「共同参画」2009年 6月号
取組事例ファイル/企業編
新日本石油株式会社
人間尊重の企業文化の醸成
新日本石油グループでは、2005年にCSRを推進する体制を整備し、「人間尊重いきいき委員会」を設置しました。人間尊重いきいき委員会では、「従業員一人ひとりが個性と能力を発揮し、いきいきと働き活躍できる人間尊重の企業文化を醸成すること」を目的として、さまざまなテーマについて検討し、その結果を当社グループの人事施策として展開しています。ここでは、「次世代育成支援」と「労働時間管理の徹底」に関する当社の取組をご紹介します。
安心してライフイベントに臨める職場環境作り
「次世代育成支援」については、従業員が安心して、妊娠・出産・育児というライフイベントに臨むことができれば、従業員のモチベーションも会社の生産性も向上すると考え、積極的に取り組んできました。具体的には、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を2005年から2ヵ月年単位で策定し、第1回、第2回とそれぞれ計画に掲げた目標を達成してきました。
今年4月には育児を目的とした休暇(育児休暇3日)を新設しています。今後は第3回行動計画のもと、これらの取組を継続・充実させていく予定です。
さよなら残業~Action8~
「労働時間管理の徹底」では、時間外労働削減の取組を通して、従業員により効率的な業務の遂行と私生活の充実を同時に実現してもらうことを目的に、「さよなら残業~Action8~」と名付けて、以下の8項目にわたる時間外労働の削減策を2007年から実施しています。
I.「20時ルールの徹底」運動
19時、20時に音楽を流し、帰宅を促す。
II.「日曜日は出社禁止」運動
日曜日は原則出社禁止とする。
III.「ノー残業デー」運動
週に1日程度、ノー残業デーを設定する。
IV.「マイナス30分」運動
月に1回は、定時30分前に退社する。
V.「時間外労働命令フローの徹底」運動
上司が残業を命じない場合は、定時退社する。
VI.「いつまでどこまで」運動
上司は、目的・期限・品質(いつまで・どこまで)を明確にして業務を命令し、部下は、他に抱えている業務を伝えた上で命令を受ける。
VII.「管理職は率先して休む」運動
管理職が率先して休暇を取得し、休暇を取得しやすい環境を作る。
VIII.「自分のことは自分でやる」運動
管理職は自分が使う説明資料等を自分で用意する。
この「さよなら残業~Action8~」の取組も一定の成果が現れていますが、より徹底していく上で今後は労使で協調して取り組んでいくことが大切だと考えています。
会社と従業員がWin-Winの関係を築く
昨今、少子化や人材の流動化等が進展し、人材の確保と定着が企業の急務といわれる中、多様な人材が年齢、性別等に関係なく持てる力を最大限発揮できる職場環境を作ることは大変重要なことです。新日本石油では、会社と従業員がWin-Winとなるような良好な関係を構築することを目指して、今後もワーク・ライフ・バランスを推進していきます。
(経営管理第1本部人事部勤労グループ)
会社概要 新日本石油株式会社 1888年設立。1999年日本石油と三菱石油が合併して日石三菱が発足、2002年に新日本石油に社名変更。従業員数(2009年3月末現在)新日本石油(単体)2,454名 新日本石油グループ(連結)14,144名。事業所(2009年3月末現在)本社(東京)=1 研究所=1 事業所=3 製油所・製造所=9 支店=11 直営油槽所=4 海外事務所=4 その他海外関連会社等