- 日時: 平成15年3月14日(金) 16:30~18:55
- 場所: 内閣府3階特別会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
- 会長代理
- 八代 尚宏 (社)日本経済研究センター理事長
- 委員
- 伊藤 公雄 大阪大学教授
- 同
- 北村 節子 読売新聞社調査研究本部主任研究員
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 高橋 和之 東京大学教授
- 同
- 竹信 三恵子 朝日新聞企画報道部記者
- 同
- 樋口 恵子 東京家政大学教授
- 同
- 古橋 源六郎 (財)ソルトサイエンス研究財団理事長
- 同
- 松田 保彦 帝京大学教授
- 同
- 山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事
(議事次第)
- 開会
- 「女性のチャレンジ支援について」(最終報告素案)
- 閉会
- 岩男会長
-
それでは時間でございますので、ただいまから男女共同参画会議基本問題専門調査会の第22回会合を開催させていただきます。大変お忙しい中を御出席いただきましてありがとうございます。
本日は修正意見、追加意見全体を踏まえ、最終報告(案)全般にわたって議論をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。それでは「女性のチャレンジ支援策について(最終報告案)」について、それぞれの論点について事務局から御説明いただき、その後で御議論をお願いしたいと思います。 - 村上推進課長
-
前回の議論では、本文のはじめに「女性のチャレンジ支援の必要性・緊急性」をまとめる必要があるとの御意見がありました。次に「基本的な考え方」として男女共同参画と少子化との関係でどのような表現がいいのか前回御議論があったわけですが、これは「仕事と子育ての両立支援の重要性」との表題にしてはどうでしょうか。次に「どのような支援を行っていくのか」では、「現状と阻害要因」に「母子世帯の就業」の項を、「支援策の方向」に「母子世帯に対するチャレンジ支援」の項を追加してはどうかと御意見がありました。
それでは「はじめに」でございますが、ここは前回よりも少し表現を削ったり、簡素化したりしております。余り基本的には変わっておりません。本文の「なぜ今、女性のチャレンジ支援が必要なのか」では、「構造改革に女性のチャレンジは不可欠」である理由として「少子高齢化、国際化、高度情報化」といった背景を挙げましたが、「グローバル化」という言葉がいいのではないかとの御指摘もありました。また「女性が活躍できていない現状を踏まえると、男女が共に生きがいをもって充実した暮らしができるようにするため、意欲と能力のある女性が社会で活躍し」と言いたいことを明確に書いてはどうかという御意見がありました。
次に「基本的な考え方」のところで、「家族を構成する男女が相互に協力するとともに、社会の支援を受けながら家族の一員としての役割を果たし」と、家族についての御意見がありました。
「生涯を通じた女性のチャレンジ支援」では、「また、結婚、出産、離婚、配偶者との死別等により、さまざまな家族形態となることも考えられるが、いかなる家族形態となっても、自立に向けてチャレンジできるような環境整備も重要である」という表現を追加してはどうかという御意見がありました。
それから、「短時間労働者に対する厚生年金の適用基準や国民年金の第3号被保険者制度などが就業に関する選択等に中立的に機能していないという指摘がある」ことを、きちんと書いた方がいいという御意見がありました。
それから、少子化との関連をどう言及するかが議論になったわけですが、ここでは「男女共同参画の推進は結果として少子化を抑制することにつながるものと期待できる」というような表現はいかがでしょうか。また、「環境づくりを進めることは少子化への対応策としても意義がある」というような表現ではどうかという御意見をいただきました。
次に「どのような支援を行っていくのか」以降のところです。まず「現状と阻害 要因」では、職業別の女性比率を書いた方がわかりやすいという御指摘を踏まえまして、代表的なものについて数字を書いてはどうかと思います。それから、「世界的にみると、進学率においては遜色がないが、我が国の状況は立ち遅れており、女性の活躍の低さが際立っている」というふうにはっきりと書いてはどうかという御意見がありました。
それから、女性の雇用創出では「雇用創出型の対応が進められる中、雇用拡大の余地が大きなサービス部門での女性の就業環境の変化も大きい」ということで今伸びている部門、例えば「サービス部門において、女性従業者の割合が高く、その数も過去5年間で飛躍的に伸びた分野は、老人福祉事業や看護業、介護老人保健施設等、生活関連サービス業であった。社会経済情勢が厳しい中でも、新たに成長する分野での女性の活躍も予想される。」というような、伸びていく分野について言及してはどうかという御意見がありました。
次に「再チャレンジの現状」として、実際に失業率も高く、大変苦労している現状がありますので、そうした現状を書いた方がいいのではないかという議論があり、「リストラによる世帯主の失業者が増える一方、新たに仕事を探す女性が目立つことから、家計を助けるため勤め先を探す女性が増えていると考えられる。女性の完全失業者率も過去最高の水準となっている。現状としては、女性がいったん仕事を辞めた後、再び就業を目指し、再教育や再訓練により技術を磨いても、適切な評価を受けにくく、次のチャレンジにつながりにくい。」と厳しい現状を書いてはどうかと存じます。
次に、「男女の意識の差」を指摘されましたが、内閣府の調査を引用し「男は仕事、女は家庭という考え方について、否定する者の世代間の違いは大きく、60歳以上の60%に対し、20、30歳代の若い世代では、それぞれ85%、84%という調査結果もある」ということを指摘してはどうかと思います。
次に、「母子世帯の就業」を追加してはどうかという御意見がありました。母子世帯はいろいろ苦労をしているということで「母子世帯の場合、結婚、出身等により就業が中断することに加え」云々ということで、就業経験が少ないとか、母子家庭に対する理解不足とか、求人の年齢制限の問題等々で再就職に困難が伴うというようなことを指摘し、経済的に自立できるような支援の必要性が高まっている状況を書いてはどうかと考えております。
次に「支援策の方向」ですが、「様々な分野における数値目標の設定」について前回の御議論を踏まえ「国際的指標であるジェンダー・エンパワーメント指数や政策・方針決定過程における参画状況をみると、日本女性の活躍度は極めて低い。このため、我が国においては、国連ナイロビ将来戦略勧告の30%の目標数値を踏まえてはどうか」という御意見がありました。これは1990年に出された勧告でして、指導的な立場にある方にいろいろな分野で目標年次に向けて30%を目指すというような明確なものが出ております。
そこには政府、政党、労働組合、職業団体、その他の代表的団体はそれぞれ2000年までに男女の平等参加を達成するための指導的地位につく女性の割合を、1995年までに少なくとも30%にまで増やすという目標を目指し、それらの地位に婦人をつけるための募集及び訓練プログラムを定めるべきであるという文章がございます。これは有名な文章で、国の審議会等委員の女性比率を30%にというのもこれを意識して行っておるわけですが、こういう「国連の目標数値や諸外国の状況も踏まえ、あらゆる分野において、2020年までに少ない方の性の割合を少なくとも30%程度に引き上げる目標数値と達成期限を定めた自主的な取組が進められることを期待したい」と書いてはどうかとの御意見がありました。2020年までに30%程度に引き上げる程度が目標数値、達成期限と書いたのですが、数値や期限がこれでよいのかとの御議論があるのかもしれません。
次に「ポジティブ・アクション(積極的改善措置)」について、前回の議論のほか、「今後、女性の参画を拡大していくために、雇用以外の分野も含めたポジティブ・アクションの具体的措置の導入について検討するため、平成15年度から内閣府において、実効性のある措置の具体化について総合的に調査・研究を行い、平成16年度中に取りまとめを行う。」ことも追加し、学問的にも耐え得るよう研究しておきたいと考えております。
次に「身近なチャレンジ事例の提示」と分かりやすい題名にし、「チャレンジしてみようという意識を持ち、自らの選択でチャレンジすることができるような環境整備を行うべきである。」と。それから、「女性が活躍している現場を直接あるいは間接に体験」云々というロールモデルを広く提供することが極めて有効であり、「このため、活躍する女性を顕彰する「女性のチャレンジ大賞(仮称)」の制度の創設を検討する」など前回御指摘がございましたので、制度の創設を検討することを盛り込んではどうかと考えております。
次に「女性のチャレンジ支援のためのネットワーク形成の重要性」についてです。これにつきましては、施策を考えていくに当たってのネットワークをどのように形成していくかを御議論いただく場として「チャレンジ支援ネットワーク検討会」を設置し、「平成15年度中に各府省が提供している女性のチャレンジ支援策の情報の体系化を図る」と明確に書いてはどうかと考えております。また、「地域においては、これらの情報を基に、地域の実情に応じた女性支援のための拠点を中心に、ネットワークの構築のため、複数の関係支援機関が垣根を越えて積極的に参画できるようチャレンジ支援地域連絡協議会を設置し、協議会の検討を踏まえて、チャレンジのため必要となる情報を効率的に提供していくことが期待される」という御意見をいただきました。
それから、御意見がありました「平成15年度は、その趣旨を広く周知するため、内閣府等について、「チャレンジキャンペーン」を行う」と、キャンペーンとして大々的にアピールしていきたいと考えております。
何をしたらいいかわからない、自分に合うものがわからない、どこからスタートしたらいいのかわからない、たくさん相談窓口がありどこに行けばいいかわからないといった悩みを多くの女性が抱えています。こうした現状を踏まえ、起業、実力アップ、再チャレンジ、まちづくり、社会貢献などさまざまな分野におけるチャレンジのニーズに対し最も適切な情報を提供するためには、関係機関相互の情報流通がスムーズに行われ、女性のチャレンジ支援拠点において個人が最も適切な情報にきちんとたどり着けるようにする体制を整備することがポイントです。
このため、チャレンジ支援ネットワーク検討会で、国レベルで体系的に情報提供システムを整備するとともに、必要な情報が効率的に得られるよう、実際の支援機関のネットワーク化を進め、総合的な情報提供を行っていくという御意見をいただきました。
次に移りますが、「母子世帯に対するチャレンジ支援」を追加してはどうかという御意見です。就業意欲が高く、現に就業しているにもかかわらず平均年収が低くなっている理由としては、就労経験が少ない、非正規の就業形態が大きくなっている、子育てと生計の担い手という二重の役割を負っているといったことが挙げられます。
「平成14年11月に母子及び寡婦福祉法等を改正し、母子家庭が十分な収入を得ることができ、自立した生活をすることができるよう、職業相談、職業能力向上のための訓練、効果的な職業あっせん、就業機会の創出等を実施するなど、就業面での支援体制の整備を促進するとともに、保育所への優先入所も法定化した。」ことで、具体的な就業支援策としては相談から講座を受けるときにその給付金を出すとか、あるいは生活費を支援する、起業する場合にも貸付けをするなどかなり総合的な対策が講じられていることを追加してはどうかと考えております。各分野に共通する事項は以上でございます。 - 岩男会長
- ありがとうございました。それでは、まず先ほどのポジティブ・アクションの数値目標と、その期間について何か御意見があればおっしゃっていただきたいと思います。
- 竹信委員
- 多分なぜ3割かというと、研究結果などは持っていませんが、組織の中が変わるのが3割と言われていますよね。それで、私どもの経験で言っても1割、2割はかえって大変になる。20年ならば3割でいいような気がしますが。
- 古橋委員
- 書き方はそういうことでいいと思いますけれども、この最終文章としてナイロビ将来戦略を30%というときに、具体的にその文章をそのまま書く必要があると思います。この間も私は言ったように、後できちんと目標を達成したかどうか検証できるようにしておく必要があるので、ナイロビ将来戦略の30%と言っても、それは意思決定に参加する人たち、要するに管理職だということがわかるようにしておくということですね。
- 伊藤委員
- それはどうでしょうか。私もその意見を申し上げようと思っていました。指導的地位につく女性の割合をはっきり書くべきだと思いましたが、そうではなくてあらゆる分野というのはもっと広い意味で考えるべきではないか、その辺の判断が必要ですね。私は指導的分野に立つと書いた方がいいだろうとは思うのですが、その辺はどうなのでしょうか。
- 坂東局長
- 管理的職業従事者の定義の中には民間企業、公務員、組合役員、いろいろな分野で管理的な職業というのは定義されておりますので、それが現在日本では8.9%ということです。
- 村上推進課長
- 日本の管理的職業従事者で統計を取っているのは管理的公務員もあれば、会社・団体の役員、企業の工場長、参与、室長、秘書役も入ります。
- 古橋委員
- それでは、現在それは何パーセントかということを聞かれると思います。それから、我々はこれだけ努力してこうしますということをマニフェストするわけですね。この場合、今の状態でいけばどうなるかというのはなかなか難しいかもしれませんが、状況証拠として現在これだけ潜在的な可能性があるということでいけば、将来は大体こうなるということをこちらで持っていないと、この文章の意義付けができないのではないでしょうか。ですから、2020年に30%という数字は、1995年に30%とナイロビで宣言されているということですが、それについて統計的な数字を持っていた方がいい。
- 坂東局長
- 例えば管理的職業は、外国でアメリカは45%、カナダは35%、ドイツは26%、スウェーデンは28%となっています。それから、我が国のいくつかの団体では、例えば国立大学協会では20%を目標に挙げているとか、生協、連合、日本オリンピック委員会なども数値目標を挙げ、それなりに進んでいると伺っております。
- 古橋委員
- それを30%にするわけですね。
- 坂東局長
- それぞれ責任ある主体で、気持ちとしてはこのような分野で一律の統計でというより、それぞれの分野で目標を掲げて進めていくと考えております。
- 古橋委員
- そうすると、この文章としては、期待したいということですね。
- 坂東局長
- 期待です。
- 古橋委員
- 期待したいということで、私は30%で書く必要があるとおもいます。
- 岩男会長
- そうですね。
- 坂東局長
- 2020年20%という意見もあります。
- 岩男会長
- でも、それは余りにも遠いような気がします。国大協は10年ですよね。
- 古橋委員
- ナイロビ宣言で30%と書いてあると言った方がわかりやすい。
- 山口委員
- 「2020年までに、少ない方の性の割合を少なくとも」ではなくはっきりと女性の割合を少なくともと書いていいのではないかと私は思います。
- 住田委員
- あらゆる分野にと言いながらも、やはり審議会の次は国家公務員を進める必要があると思います。人事院が調査した結果ですが、諸外国・欧米主要国における女性国家公務員の採用・登用に係るポジティブ・アクションについて数字を見ますと、欧米諸国だけではなく韓国も非常に気になります。欧米諸国では、例えばイギリスでは35とか、30を超えた数字を設定していますので、今この段階で出すとしたらやはり30%の方がよろしいと思います。
- 岩男会長
- 今のデータには入っていませんけれども、例えばノルウェーなどの場合は4割を既に出されているので、諸外国の状況をもう少しはっきりと書いた方がいいと思います。
- 山口委員
- 私は台湾に行ったときに、あそこは憲法で少数民族、女性も含めて2割と書いてあったけれども、女性たちはもう2割を超えています。日本はやはり30%と書く必要があると思います。
- 岩男会長
- 国大協でははっきり10年で出しておられるわけですから、2020年までにはもっと高くなると思います。
- 山口委員
- 住田委員がおっしゃったとおり、確かに国家公務員のように率先してやっていただきたいところが、努力目標はあっていいのではないでしょうか。
- 伊藤委員
- 司法試験はもう3割いっていると思いますよ。
- 山口委員
- そういう例があるのだから、心配しなくていいのではないですか。
- 伊藤委員
- 医師の国家試験もたしか3割ですね。
- 住田委員
- 女性はどうしてもそういう資格試験の方にかなり動きます。
- 山口委員
- 20%では訴えるものがないと思います。やはり30%だと目標があった方がよいです。
- 古橋委員
- 国家公務員の場合は、そういう数値目標を立てなければいけない方向にはなっていますが、各省によって違います。去年、苦情処理・監視専門調査会で議論したときに、今後毎年この専門調査会において各省の取組状況を審査することを入れていますから、これで毎年チェックしていくことになります。
- 岩男会長
- チェックしていただき、期待がどのくらい実現をしていくのでしょうか。
- 古橋委員
- ある程度下の階層に女性の上級職が入ってきていますし、いないところは外部から入れる形もありますから、そういうことで進めていけば各省もある程度できるのではないかという気がします。何度も申し上げますけれども、ドイツは公務員についてはそれを法律に基づいてしているわけです。
- 村上推進課長
- 山口先生がご指摘された点を決めていただきたいと思います。男女共同参画社会基本法の積極的改善措置は男女平等です。表現はどうしましょうか。
- 岩男会長
- 女性だけとするか、少ない方の性とするか。
- 山口委員
- 「少ない方の性」という表現が悪いのです。一方の性を4割とか審議会などは使っていますが、ここはもっとはっきり書いていいのではないでしょうか。
- 岩男会長
- そうですね。ここは女性とした方がいいですかね。
- 事務局
- ナイロビ宣言は女性のための会議であって、女性ということで出ていると思いますが、日本は女子差別撤廃法でも男女ということになっていて、男女共同参画社会基本法の考え方でいけば、ここは「少ない方の性」となると思います。
- 山口委員
- 女性のチャレンジ支援なので女性を対象とし、ここは強調すべきだと私は思います。
- 樋口委員
- 看護士、保育士、栄養士、薬剤師、小学校教員は男性の方が少ないですね。
- 樋口委員
- 現在、管理職割合は約9%であり、目標値からすごく差があるのでこれだけでも十分ですが、特に上位の職種について言うと、この頃増えているのは係長職くらいですから、特に方針決定に関わる職務について正確に出ていれば、文章のどこかで一言入れていただきたいと思います。それは難しいですかね。
- 岩男会長
- 難しいかもしれないですができるだけ書いていただきたい。
- 古橋委員
- 日本の場合、人事院は中央官庁の課長相当職以上と決めています。
- 岩男会長
- 確認ですけれども、古橋委員は、20年で30%とすればいいと。
- 古橋委員
- 20年というところはそのままでいいでしょう。要するに、ナイロビ宣言のとおりにしましょう。
- 岩男会長
- それでも日本は、25年も遅れているのです。
- 坂東局長
- 審議会の女性委員の割合を30%にというのは大体1976年から始めてほぼ30年かかって30%なのです。
- 古橋委員
- ここのところの実現可能性というものを考えたほうが良いでしょう。
- 山口委員
- そこで30%に達成するためにいろいろな方策を考えるわけですから、目標が必要であった方が良いと思います。
- 坂東局長
- 大学進学率などは本当に男性48%に対しては女性36%と、ほとんど4割近くになっています。
- 山口委員
- 数字はそうですが、結局その内容に偏りがあるのではないか。学部専攻だとか、そういうことを議論すべきだと思います。
- 伊藤委員
- 進学率ですが、わかりにくいのではないかと思うのです。「世界的にみると、進学率においては遜色がないが」、これは女性の進学率はということでしょうね。それははっきりどこかで書かないと、何の遜色がないのかよくわからない。
- 八代会長代理
- 今の点はわかりにくさだけではなくて、そういう言い方をすることにどれだけ意味があるのか。つまり、日本は進学率が全般的に高いから男女の格差が問題なわけですよね。
- 樋口委員
- 本当に遜色はないのですか。短大が多いですし。
- 岩男会長
- 短大は少なくなりました。
- 樋口委員
- そうなったけれども、4年制大学はまだ少ないと。
- 伊藤委員
- ここで言っているのは、女性の高等教育への進学率ということですね。いわゆるサミットに参加しているような国々の中では遜色はないと思います。高等教育に進学する女性が多いのにもかかわらず、女性の社会参画という点でやはりすごく遅れていることが言えると思います。
- 岩男会長
- これは、女性の能力が十分に生かされていないことをいいたいのだと思います。
- 伊藤委員
- 短大を入れると、高等教育進学率は5%くらい女性の方が上になりますよね。
- 八代会長代理
- そこについても異議があるのは、なぜ男性の高専を抜かしているかということで、女性の短大に相当するのが男性の高専ですね。それは低いけれども、普通は女性の短大と男性の高専はパラレルで、無理に女性の進学率を上げるためにされているように思います。
- 伊藤委員
- 表現は考えていただいて、はっきりとわかる形で趣旨が通るような形で書いていただきたいと思います。
- 岩男会長
- では、今の御指摘を踏まえてまとめをお願いいたします。
- 住田委員
- 20%、30%、これは目標でそれぞれ頑張ってくださるところはそれでいいと思いますが、こういう目標があるにもかかわらず依然として10%にも満たないといったところに対しては、真摯なる取組、または見直しを期待したいということを書きたいのですが、かえって反発を買いますでしょうか。
- 古橋委員
- それは公務員のところに書いてありますよ。それに満たないところについてはよく努力されたいというようなことを書いてはある。そうすると、現在達成していないところについてはという意味ですか。
- 住田委員
- そういう方向に目が向いているところだったらいいですが、そういうことを最初からあきらめてしまって全く顧慮しないようなところに対しては、そういうわけにはいきませんよということをどこかで言いたいなと思うのです。
- 山口委員
- 私が、連合の役員にインタビューしたときに、「目標値はつくっているが、なかなか組合の執行委員が増えない。しかし、均等法世代が育ってきているから、あと何年か経つと増える。」といっていました。そういう過程にあると思います。
- 住田委員
- やむを得ないということで、少し気長に待つという感じでいいですか。
- 山口委員
- 私はなぜ目標値を達成できないかという調査がむしろ必要だと思います。
- 住田委員
- そういう意味での見直しを少しやっていただければという気がします。
- 岩男会長
- そうですね。随分先の話だからと思われたら困るということですね。
- 古橋委員
- では、公務員についてしているように毎年度、調査、発表していくことを宣言しますか。
- 岩男会長
- フォローしていくことを。
- 住田委員
- 高らかに目標を宣言するのもいいですけれども、やはりその過程としてある程度は必要ではないでしょうか。
- 古橋委員
- 今後の推進状況については監視という言葉はよくないけれども、見守ることとすると。
- 事務局
- 「共通事項」の中で「支援の着実な実施及びそのための評価」という項を立てておりまして、そのような趣旨をまとめさせていただいくということです。
- 八代会長代理
- 日本型雇用慣行の説明が非常に不満でありまして、これは景気悪化のために余裕がなくなったからこうなっているという非常に短期的な説明になっていますが、そうではなくて、「景気悪化のため」というのを「経済社会環境の変化の中」でとしていただきたい。これは冒頭に書いてあるグローバル化、高齢化とかあらゆるものを含む。それから、「従来型」というのも長期雇用慣行ですね。
- 岩男会長
- それはその方がいいと思いますので、今のように直していただきたいと思います。
- 高橋委員
- 母子家庭が入ったというのが必ずしもしっくりこないです。
- 岩男会長
- これは我々へのチャレンジですね。
- 高橋委員
- 女性のチャレンジという面もないわけではないかもしれませんが、これはやはり社会保障の話ではないかと思います。
- 村上推進課長
- 再就職するのに一番ハードな方々ではあります。
- 古橋委員
- その人たちをチャレンジすることと結び付けた言い方をしてほしい。
- 樋口委員
- 再チャレンジの中に入れたらどうですか。
- 松田委員
- 賃金格差が一番響いているのはこういう人たちですね。
- 岩男会長
- そうですね。では、再チャレンジの中に組み込むということで、今のような扱いでよろしいですか。
- 古橋委員
- 再チャレンジの中に入れてもう少し簡潔に書くということですね。
- 岩男会長
- よろしいですか。それでは、先に進んでいただいて、また後でもし必要であればお気付きの点があれば戻るということにいたします。
- 村上推進課長
-
それでは、「個別分野」をご説明いたします。
-
「雇用」の分野では、「企業におけるポジティブ・アクションの積極的推進」として、厚生労働省では都道府県労働局で協議会、都道府県単位でいろいろ取り組んでおりまして、協議会でまとめた提言の地域レベルでの普及を図る。ポジティブ・アクションのための協議会をつくり、業種別使用者会議とか人事労務担当者や女性の管理職候補者に対するセミナーの実施等を行っていて、その成果が期待されるということです。また、この協議会と厚生労働省は、企業における公正な業績評価の徹底の推奨や、各社が目標を立てる際のベンチマークとして活躍できるような、業種や規模ごとの女性の活躍状況等の各種データ、それからロールモデル等の好事例など、目に見える形での情報の収集提供などを行い、これらを着実に実施していくというようなことを提言してはどうかということです。
それから、「新たな支援策」では、入札のときの登録の例で、前に挙げていた事例ではポジティブ・アクション計画の策定の有無、均等推進企業表彰実績とありましたが、これにファミリー・フレンドリー企業表彰の実績を追加してはどうかというご意見がありました。また、育児・介護休業法の基準を上回る制度の導入をしているところに対して加点制を設けている実例が実はあります。千代田区が最近そういうことをやっておりまして、これもひとつ例として挙げるのがいいのではないかということで、これも加えて、あとは男女雇用機会均等法違反に係る企業名公表の有無を加えたということであります。
千代田区では、平成15年度からの建設工事等競争入札参加者の資格に、ISO認証取得に合わせ、男女共同参画社会への実現への貢献等、ここに書いていますが、中身は、要は育児・介護休業法に規定する制度を上回る制度を独自に制度化している場合には報告書を提出し、これは総合数値に加算されるという事例です。ある意味では事例として適切なので、これを取り上げさせていただきたいと思います。
次に「再教育・再訓練の充実」です。最後の「意欲と能力のある人が教育を受けられるような奨学金、教育ローン等の充実を図る」の後ろに「キャリアコンサルティングと人生設計、家族計画等のライフプランニングに関する相談を組み合わせ、総合的なコンサルティング等を実施する」という方針を是非加えてほしいとの御意見がありました。
それから次に「年齢にかかわりなく働ける社会の実現」では、「年齢にかかわりなく均等な機会を与えることについて事業主が適切に対処するための指針」に基づく指導の徹底を図り」とありましたが、「安定所における年齢不問求人の割合を平成17年度に30%とする目標の達成に向け積極的な取組を行いつつ」と、きちんと目標を定めてはどうかという意見がありました。御指摘事項については以上でございます。 - 住田委員
- 企業におけるポジティブ・アクションについての研究としては立法措置を視野に入れたということで入っていますが、全体的なものに関しての雇用以外の部分を含めたポジティブ・アクションの具体的措置の導入について検討するために実効性のある措置の具体化についてと、はっきりしないが、立法的措置をも視野に入れたという一言が入らないのかなと思います。
- 村上推進課長
- はっきり申し上げて、まだ検討が未成熟かと思います。どこまでやることが憲法上可能かなどを議論しておく必要があるというのが問題意識です。
- 住田委員
- ただ、先ほどお話にありましたとおり、ほかの国では法律に基づいて国家公務員に関するポジティブ・アクションを行っていますから、そういうものを研究するのは当然立法化も視野に入れたということになりますし、内部で旗を振るだけでは動くわけがないという部分がありますので、やはりその一言は常にどこかの頭の片隅に入れておくべきではないかという気がします。
- 村上推進課長
- 均等法に関してはある程度法律の可能な枠組みというのが見えていますけれども、そのほかの分野では進んでいないと考えております。
- 住田委員
- 人事院の女性国家公務員の採用・登用も、いろいろな意味で法律にて定められたものがほとんどですね。それを見ると、諸外国のこういう法律をまず研究をして、そしてそれがどのような意味合いがあるかを我が国も研究することに意味があるのではないでしょうか。
- 伊藤委員
- 私も賛成だけれども、ここには入らないでしょう。基本計画についての文章だから、入れるのならばやはり別のところになるだろうと思います。
- 住田委員
- 雇用分野については、ポジティブ・アクションの条文がありますからいいです。
- 古橋委員
- 雇用分野以外というと何でしょうか。同じ立場の人たちの審議会の割合とか。
- 岩男会長
- 農業委員とか、団体ですよね。
- 古橋委員
- 団体について立法措置ということが本当に言えるかどうか。立法措置を含めてということで入れてもいいけれども、しかしそこは非常に難しいところかもしれませんね。
- 村上推進課長
- 「行政」分野のことは個別にありまして、住田委員もこのことを指摘されていると思いますが、これはまさに国家公務員のことで、「国としては、今後とも、民間に先行して、諸外国における立法例も踏まえつつ男女共同参画会議で決定された意見に添った一層の取組を進める」ということで、指摘してはどうかと考えております。
- 古橋委員
- これでもなかなか大変です。国家公務員についての立法をゴール・アンド・タイムテーブルとして指摘することでも大変です。この間、苦情処理・監視専門調査会で検討したときもできなかったのです。それ以外の団体についてやることについては、どういう論理で立法措置まで入っていくかということで難しいのではないでしょうか。
- 事務局
- 各分野によってさまざまなポジティブ・アクションの進め方があります。中にはほとんど自主的に進めていくものと、雇用については法体系がございますので、その延長線上でやっていく。そういう過程で総合的にポジティブ・アクションの研究をしたいというのがまず共通事項としてありまして、住田先生がおっしゃったようなことについては個別分野の方で特に書くべきものは書かせていただいている構成になっております。
- 古橋委員
- なかなかここのところは難しいかと思います。
- 住田委員
- この場合は数字の話とか、しかも割当制を言っているわけでも何でもありません。男女共同参画社会基本法にポジティブ・アクションが規定されているわけですから、それをいろいろなところでポジティブ・アクションを組み込んだ形で検討できないかということなのです。
- 古橋委員
- 基本法に積極的改善措置についての国及び地方公共団体の推進義務が書かれていて、かつまた個別法でこれを書くというのはどのように書くかということです。
- 岩男会長
- 具体的にもう少し目標を明確にするようなことは個別法で対応することではないですか。
- 古橋委員
- それについてゴール・アンド・タイムテーブル方式の義務があるというふうに書くならばそれは法律事項としてできる。そこまで、例えばそういう団体について言うことができるか。
- 住田委員
- 現段階では義務ではなくて、望ましいものとしての積極的改善措置、これを具体的に組み込んだものはどうでしょうか。基本法における象徴だと思いますので。
- 住田委員
- 積極的改善措置としてこのような組織の在り方が望ましいので、そういう数値目標ないしはゴール・アンド・タイムテーブル方式等をとって、そういう形で努力するものとするとか、そういうような趣旨のことを申し上げているわけです。援助などについていろいろな団体の中で組み込まれていくことが今の段階ではあり得るし、望ましいのではないかと思っています。
- 古橋委員
- それは望ましいです。しかし、立法措置ということでそれを言うかというと、なかなか難しいのではないか。既に政府はやる義務があるわけです。
- 高橋委員
- 実際に入札の問題をいろいろ考えると、アメリカなどでは法律でやるわけですが、日本では基本法で積極的改善措置をやるということを書いてあるから、解釈でそれを例えば持ち込んでいったらどうかということを考えました。財政法の専門家に聞いたら、ちょっと解釈で外から持ってくるのは難しいのではないかという意見もありました。そういうふうに、基本法で書いただけでは個別領域でやっていこうというときにはちょっと不十分かと考えます。研究としては立法も念頭に進めていく必要はあるだろうと思います。
- 古橋委員
- それを団体で政府が進めるには、優遇措置とか財政上の措置とかいろいろなことでやっていくことだと、私は今の部分については思います。どうしても団体の方が進まないという場合には。
- 住田委員
- 強制や義務を言っているのではなくて、やはり理念としてうたうという程度なのですか。
- 坂東局長
- それをできるかどうかを検討していただくということではないですか。
- 村上推進課長
- 各分野でそれぞれどういうものが一番有効か、それを達成するためにはどういう手段があるかについて検討する中で、立法措置しないと駄目な分野もあるということだろうと思います。はっきり言って、そういう見地から十分検討されたものはまだないので、検討の場を少なくとも来年から設けたいと思っておりまして、今、先取りして書くだけの内容が十分ないというのが正直なところです。
- 岩男会長
- 検討した結果、難しいということだと思いますけれども。
- 伊藤委員
- その場合、韓国の女性活用推進基本法はどのようなものなのですか。韓国はかなり頑張っています。儒教文化で日本とある程度共通しているところがある中で進めていていろいろと齟齬も生じていると思います。その辺の研究は、日本の参考にもなるし、きちんとやる必要もあると思います。
- 岩男会長
- では、実効性のあるという中には当然立法措置も含まれるというようなことで、住田委員、このままでよろしいですか。
- 住田委員
- はい。
- 岩男会長
- それでは、ほかのところでいかがでしょうか。
- 岩男会長
- ポジティブ・アクションは、基本法では積極的改善措置ですね。私は日本語の方がいいと思いますが、その辺は皆様でお決めいただいてと思っています。
- 山口委員
- それこそ括弧で入れておいたらいいと思います。
- 坂東局長
- 文章では積極的改善措置で、括弧でポジティブ・アクションですか。
- 岩男会長
- いずれにしても、今の段階では広く知られてはいないですよ。
- 松田委員
- 最初はアファーマティブ・アクションとアメリカで使われている言葉を使いました。やはり内容的には積極的改善措置の方がずっといいと思います。
- 古橋委員
- 「キャリアコンサルティングと人生設計~総合的なコンサルティング等を実施する」とありましたが、これを実施するというのは主体をちゃんと書いておかないとわからない。
- 岩男会長
- これは新たなご指摘ですね。
- 古橋委員
- 厚生労働省においてと書かないとわかりません。また、年齢不問求人の割合を30%というのは資料にあるのでしょうか。平成17年度に30%とする目標とありますが、現在は幾らですか。
- 村上推進課長
- 今は13%です。
- 古橋委員
- 2年間でですね。
- 岩男会長
- やる気さえあればできますよね。
- 山口委員
- ちょっと伺いますが、福間町の条例の効果はその後どうなのですか。それは聞いていらっしゃいますか。
- 坂東局長
- 聞きましたら、一応全部協力をして出してくれたそうです。
- 山口委員
- うまくいっているわけですか。
- 坂東局長
- もし出すのは嫌だというような企業がいたらどうしようかと少し心配していらしたようですが、入札したいという方たちはされたということです。
- 岩男会長
- それでは、全体を通して御意見がございましたらどうぞ。
- 古橋委員
- 国家公務員について、諸外国における立法措置も踏まえつつ会議で決定された意見に添った一層の取組を進めると、ここのところにこそ立法措置を入れたいです。立法措置も含めて一層の取組を進めるとすべきです。
- 樋口委員
- いいのではないですか。立法措置も視野に入れつつ一層の取組を進める。
- 伊藤委員
- 韓国でもと言ったら韓国に失礼かもしれないけれども、韓国ははもう95年にやっているのですから。
- 古橋委員
- もし入れるのであればここに入れるべきだと私は思います。
- 山口委員
- 数値目標はどこの省も全然出していませんか。
- 古橋委員
- 出したところもあります。
- 坂東局長
- 合格者の数値を下回らないようにするといった言い方はしています。
- 古橋委員
- 目標の立て方が数値目標で立てていたところと、抽象的な文言で立てていたところと非常に別々だったものですから、そこを指摘して来年からは私どもは毎年取組を監視しますよということにしました。
- 住田委員
- ここにも国家公務員は仕事と子育て両立支援と入れてほしいくらいです。
- 岩男会長
- いかがでしょうか。ほかに何か御意見あるいは御指摘がございましたら。
- 岩男会長
- それでは、「レッツ!チャレンジ2003アピール」(案)についてご意見をいただきたいと思います。いろいろ御意見があると思いますけれども、どうぞ。
- 樋口委員
- 「日本の女性は人口の半分以上を占め」は「半分」でもいいけれども、「女性たちの能力は現状では十分に生かされていません」というのはどうですか。デンマークのときか何かの報告書に、女性は人口の2分の1を占め、全雇用労働の何とかを占め、全労働力の半分以上を占めている。にもかかわらず、全所有のわずか1%しか所有していない。これはすごい名文でわかりやすいですね。だから、確かに最長寿の健康もそのとおり、世界有数の高い教育もそのとおり、しかし生かされていません。
- 岩男会長
- どうぞこの場でどんどんアイデアをお出しいただいて。
- 樋口委員
- 「21世紀の日本は」の1文はいいと思います。次は、女性のチャレンジは社会に活気を与え、ひいては男性を元気にという順序だと思うのです。確かに女性のチャレンジ、男性の元気と言うとキャッチフレーズとしては対語で面白いですが、論理性から言うとやはり社会全体を活気づけて、その中で男性も変化してより幸せになると、短く言ってしまえばいいと思います。あらゆる世代の女性たちに「チャレンジするのは、今!」と呼び掛けますか、訴えますくらいで前文はいいと思います。
- 古橋委員
- 政府にこういうことをやることを強く要求しますということになるとアピールで、だから皆さんも応援してくださいということになりますが、マニフェストとなると難しいですね。
- 樋口委員
- 知らない片仮名でマニフェストと言われてしまうと、ちょっと難しい。このごろよく使っていますけれども、余り片仮名はあれですから、レッツチャレンジ2003でいいでしょう。
- 八代会長代理
- これは女性に訴えるためのアピールですか。せっかく社会に活気を与えると言っておきながら、女性だけに訴えるのは非常に問題だと思います。あらゆる世代の人たちに訴えますということだと思います。女性がチャレンジしやすい世界は男性にとっても、時には男性の高齢者や若年者にとってもという意味ですが。
- 岩男会長
- それから、男性が変わってくれないと実現しないと。
- 古橋委員
- 専門調査会ではなく、男女共同参画会議のアピールとなるのでしょうか。
- 山口委員
- 順序としては、この報告は参画会議で了承されて、その後に出すものでしょう。
- 古橋委員
- だから、参画会議で了承をとらなくちゃいけないですね。
- 山口委員
- そうすると、参画会議アピールになりますよね。
- 樋口委員
- それはそうじゃないと思います。参画会議で採択されたので基本問題調査会としてアピールしますは構わないのではないですか。
- 古橋委員
- 30%はここに書くべきですね。
- 樋口委員
- もっとわかりやすくここに入れてはどうですか。女性がより積極的に参画できるよう、女性があらゆる分野の指導的地位につく30%を目標とします。
- 坂東局長
- 目標とするのではなくて、目標とすることを期待します。30%となることを期待しますではどうでしょうか。
- 樋口委員
- 「チャレンジしやすい環境をつくります」で切って、「働く」、「起業」、「NPO」、「農業」、「まちづくり」、「国際交流」等の分野でチャレンジしたいとき、気軽に相談できるような総合的な窓口をつくります。一元化ということとワンストップ化ということと違いますか。では、ワンストップをやめて総合的な窓口をつくるの方がいいですね。総合的な窓口をつくり、そこだけで必要なあらゆる情報が得られるようにします、というくらいの平たい言い方はどうですか。そこだけで必要なあらゆる情報が得られるようにします。チャレンジの多様な選択肢が広がります。「提供します」より、主役が女性にとってチャレンジの多様な選択肢が広がりますと言ってしまった方がいいですね。
- 山口委員
- 私はよく団体の集会決議だとか、そういうことをやるけれども、正直言ってちょっとこれは空気が抜けているみたいなところがあります。例えばたおやかに日本の女性は人口が半分以上ということで始まって、そして男女共同参画会議の意見として決定されました。以下、重点的なものは1、2、3である。そして、チャレンジするのは今、声を大にしてやります。皆様の格段の御理解をお願いしますということにしないと。
- 樋口委員
- 私もそう思います。コペンハーゲンの行動計画でしたか。あれはなかなかいい形のもので、日本の女性は人口の半分以上を占め、世界最長寿の平均寿命に恵まれ、健康に恵まれ、世界有数の高い教育を受けております。にもかかわらず、女性の能力は現状では十分に生かされておらず、雇用の所得格差は先進国中、最大であります。そして、今こそ女性のチャレンジが社会に活気を与え、かつ男性を元気にし、あらゆる世代の人々に、より大きな機会を提供するべきです。
- 山口委員
- 私はそれを一番後ろに持ってきたらいいと言っているのです。
- 樋口委員
- 「必要としています」で切って、この度、小泉総理の指示を受け男女共同参画会議が報告いたしました。そして、女性のチャレンジは社会に活気を与え、ひいては男性も、あらゆる世代をも元気にします。そして、「チャレンジするのは今!」と呼び掛けます。そして、チャレンジ支援推進のために重点的取組としては以下の3つです。それで1、2、3と。
- 岩男会長
- これで男女共同参画会議に御報告するわけですけれども、基本問題専門調査会として何を意見とするかということについて御議論いただきたいと思います。
- 山口委員
- ネットワークについて「垣根を越えた支援の連携を」ではわかりにくいでしょうね。
- 樋口委員
- わからないですね。行政のとか、縦割りのとか。
- 坂東局長
- 行政の縦割りを越えたですか。
- 樋口委員
- これは行政の縦割りをと書いてしまってもいいのではないですか。
- 岩男会長
- 何か問題はありますか。
- 村上推進課長
- これは、要はネットワークのことですが、それをうまく連携してくださいということを指摘しております。
- 山口委員
- では、ずばり各省とのネットワークの強化とか。
- 高橋委員
- 所管にとらわれないとかの方がいいのではないですか。
- 岩男会長
- そうですね。では、行政の所管にとらわれないという形にしますか。
- 村上推進課長
- 所管は生かしながら、もう少しお互いの連携をよくしてください、風通しをよくしてくださいということです。
- 樋口委員
- チャレンジ事例ですが、やはり身近なチャレンジ事例を提示するのは何だか私はインパクトが弱いような気がします。それがすごいインパクトになる要素というのはこの中で、確かにモデルが欲しいという意見はあります。
- 岩男会長
- 古橋委員は特にこれを強調しておられるので。
- 古橋委員
- 今や理念はある程度できたのだから、これからは目に見える形で男女共同参画社会の利益というものを示していく必要があると思います。したがって、今やるべきことは身近なチャレンジ提示、好事例を示して、こうなればよくなるのですよ、あなた方もよくなるし、男性もよくなるのですよ、社会もよくなるのですよという事例ですね。事例がどこかに挙がっているけれども、そのいい事例が国民に届いていないのです。例えば、扶養手当廃止などと言っているけれども、何を言っているのという女性が多いです。家族経営協定をやって、自分がやるようになったら全体としてその経営が上がってお父さんも喜びましたとか、どこかのおばさんが営農の指導員になったらお父さんも自分で風呂に入れたとか、そういうふうな事例をいろいろな場所で示していくことが必要です。
- 伊藤委員
- 提示する場合、積極的にという前向きな言葉を入れたらどうでしょうか。
- 古橋委員
- これは各省に対して私は強く言わないといけないと思います。
- 岩男会長
- そうすると身近な、あるいは具体的な、とかですか。
- 伊藤委員
- 具体的なチャレンジ事例を積極的に提示とか、何か勢いのある言葉にしたらどうでしょう。
- 樋口委員
- そうすると、「誰にとっても」というのは入れなくていいではないですか。そうすると、分かりやすくなります。具体的なチャレンジ事例を積極的に提示。
- 古橋委員
- それは各省に特にやってもらいたいことです。
- 八代会長代理
- 最後は言わずもがなですけれども、性別、年齢にかかわらずということですね。○岩男会長 大事な点ですね。○八代会長代理 さっき言い忘れたのでもう1箇所、再チャレンジのところですけれども、ちょっと気になったのは「家計を助けるために勤め先を探す女性が増えている」というのは再チャレンジのいい例かどうか。だから、例えばリストラによる世帯主の失業が増える一方、新たに仕事を探す女性も増えており、その結果、男性同様に女性の完全失業率も過去最高の水準となっているということでいいと思います。
- 岩男会長
- そうですね。
- 事務局
- 会議意見として決定していただく部分の確認をお願いします。例えば「どのような支援を行っていくのか」の「共通事項」に、「現状と阻害要因」が入っていますが、普通、現状と阻害要因そのものを意見とすることはなじまないかと思います。ただし、1の「なぜ今、女性のチャレンジ支援が必要なのか」は、どちらかと言うと現状と阻害要因に近いものではありますが、前書きで必要性を重要視していると思いますので、これも意見とするかどうか御議論いただければと思います。
- 坂東局長
- 繰り返しますと、1と2のうちの支援策の方向だけで、「現状と阻害要因」は意見からは除くということです。
- 岩男会長
- 共通事項の支援策と個別の支援策の方向も含めてということで、支援策の方向はすべて意見として入るということでしょうか。
- 事務局
- 1の「共通事項」の(1)の「現状と阻害要因」は除くということです。
- 岩男会長
- よろしいでしょうか。それでは、これで何とか支援策についてはまとめてということで、細かい文言の訂正や御意見がありましたら事務局までお知らせいただきたいと思いますけれども、一応後は私にお任せいただくということでお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
- 山口委員
- 最後に、私は国際分野におけるチャレンジ支援策で前から気になっていたのですが、国際会議への女性登用は入れるべきだと思います。たくさん国際会議がありますから。
- 岩男会長
- 政府の代表団や何かに必ず入ることとかですね。
- 山口委員
- そのことを私は前から気になっていたのですが、これを落としたと思っていました。
- 高橋委員
- 審議会とか何かに並べることはできないのですか。審議会とか国際会議への代表団とかですね。
- 松田委員
- 一時的なものですからね。それから、私も言いそびれてしまいましたが、どこかに希望という言葉を入れてほしいです。社会に活気と希望を与えると。
- 樋口委員
- アピールの方に希望を入れましょう。
- 松田委員
- 若い世代にとってはやはり何か欲しいですよ。何もないですからね。
- 山口委員
- 活気と希望ですね。
- 住田委員
- 夢はいかがですか。
- 樋口委員
- 夢と活気と希望を与えと。
- 岩男会長
- 他にまだ御意見が何かおありですか。よろしいでしょうか。それでは、大変熱心に御検討いただきましてありがとうございました。これで一応チャレンジ支援についての検討は終了したいと思います。あとは、事務局から何か御連絡がございますか。それでは、ちょっと早目になりますがこれで会議を終了します。どうもありがとうございました。お疲れ様でございました。
(以上)