男女共同参画週間の中央行事として、「令和8年度 男女共同参画社会づくりに向けての全国会議」が、内閣府男女共同参画局と独立行政法人男女共同参画機構(JGEPA)の共催で、6月29日(月)に東京国際フォーラム(東京都千代田区)において開催されました。
主催者挨拶
はじめに、津島内閣府副大臣は冒頭の挨拶で、本年が男女雇用機会均等法の施行から40年、女性活躍推進法の施行から10年という節目の年であること、また、政治分野においては昨年に我が国初の女性内閣総理大臣が誕生したことに触れました。その上で、「女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくり」は地方の持続可能性を左右する喫緊の課題となっており、こうした課題を乗り越えるためには、全国各地で地域の実情を的確に捉えながら、男女共同参画社会の実現に向けた実効性ある取組を展開していくことが不可欠であると述べました。
また、6月25日に決定された「女性版骨太の方針2026」について、女性活躍の裾野をさらに広げるとともに、より高いレベルで取組を進めるため、「健康」「成長戦略」に加え「地域」にも焦点を当て、戦略的かつ体系的に施策を強化していく方針であることを強調するとともに、全国会議を通じて得られた知見や示唆が現場における力強い実践へとつながることへの期待を示すとともに、男女共同参画社会の実現に向けて全力で取り組んでいく決意を述べました。
女性のチャレンジ賞表彰
女性のチャレンジ賞、女性のチャレンジ支援賞、女性のチャレンジ賞特別部門賞が決定され、表彰状とトロフィーを授与しました。
※詳細は、女性のチャレンジ賞等の表彰についてをご確認ください。
基調講演
本年4月に設立された独立行政法人男女共同参画機構(JGEPА)の大槻理事長より基調講演をいただきました。大槻理事長は、JGEPАの役割と男女共同参画の重要性について、様々なデータを交えながら説明するとともに、今後のJGEPAの展望を述べました。
1990年と2020年の未婚率の比較や現在の平均寿命、今後の人口予測等のデータを示しながら、長期雇用や年功賃金等の日本的雇用システムは崩れつつあり、現在は時代の転換期にあると指摘しました。特に若い女性において地方から都市部への人口移動の傾向が強い背景には、地域におけるキャリアアップの機会の乏しさや固定的性別役割分担意識等、様々な問題があると述べました。また、男女共同参画に関する意識について男女間の差が大きいことも、男女共同参画が推進されない要因の一つであることを示しました。
JGEPAが担う役割としては、①国の施策を推進するナショナルセンター、②地域の活動を支えるセンターオブセンターズの二つを挙げました。
今後の展望として、地域の男女共同参画をけん引する人材の育成に取り組むとともに、都道府県別のジェンダーギャップ指数の公表により都道府県レベルでもアクションが生まれていることに触れ、データ基盤を市町村レベルでも整備することで地域の男女共同参画・女性活躍に関する現状・課題の可視化を進めていくと述べました。人材育成については、誰でもいつでも受講できるオンデマンド・オンライン研修の実施に加え、交流会を通じた知識の深化やノウハウの共有を図るとしました。また、全国センターの実態調査も行う予定であること、ハード面ではJGEPAが所有する書籍のデジタル化を進めるとともに、現在も実施しているパッケージ貸出しの積極的な活用を呼びかけました。
さらに、各地域との連携・支援を強化するため、今後は各地域を訪問しながら顔の見える関係を築いていきたいと述べました。特に経済団体との連携を深めることで、意思決定への女性参画拡大や成長分野における女性人材育成、強い地域経済の構築につなげていきたいと展望を語りました。
最後に、「是非一緒に男女共同参画を進めていきたい」と力強く呼びかけました。
パネルディスカッション
テーマ:「あなたらしさが、“地域”のチカラ」
株式会社ファミーリエ代表取締役の徳倉康之氏をコーディネーターに迎え、九州大学・男女共同参画推進室教授の河野(かわの)銀子氏、株式会社キャリアン代表取締役の河野(こうの)真理子氏、独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員の高見具広氏、独立行政法人男女共同参画機構(JGEPA)大槻奈巳理事長の4名がパネリストとして登壇し、「あなたらしさが、"地域"のチカラ」をテーマにディスカッションを行いました。
河野銀子氏は、データの背景を理解する重要性について、地域からの女性の流出が多い現状の背景には4年制大学への進学率の差があり、その背景には地域の高校に専門学科が多いことや地域の大学定員数も関係しており、日本の高等教育政策と切り離せないという例を示しながら説明しました。
河野真理子氏は、地域で働く女性のキャリア支援における、規模や業種による女性活躍の捉え方の違い等の「企業」の課題、キャリアの考え方の違い等の「女性自身」の課題、「社会全体」の課題について、資料を用いながら示しました。
高見氏は、地域からの女性の流出には地域における固定的性別役割分担意識が大きく関係していることに触れ、働き方という観点だけでなく、意識の面も非常に重要であると述べました。
大槻理事長は、男女共同参画センターが地域を変えていく力を持っていると期待を示したうえで、これまでと方向性を変えてJGEPAや関係者と連携しながら取組を進めることで、地域における男女共同参画の推進において非常に重要な役割を果たすことができると述べました。
こうした示唆を踏まえ、コーディネーターの徳倉氏は、若年層が学びや仕事の場を求めて移動している現状があり、関連する様々なデータを誤解なく読み取り、改善していくことが必要であるとまとめました。
その後も、地域における男女共同参画推進に関する課題について、それぞれの専門分野や経験をもとに、取組・事例等を交えながら様々な角度から議論しました。 最後に、パネリストよりメッセージをいただきました。
河野(かわの) 銀子(ぎんこ)(九州大学・男女共同参画推進室 教授)
「小さな声を出せる地域、その声を受け止められる地域が明日の日本を作ります。」
河野(こうの) 真理子(まりこ)(株式会社キャリアン 代表取締役)
「地域の経済を支えるのは、地域に働くひとりひとりのチカラ」
高見(たかみ) 具(とも)広(ひろ)(労働政策研究・研修機構 主任研究員)
「女性だから、男性だからということではなく、自分の希望に沿ったキャリア形成ができるということが、地域の持続可能性につながると信じている」
大槻(おおつき) 奈巳(なみ)(独立行政男女共同参画機構(JGEPA) 理事長)
「言い続ける、やり続ける、わきまえた人にならない」
第二部:交流会
独立行政法人男女共同参画機構(JGEPA)の主催で参加者相互のネットワーク構築及び意見交換の場として交流会を実施しました。
交流会ははじめての試みとなりましたが、会場71名、オンライン17名で合計88名の皆さまにご参加いただき、日頃の活動の悩みや課題等や、独立行政法人男女共同参画機構(JGEPA)に求めることについてグループトークを行いました。
会場では、交流会終了後も、各関係者で名刺交換等を積極的に行う姿が見られました。
▶当日の模様は、男女共同参画局公式YouTubeで配信しています。