- 日時: 平成15年1月22日(水) 16:30~19:00
- 場所: 内閣府3階特別会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
- 会長代理
- 八代 尚宏 (社)日本経済研究センター理事長
- 委員
- 伊藤 公雄 大阪大学教授
- 同
- 北村 節子 読売新聞社調査研究本部主任研究員
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 高橋 和之 東京大学教授
- 同
- 竹信 三恵子 朝日新聞企画報道部記者
- 同
- 寺尾 美子 東京大学教授
- 同
- 樋口 恵子 東京家政大学教授
- 同
- 古橋 源六郎 (財)ソルトサイエンス研究財団理事長
- 同
- 山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事
(議事次第)
- 開会
- 女性のチャレンジ支援について(最終報告素案)
- 閉会
(配布資料)
(概要)
行政等分野における女性のチャレンジ支援について古橋委員から、女性のチャレンジ支援策について事務局から説明があった後、自由討議が行われた。
- 行政等分野における女性のチャレンジ支援について
- 八代会長代理
- 女性公務員比率が低いという現状の理由について、1つは、公務員の合格者や申込者の比率がもともと低いということと、もう1つは、途中で退職する比率が多いこと。この2つの要因にどの程度ウエートがあるかということと対策とはかなり結びつくわけだが、そういった要因分析があるのか。もう1つは、今の国家公務員の採用試験はかなり不透明な要素があるということ。
- 古橋委員
- 今度は、女性が少ない割合の要因をもう少し分析することをやってもらおうと思っている。2番目の採用試験の問題については、人事院もできる限り試験の合格日時を繰り上げて、民間と同じようなレベルまで行こうということで、今度も大分早めたと思っている。合格者数の動態については、去年よりも今年は増えていると聞いている。
- 住田委員
- 優秀な女性がなぜ公務員を志さないかというと、これはもう過酷な労働条件、これに尽きる。これに対して少しでも対応するとすれば、まず、職場に近い保育所の設置。これはそんなに難しい話ではないと思うので、ぜひ設置していただきたい。そして、育児休業についても、部分的にきめ細かく取れる体制を公務員の場合は特にしていただきたい。
- 樋口委員
- 職場の状態だけではなくて、生活全体を支えることが必要。それから、結局、仕事を持って子どもを育てながら働く女性が少なかったから大問題にならなかったと思うが、これからは出産後育児休暇中の代替要員を考えざるを得ないのではないか。
- 竹信委員
- そのときは均等待遇が絶対に必要だということは、ぜひ理解いただきたい。
- 女性のチャレンジ支援について(最終報告素案)
- 住田委員
- 再チャレンジについて、2つの意味がある。まず、日本の女性は就業継続を希望しても出産・育児でそれがかなえられない社会であるが、これからは、そういう希望もかなえられる社会であるべきで、特にいったん辞められた方がたくさんいらっしゃる今、その方々の再就職の希望がかなう社会になるように、ということが1つ。もう1つの再チャレンジというのは、高齢化社会になってきた場合は、1つの職業だけではなくて、二毛作、三毛作という生き方が選べることが可能になるということ。
- 伊藤委員
- 再チャレンジの問題が21世紀の日本の雇用とか、社会全体の問題とかなり密接に絡む課題なので、その辺のところがもうちょっとはっきり出せるような形のまとめ方をしていただいた方がいいのではないか。もう1つは、男性社会が今まで持ってきた女性労働に対する見方を変えるようなメッセージみたいなものを、もうちょっと強調されてもいいのではないか。
- 古橋委員
- 全体としてのチャレンジ支援を考えたときに、一番基礎的なことは、今まで我々が言ってきた社会的基盤の整備である。意識ということはある程度書いてあるが、そのシステムとして、保育所とかの整備、家庭内における男性の協力、企業においても男性の協力が要るということをちゃんと書いておく必要がある。
- 樋口委員
- 基本的には男女共同参画の視点で、子どものときから男女ともども人生にチャレンジしていくという生涯の条件づくりについて、こちらの会議と連動して、そういう形で入れていただきたい。
- 竹信委員
- 印象だが、全般に「チャレンジしなさいよ」という意識の説教みたいなものが結構受け取れる。多分、冒頭のところで、これは仕組みでできるように変えるのだよということをバーンと打った方がいい。
- 山口委員
- 構造改革のことはもっと書かなければいけないなと思う。多様な生き方で、専業主婦を選んでも働いてもどっちでもいいよということではなくて、経済的な自立というか、そういうことを確保しながら家庭生活と仕事が両立できるのだというあたりを書くべきではないか。もう1つは、やはりもっと女性の国際社会への進出ということも、どこかで強調していくべき。
- 伊藤委員
- 国際公務員へのチャレンジについては、むしろ日本では女性の方が目立っている。その辺のところもはっきり書くことが必要ではないか。
- 北村委員
- 国際公務員の世界では、女性の活躍はネガティブな部分もあると思う。国内ではできないからそっちへ行ってしまうというような。
- 古橋委員
- 農業分野におけるチャレンジ支援策の中で、農林水産業について振興策を考えるときに、6次産業化ということを言っている。そういう方向を進めて、食品加工業とかグリーンツーリズム等の中において女性が、今まで活躍しているのをさらに広めることが必要。同じように、地域におけるチャレンジ支援策というものは、システムとしてやろうと思えばできるのですよということを書かないといけない。それから、行政へのチャレンジ支援では、もう少し具体的な、例えば国としては、今後とも、会議で決定された意見に対する一層の取組は進めるということではなくて、「民間に先駆けて」とか「民間に先行して」とかいうことを入れるとか、もう少し価値判断を入れてくれないといけない。あるいはまた「諸外国における立法例も踏まえつつ」というようなことも入れておくことによって、そういう外国の例をここで少しみんなに意識してもらって、いかに日本が遅れているかを意識してもらうということではないかという気がする。
- 北村委員
- 一番最初に、なぜ女性のチャレンジ支援が必要なのかといったときに、もっと危機感をあおる書き方の方がいいと思う。この種のものというのは、男女共同参画基本法もそうだと思うが、女性の基本的な権利という理念的な部分と、このままではやばいよという警鐘的な部分があって一番説得力がある。
- 高橋委員
- 「現状と阻害要因」の中で、現状を述べているのか阻害要因を述べているのかはっきりしないところがある。もう1つは、研究分野の問題について、「女性研究者が」云々とあって、「例えば、保育サービスの充実、出産・育児休業中の研究者に対しての代替要員の確保等研究補助体制の整備」の辺がピンとこない。
- 岩男会長
- これは3月末までにまとめて男女共同参画会議で報告することにもなっている。次回は、本日の御議論、またお寄せいただく御意見を踏まえて、それを整理してさらに御議論をお願いすることにしたい。
(以上)
(以上)