巻頭言
今年1月1日、第9代国連事務総長にポルトガルの元首相で、10年以上国連難民高等弁務官(UNHCR)としてふるさとを追われた難民・避難民たちに寄り添ってきたアントニオ・グテーレス氏が就任し、国連は新しい時代を迎えました。
昨年12月12日の就任宣誓式後に行われた記者会見で「就任100日間で実行したい優先課題は?」と尋ねられ、彼の答えは「まずはジェンダー。もうすぐ発表される幹部人事で、自分の決意を見せたい」。その言葉通り、数日後、国連のナンバー2である副事務総長、事務総長の右腕となる官房長と政策担当特別顧問という3つの要のポストに、ナイジェリア、ブラジル、そして韓国出身の女性を任命したと発表しました。国連システムでは、2030年までにあらゆるレベルにおいて職員の男女比率について50-50を達成することを目標に掲げています。
職員だけではありません。新事務総長は年頭のメッセージで、2017年を「Year for Peace(平和のための年)」にしようと呼びかけましたが、紛争のしわ寄せは、どうしても女性や子どもなどに集まってしまいます。せっかく積み上げてきた開発の蓄積もひとたび武力衝突が起これば、いっぺんに吹き飛んでしまいます。男性主導の和平会議をニュースで見るにつけ、より多くの女性たちが和平交渉や意思決定の場に参画できれば、紛争もここまで泥沼化しなくても済むのではと思えてなりません。
日本でも、女性の登用が進んでいる会社はそうでない会社よりも利益率が高い、という分析結果があります。多様な声が反映される社会が世界中で広がることを願っています。
国連広報センター 所長
根本 かおる
主な予定
3月中下旬 | 第61回国連女性の地位委員会(CSW)(ニューヨーク) |
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3月22日 | 組織トップが語る!!全国で女性活躍を加速する男性リーダーの挑戦(東京都千代田区) |
3月23日 | 平成28年度新・ダイバーシティ経営企業100選&なでしこ銘柄表彰式(東京都千代田区) |
5月27日 | 女子中高生向けシンポジウム「進路でどう変わる?理系で広がる私の未来」(東京都千代田区) |
6月23日~29日 | 男女共同参画週間(主唱:男女共同参画推進本部) |