「共同参画」2026年5月号

特集1

第6次男女共同参画基本計画が策定されました

内閣府男女共同参画局推進課

男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)に基づき、施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な計画として、第6次男女共同参画基本計画(以下「6次計画」という。)が令和8年3月13日閣議決定されました。

1.6次計画策定の経緯・ポイント

令和6年12月13日、内閣総理大臣から男女共同参画会議に対し、6次計画策定に当たっての「基本的な考え方」について、諮問がなされました。

同諮問に対して、男女共同参画会議は、会議の下に置かれた第6次基本計画策定専門調査会等において検討を行うとともに、広く国民から意見を求めるため、公聴会やパブリックコメントを行いました。これらの意見も踏まえて調査審議を進め、令和8年3月に、「第6次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」を答申しました。

この答申を踏まえ、政府は、令和8年3月13日に6次計画を閣議決定しました。ポイントは、以下のとおりです。


6次計画策定の経緯・ポイント


2.6次計画の構成

6次計画は、「第1部 基本的な方針」と「第2部 政策編」で構成しています。


6次計画の構成


「第2部 政策編」では、Ⅰ・Ⅱの政策領域の下に重点的に取り組む12の個別分野を設け、これら12分野及びⅢについて、それぞれ令和17年度末までの「基本認識」並びに令和12年度末までを見通した「施策の基本的方向」及び「具体的な取組」を定めるとともに、「具体的な取組」の実施により達成を目指す「成果目標」等を設定しています。

以下では、第2部の概要をご紹介します。

3.「第2部 政策編」について

Ⅰ 男女共同参画の推進による多様な幸せ(well-being)の実現

第1分野  ライフステージに応じて全ての人が希望する働き方を選択できる社会の実現

近年、若い世代が希望するライフコースは変わり、若い世代の男性は家事・育児に対する意欲が他の世代よりも相対的に高く、育児休業について制度と給付の両面からの対応の強化等が行われる中、男性の育児休業取得率(民間企業)は4割を超え、上昇傾向にあります。


■ ライフコースの希望の推移

ライフコースの希望の推移


■ 男性の育児休業取得率の推移

男性の育児休業取得率の推移


しかし、男性片働き世帯が多い時代に形成された、長時間労働や転勤等を当然視する労働慣行や固定的な性別役割分担意識を背景に、依然として家事・育児・介護等の多くを女性が担っている実態があり、その結果、女性が働く場において活躍することが困難となる場合が多くなっています。

また、介護については、今後も家族の介護をしながら就業する者、いわゆる「ワーキングケアラー」が増加しており、今後更なる増加が見込まれます。


■ 家族の介護をしている者の推移(男女、就業状況別)

家族の介護をしている者の推移


こうした状況を踏まえ、女性も男性も働くことを希望する全ての人が、仕事と子育て・介護・社会活動等を含む生活との両立のしづらさを感じることなく働き続けられるよう、共働き・共育ての実現に向けた仕事と育児の両立支援や男女双方の意識改革・理解促進、仕事と介護の両立支援制度を利用しやすい雇用環境の整備等について記載しています。


[主な成果目標]

項目

現状

成果目標(期限)

男性の
育児休業
取得率

民間企業

40.5%
(2024年度)

85%
(2030年)

国家公務員

79.4%
(2024年度)

85% ※1
(2030年度)

地方公務員

70.1%
(2024年度)

85% ※2
(2030年度)

※1:2週間以上・一般職 ※2:2週間以上・一般行政部門


第2分野  あらゆる分野における政策・方針決定過程への女性の参画拡大

引き続き、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となることを目指して、取組を強化し、さらに、その水準を通過点として、2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会となることを目指し、政治、司法、行政、経済、学術、教育、スポーツ、メディア分野等、あらゆる分野での女性の参画拡大を進めていくことについて記載しています。

政治分野では、女性候補者の割合を高めることについての政党への要請等を、経済分野では、女性活躍推進法に基づく企業情報の見える化、女性役員登用の加速化に向けた取組、女性起業家に対する支援等について記載しています。


[主な目標] ※政府が関係機関に要請する際に念頭に置く努力目標

項目

現状

目標(期限)

衆議院議員の候補者に占める女性の割合

24.4%
(2026年)

35%
(2030年)

参議院議員の候補者に占める女性の割合

29.1%
(2025年)

35%
(2030年)

新規登録弁護士に占める女性の割合

28.0%
(2024年度)

30%
(2030年度)


[主な成果目標]

項目

現状

成果目標(期限)

民間企業の雇用者の各役職段階に占める女性の割合

係長相当職

24.4%
(2024年)

33%
(2030年)

課長相当職

15.9%
(2024年)

24%
(2030年)

部長相当職

9.8%
(2024年)

15%
(2030年)

役員に占める女性の割合

東証プライム
市場上場企業

17.7%
(2025年)

30%
(2030年)

上場企業

14.0%
(2025年)

20%
(2030年)

女性役員登用目標を設定し、その目標達成に向けた行動計画を策定している上場企業の割合

5.9%
(2025年)

30%
(2030年)

裁判官(判事・判事補)に占める女性の割合

29.7%
(2024年12月1日)

30%
(2030年度末)

司法試験の受験者に占める女性の割合

34.7%
(2025年度)

40%
(2030年度)


第3分野  女性の所得向上の実現と経済的自立に向けた環境整備

女性の就業率について、いわゆるM字カーブはほぼ解消しているものの、依然として女性は男性と比べて正規雇用比率が低く、25歳から29歳をピークに、年代が上がるとともに低下する、L字カーブを描いています。また、男女間賃金格差もある状況です。


■ 年齢階級別正規雇用率(令和7年)

年齢階級別正規雇用率(令和7年)


■ 所定内給与額(雇用形態別・年齢階級別・令和6年)

所定内給与額(雇用形態別・年齢階級別・令和6年)


こうした状況を踏まえ、L字カーブの解消や男女間賃金格差の是正に向けて、男女間賃金差異の公表の対象拡大、女性管理職比率の公表義務化など、令和7年に改正された女性活躍推進法の着実な施行等について記載しています。

また、非正規雇用労働者の待遇改善や正社員転換の推進、再就職支援に加え、ハラスメントに係る意識啓発及び防止対策の徹底についても記載しています。


第4分野  生涯を通じた男女の健康への支援

女性と男性では、健康課題の内容も課題を抱えやすい時期も異なります。


■ 女性特有、男性特有の病気の総患者数
 (年齢階級別・令和5年)

女性特有、男性特有の病気の総患者数


特に、女性の心身の状況は、年代や月経・妊娠・閉経等に伴う内分泌環境の変化によって大きく変化するという特性があることから、女性の健康総合センターを中心とした女性の生涯にわたる健康課題に関わる研究やフェムテックの推進について記載しています。また、健診・相談事業等職場における取組の促進や健康経営の推進等、仕事と健康課題の両立支援についても記載しています。


[主な成果目標]

項目

現状

成果目標(期限)

子宮頸がん検診、乳がん検診受診率

過去2年間の受診率
子宮頸がん:43.6%
乳がん:47.4%
(2022年)

子宮頸がん:60%
乳がん:60%
(2028年度)

骨粗しょう症検診受診率

5.7%
(2023年)

15%
(2032年度)

健康経営優良法人認定数

大規模法人部門
3,400法人
中小規模法人部門
19,796法人
(2025年度)

大規模法人部門
5,000法人
中小規模法人部門
37,000法人
(2030年度)


第5分野  テクノロジーの進展・利活用の広がりを踏まえた男女共同参画の推進

テクノロジーの進展を踏まえ、男女共同参画の視点をテクノロジー施策に反映することや、性別にかかわらず、誰もがその恩恵を享受できるよう取り組むことを記載しています。

また、デジタルスキルの習得、その先のデジタル分野への就労等、女性デジタル人材の育成、研究現場を主導する上位職への女性登用の推進、女子生徒の理工系進路選択の推進等についても記載しています。


第6分野  ジェンダーに基づくあらゆる暴力を容認しない社会基盤の形成と被害者支援の充実

暴力は、その対象の性別を問わず許されるものではなく、あらゆる暴力を容認しない姿勢を示していくことが重要です。こうした認識のもと、ジェンダーに基づくあらゆる暴力を容認しない社会基盤を形成するため、広報・啓発を推進していくことを記載しています。

また、各地域において性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを中核として、各関係機関が連携した相談支援体制の整備を進めることや、配偶者等からの暴力の被害者支援の一環として加害者プログラムを推進すること、SNS等を通じた性暴力を防止するため、インターネット上の被害の予防・拡大防止対策を推進すること等を記載しています。


[主な成果目標]

項目

現状

成果目標(期限)

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにおけるこども・若者・男性等の多様な被害者への支援のための取組を行っている都道府県数

23都府県
(2025年4月)

47都道府県
(2030年4月)

配偶者暴力加害者プログラムの実施に取り組んでいる都道府県数

──

47都道府県
(2030年4月)

民間シェルター等の民間団体に財政的支援を行っている都道府県・政令市

45自治体
(2025年11月)

67自治体
(2030年4月)


第7分野  男女共同参画の視点に立った貧困等生活上の困難に対する支援と多様性を尊重する環境の整備

令和6年に施行された女性支援新法を踏まえ、困難な問題を抱える女性に対して包括的な支援を実施することを記載しています。

また、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをすることが重要であること等について周知・啓発を行うことや、高齢者・障害者等が安心して暮らせる環境の整備を行うこと等について記載しています。


第8分野  防災・復興における男女共同参画の推進

令和6年能登半島地震における被災者支援では、避難所等において女性のニーズを配慮した対応が十分ではなく、いまだ、男女共同参画の視点からの防災・復興の取組が十分に浸透しているとは言い難い状況です。こうした状況を踏まえ、改めて平常時から男女共同参画の視点を取り入れた防災体制を確立していくことについて記載しています。


[主な成果目標]

項目

現状

成果目標(期限)

災害対策本部の構成員に占める女性の割合

都道府県

──

13.0%
(2030年)

市区町村

──

16.0%
(2030年)


Ⅱ 男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備・強化

第9分野  地域における男女共同参画の状況に応じた取組の推進

若者が出身地域を離れた理由として、男女とも「希望する進学先が少なかったから」、「やりたい仕事や就職先が少なかったから」又は「地元を離れたかったから」と回答する者の割合が高く、特に「地元を離れたかったから」と回答する者の割合は女性で高い状況です。また、出身地域を離れた者の多くが出身地域に愛着がある一方で、固定的な性別役割分担意識ゆえに出身地域に戻らないといった指摘もされています。

持続可能な地域づくりを推進するためには、様々な場面で固定的な性別役割分担意識の解消を含む男女共同参画を推進し、それぞれの地方の持つ良さを生かしながら、女性や若者が活躍でき、暮らしやすい地域へとシフトしていくことが必要不可欠です。

そのため、地域の実情・特性を踏まえた主体的な取組が全国各地で展開されるよう、経済団体やNPO等、様々な主体との連携強化を含め、地方公共団体における男女共同参画の取組を推進することや男女共同参画機構の設立、男女共同参画センターの機能強化について記載しています。


■ 出身地域を離れた理由(男女別)(自分の都合で出身地域を離れて都会へ転出した者)

出身地域を離れた理由


第10分野  男女共同参画の視点に立った各種制度等の整備

男女共同参画社会の形成のためには、社会制度や慣行が実質的に男女にどのような影響を与えるのか常に検討する必要があります。

そのため、男女共同参画社会の実現に向けて、税制や社会保障制度を始めとする社会制度全般について、経済社会情勢を踏まえて不断に見直すこととしています。

また、婚姻により氏を変更した人が不便さや不利益を感じることのないよう、旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備の検討を含め、旧氏使用の更なる拡大に取り組むこと及び夫婦の⽒に関し、更なる検討を進めることを記載しています。


第11分野  教育・メディア等を通じた男女双方の意識改革、理解の促進

「男女共同参画社会に関する世論調査」によれば、社会全体における男女の地位の平等感について、「平等」と回答した者の割合は16.7%にすぎず、その背景には、固定的な性別役割分担意識や性差に関する偏見・固定観念、無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)があります。

そのため、固定的な性別役割分担意識や性差に関する偏見を解消するとともに、無意識の思い込みによる悪影響が生じないよう、男女双方の意識改革と理解の促進を図ることとしています。


■ 社会全体における男女の地位の平等感

社会全体における男女の地位の平等感


第12分野  男女共同参画に関する国際的な協調及び貢献

G7、G20、APEC等の首脳級・閣僚級会合におけるジェンダー平等と女性・女児のエンパワーメントに関する国際的なコミットメントを確実に実施するとともに、令和12年にG7議長国、また、令和13年にAPEC議長を務める予定であることを踏まえ、様々な国際的な議論や取組に積極的に貢献していくこと等を記載しています。


Ⅲ 男女共同参画社会の実現に向けた推進体制の整備・強化

毎年度の「女性活躍・男女共同参画の重点方針」(女性版骨太の方針)の策定に向けた検討を通じて、6次計画の成果目標の達成状況や取組の進捗状況の点検を行うべき事項・分野について、丁寧なフォローアップを実施すること等を記載しています。

また、政策の立案に際しては、可能な限り、男女の置かれている状況を客観的に把握するための統計等を活用することや、若年層の声を踏まえて政策を立案することが望ましいことを踏まえ、様々な機会を通じた意見交換等を行い、若年層の政策立案への関与を図ること等を記載しています。

4.おわりに

6次計画に基づき、政府一丸となって、男女共同参画の取組を進めていきます。6次計画の本体は、内閣府男女共同参画局HPに掲載しておりますので、是非、ご覧ください。


6次計画の本文は、こちらをご覧ください。
https://www.gender.go.jp/about_danjo/basic_plans/6th/index.html