくことです。法務省の調査によれば、少年院に在院する女子の多くが、虐待や家庭内暴力など困難な環境で育っているとされています。いわば、この施設で過ごさなくてはならなくなった背景を持つ彼女たちにとって、出院後に安心して戻れる場所がないという現実は、決して珍しいことではありません。だからこそ、私たちはファッションという領域を通して社会との接点をつくり、ものづくりの楽しさや、自分の手で何かを生み出す喜びを知ってもらうこと、そして社会には彼女たちを温かく見守り、応援する大人や企業がいるということを、この体験を通して伝えていきたいと考えています。


レース指導
レース指導


愛光女子学園 市川真由美学園長コメント

令和6年度 、シンゾーンの皆様とのワークショップを経て、当園の生徒たちが製作したレース作品を使用した、可愛いベビースタイやベースボールキャップ、可憐なオートクチュールドレスが製品化されたことは、当園の生徒たちが長年取り組んできたレース編みの教育活動に新しい命が吹き込まれたような出来事でした。

ここで、ワークショップに参加した生徒たちの声をご紹介します。


「シンゾーンの方たちと案を出し合いながら製品が作られたことは、自分たちの頑張りが認められた気がしました。」

「私たちが作ったレースが、シンゾーンさんを通して誰かに届くということが嬉しいです。レースにはたくさんの可能性が秘められていることに気がつきました。」

「私たちが編んだレースが主役のように使われていることに驚きました。」

シンゾーンの方たちが真剣に取り組んでくださっていることで、レースがこんなに素敵な製品になることを知り、レースの存在を尊重されているように感じました。

シンゾーンの皆様との共同作業により、時代や市場のニーズに応じた製品を企画する力や、レース編みの技術の向上など、当園の生徒たちが得たものは数多くあります。

シンゾーンのスタッフの皆様と意見を交わす中で、自分たちが一人の社会人として尊重されたことや、自分たちが作ったレース編みが素晴らしい製品になったことは、今後社会で居場所を見つけ、人生を歩んでいく生徒たちにとって、大きな自信、そして大きな力となる意義ある経験であったと思います。

令和7年度も製品制作にあたり、シンゾーンスタッフの皆様には、登園の生徒たちのアイディアを取り入れていただき、それを基に生徒たちは、一つ一つのレースモチーフを心を込めて丁寧に編み上げ、素敵な製品が完成しました。今後もシンゾーンと園の共同制作により、当園の生徒たちと製品を手にする方との温かな繋がりが続いていくことを願っています。


<在院生が職業指導の授業で制作した手編みレースを活かした商品>

キッズベースボールキャップ
キッズベースボールキャップ


レースフラワーオブジェ
レースフラワーオブジェ


ギンガムチェックの巾着バッグ
ギンガムチェックの巾着バッグ


詳細は、こちらをご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000114650.html