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「共同参画」2026年2月号

特集2

「農業リーダーズサミット2025 変革の時代を生き抜く地域農業の在り方-女性登用の意義-」を初開催しました

農林水産省経営局就農・女性課女性活躍推進室

令和7年11月27日(木)、農林水産省は、「変革の時代を生き抜く地域農業の在り方-女性登用の意義-」をテーマに、「農業リーダーズサミット2025」を初開催しました(協力:(一社)全国農業会議所、(一社)JA全中、全国土地改良事業団体連合会)。

農林水産省では、第5次男女共同参画基本計画や食料・農業・農村基本計画に基づき、農業委員会の委員、農協の役員、土地改良区の理事への登用など、女性の地域農業の方針決定過程への参画を推進しています。特に女性の登用は、地域や組織のトップ層の理解やリーダーシップ、コミットメントが不可欠です。このため、今回、地域の農業関連組織のトップの方々とともに女性登用の意義や地域農業の在り方について考える場として、「農業リーダーズサミット」を初開催しました。当日は、全国から、農業委員会会長、農協理事、土地改良区理事長など、地域農業の方針策定に関わる約350名の地域農業トップの方々が集まり、会場は満席となりました。

開会挨拶

◆根本幸典 農林水産副大臣

根本副大臣の挨拶の様子
根本副大臣の挨拶の様子


根本幸典農林水産副大臣は、女性は基幹的農業従事者の約4割を占める我が国の農業の重要な担い手であり、農業者の数が急速に減少する中で、女性が経営の主役となる農業経営体を増やし、さらに地域農業の重要な組織の意識決定にも女性が参画し、多様な意見が反映されることが、我が国の農業が持続的に発展していくために極めて重要である旨訴えました。

また、地域農業組織のトップ層の積極的かつ具体的な活動が女性登用の推進や組織の活性化に大きく貢献しており、このためにもトップが中心となり地域農業の将来の展望を切り開いてほしいと呼びかけました。

基調講演 「地域における女性登用の意義と組織トップの役割」

◆大正大学公共政策学科教授兼地域構想研究所所長   片山善博氏

片山氏は、「男性が主要業務を担う」といった固定観念による弊害や県庁職員の性別による配属先の違いが職業経験差を生み、結果的に女性の管理職登用を阻んでいたこと等、鳥取県知事時代の事例も紹介しつつ、女性の登用は人事の公正性や男女で構成される社会との意識の齟齬を防ぐ観点等からも不可欠であること、女性登用の壁を打破するには、まずは組織中枢部が変わることが重要である旨言及しました。

次に、地域の女性登用促進の意義として、多くの女性が地方から転出している今日の傾向を指摘しつつ、人口減少時代に地域の社会機能を維持するためには、女性や若者に選ばれる組織・地域づくりが必要であり、そのためには女性の活躍を阻むような地域の固定的な性別役割分担意識の解消や、産官学金労言に女性や若者を加え皆で地域課題について話し合うことが重要と説明しました。

最後に、女性登用の実現に向けて、女性を含めた組織一人一人の意欲と能力が十二分に発揮できる組織作りに向けてリーダーシップを発揮していくことが組織トップの重要な使命であると訴えました。事例を踏まえた分かりやすい講演に会場は時折笑い声に包まれ、参加者は熱心に耳を傾けていました。


片山教授のご講演の様子
片山教授のご講演の様子


農業関連組織トップによる意思表明
「農業分野の女性登用に向けた意気込み・取組方針の表明」

◆(一社)全国農業会議所専務理事 稲垣照哉氏
(一社)JA全中常務理事 福園昭宏氏
全国土地改良事業団体連合会専務理事 室本隆司氏

各組織におけるこれまでの女性登用の取組や現状、課題についてデータを用いつつ説明を行った後、女性登用の取組事例や登用による好影響の例などを紹介しました。また、女性登用の推進に向け、各組織の特性に合わせた今後の取組方針がそれぞれ表明されました。

稲垣氏は、クォータ制導入の検討などの制度環境整備とともに男性や家族、地域による女性委員登用への理解が不可欠であること、来年度は約7割の農業委員会が改選期を迎える重要な年であり、女性の委員登用拡大に向けて絶好の機会であることを訴えました。

福園氏は、令和6年に開催された第30回JA全国大会の決議において、女性の運営参画目標として女性の理事等登用を15%と設定し、本目標に基づき取組を進めていることや、女性の理事選出方法として、「女性部枠」から、より幅広く地域から選出できる「地域枠」が導入されている近年のトレンド例を紹介しました。


各農業組織の意思表明の様子
各農業組織の意思表明の様子


室本氏は、女性登用に向けた全国シンポジウムや手引きの作成といった啓発活動、個別訪問活動といった取組を説明するとともに、女性理事の登用が理事会の活発化をもたらしている等の好影響に言及し、今後も関係者一丸となって前進するとの意思表明が行われました。

女性登用に向けたポイント解説 

◆(株)Will Lab代表取締役 小安美和氏

小安氏は、「この業種では難しい、この地域では難しい、女性には難しい」といった「決めつけ」からの脱却が、女性が地域や組織で活躍するために重要である旨説明しました。また、組織やリーダー層において女性が少ない場合、女性は女性全体を代表しているとのプレッシャーを感じやすく言動等が慎重になる傾向があるが、組織やリーダー層における女性の割合が35%を超えると、女性は周囲から性別ではなく個人として扱われるようになるため、本来の能力や個性を発揮しやすいとして、女性を一定割合登用することの大切さも訴えました。一方で、「組織のリーダーは男性の方が向いている」と一定割合の女性も考えているという調査結果も紹介し、女性の活躍や登用には、男女双方が性別に関する無意識の思い込みの存在に気付き、乗り越えていくことが必要である旨説明しました。


小安代表取締役からの解説の様子
小安代表取締役からの解説の様子


最後に 

今回開催した農業リーダーズサミット2025の議論も踏まえ、農林水産省では引き続き女性活躍・登用の推進に取り組んでまいります。


農業分野における女性活躍・登用推進については、こちらをご覧ください。
https://www.maff.go.jp/j/keiei/jyosei/index.html