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G20ニューデリー・サミット(2023年9⽉ インド・ニューデリー)

2023年9⽉9⽇及び10⽇、G20ニューデリー・サミットが開催され、「一つの地球、一つの家族、一つの未来(One Earth, One Family, One Future)」のテーマの下、議論が⾏われました。議論の総括としてG20ニューデリー⾸脳宣⾔が発出され、首脳宣言前文で「貧困と不平等、気候変動、パンデミック及び紛争のような地球規模の課題は、女性や子ども、また最も脆弱な立場にある人々に不均衡に影響を及ぼしている」こと及び「ジェンダー格差を是正し、意思決定者としての女性の経済への完全で、平等で、効果的かつ有意義な参加を促進する」ことへのコミットが述べられるとともに、「ジェンダー平等並びに全ての女性及び女児のエンパワーメント」について6パラグラフにわたり下記のとおり⾔及されました。

  • ジェンダー平等が根本的に重要であり、全ての女性と女児のエンパワーメントに投資することが、2030アジェンダを実施する中で乗数効果をもたらすことを再確認。
  • 女性が率いる開発を奨励し、地球規模の課題に包摂的に取り組むための意思決定者として、また、社会のあらゆる領域、経済のあらゆる部門及びあらゆるレベルにおいて、積極的な参加者として貢献するために、女性の完全、平等、効果的かつ有意義な参加を推進することに引き続きコミット。これは、ジェンダー平等の達成のためのみならずグローバルなGDPの成長に貢献する上で不可欠。この目的のために、以下を行う。
  • ⅰ. 労働力参加における格差を削減するためのブリスベン目標を達成し、G20ロードマップ「ブリスベン目標に向けて、また、ブリスベン目標を越えて」の「25by25」(男女間の労働市場参加率の格差を2025年までに25%減少させるための取組)を実施するというコミットメントを再確認し、ILO及びOECDに進捗状況を毎年報告するよう要請。
    ⅱ. 幼少期から高等教育、生涯学習に至るまで、手頃な価格で包摂的、公平、安全な、かつ、質の高い教育への平等なアクセスを確保し、STEM分野及び新興デジタル技術における、障害を持つ者を含む全ての女性及び女児のより多くの就学、参加及びリーダーシップを支援。
    ⅲ. 男女間の賃金格差の是正と、働きがいのある人間らしい仕事と質の高い仕事への女性の平等なアクセスを確保することに重点を置き、雇用機会への包摂的なアクセスを可能にすることによって、変化しつつある仕事の世界で女性の完全かつ有意義な参加を促進するための措置を講じる。
    ⅳ. 社会的保護の利用可能性及びアクセスにおける投資並びに有給及び無給のケア及び家事労働における不平等な分配に取り組み、教育や雇用への女性の継続的な参加を促進するための負担可能な介護インフラへの投資を促進。
    ⅴ. オンライン及びオフラインの双方で、女性及び女児に対する性的暴行、ハラスメント、差別及び虐待を含むジェンダーに基づく暴力をなくし、ジェンダーに関して安全な職場を確保することにコミット。
    ⅵ. 特にデジタル金融及びマイクロファイナンスを通じて、女性の経済資源へのアクセスを強化することにより、女性の正式な金融システムへの包摂を促進。
    ⅶ. ジェンダーに関する固定観念や偏見をなくし、ジェンダーの不平等を永続化させる規範、態度及び行動を変える。
  • 2030年までにデジタル面におけるジェンダー格差を半減することにコミット。この目的のために、以下を行う。
  • ⅰ. デジタル技術のアクセス可能性、低廉性、導入及び利用におけるジェンダー規範及び障壁に取り組む。
    ⅱ. デジタル・リテラシー及び技能の向上を含め、全ての女性及び女児が国家デジタル戦略の策定及び実施に積極的に参加できるような規制政策の枠組みを推進。
    ⅲ. デジタル・ツール及び技術におけるセーフティ設計アプローチの採用を奨励することにより、オンライン及びオフラインのあらゆる形態の虐待を含め、デジタル化の進展によって女性及び女児が直面する全ての潜在的なリスクを特定し、排除。
    ⅳ. 女性が主導又は所有するMSMEsを含むビジネスにとって、可能性を広げ、包摂的で差別のないデジタル経済を実現するために、ジェンダーに配慮した政策を推進し、実施。
    ⅴ. 証明された解決策を特定し、それに資金提供して加速させることにより女性の生活及び所得保障を向上させるイニシアティブを奨励し、支援。
    ⅵ. デジタル経済における女性のエンパワーメントを支援するイニシアティブを歓迎。
  • 気候変動、生物多様性の損失、砂漠化及び汚染が全ての女性及び女児に過度な影響を与えることを認識し、気候変動への行動の加速の中核には、ジェンダー平等がなければならない。その目的のために、以下を行う。
  • ⅰ. 気候変動の緩和及び適応並びに災害リスク軽減戦略及び環境問題に関する政策枠組みにおいて、女性の参加、連携、意思決定及びリーダーシップを支援し、増大する。
    ⅱ. 気候変動及び環境悪化の影響に対する強靱性を構築するために、水と衛生(WASH)の課題に向けた解決策を含め、ジェンダーに配慮し環境的に強靱な解決策を支援。
  • 女性の食料安全保障及び栄養は、女性の健康、その子どもや家族の健康、また共同体の一般的なウェル・ビーイングの基礎を築くものであり、個人及び共同体の発展の礎である。この目的のために、以下を行う。
    ⅰ. 包摂的で、持続可能かつ強靭な農業及び食料システムへの投資を奨励。学校給食プログラムにおいて、アクセスしやすく、手頃な価格で、安全かつ高栄養価の食料と健康的な食生活を支援。女性農業従事者による、女性農業従事者のための、包摂的な農業バリュー・チェーン及びシステムのためのイノベーションを促進。
    ⅱ. 飢餓及び栄養不良を撲滅するため、革新的な資金調達手段及び社会的保護制度を活用することにより、ジェンダー及び年齢に配慮した栄養及び食料システムへの介入を支援。
  • G20女性活躍担当大臣会合を支援するために、女性のエンパワーメントに関する新たな作業部会を創設することに一致し、ブラジルがG20議長国を務める期間にその第1回会合が開催されることを期待。

サミットの詳細及び首脳宣言の全文は、外務省ホームページよりご覧いただけます。