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2023年 米国

首脳宣言

11月16日及び17日、APEC首脳会議が米国・サンフランシスコにて開催され、日本から岸田文雄総理大臣が出席しました。本年の議長である米国が掲げた、「全ての人々にとって強靭で持続可能な未来を創造」というテーマの下、①強靭性、②持続可能性、③相互連結性、④イノベーション及び包摂的を優先課題として議論を行いました。

第1セッションにおいては、「持続可能性、気候及び公正なエネルギー移行」がテーマとして掲げられ、日本からはアジア太平洋地域のエネルギー移行、脱炭素化・カーボンニュートラル実現に向けた取組や重要鉱物に係るサプライチェーンの強靭化、深刻化する生物多様性や天然資源の保全に向けた取組を通じて、アジア太平洋地域の持続可能な発展に貢献するとともに、「人間の尊厳」が守られる世界を実現するために、APEC内外のエコノミーと引き続き緊密に協力していく、と述べました。

第2セッションにおいては、「相互連結及び包摂的で強靭な国・地域の構築」がテーマとして掲げられ、日本からは、アジア太平洋地域が連結し、包摂的で強靱な成長を実現するために重視する要素として、「世界の安定と成長のためにルールに基づく自由で開かれた、公正で透明性のある貿易・投資環境の維持・強化」と、「AIを含むデジタル技術による貿易円滑化、地域の連結性、包摂性、強靱性の向上」の2点に言及しました。

また、議論の総括として、首脳宣言が発出され、ジェンダーに関して下記のとおり言及されました。

  • ジェンダーの平等、そして、中小・零細企業、労働力、女性や青少年、必要に応じて、先住民、障害者、農村・遠隔共同体の人々等、未活用の経済的潜在性を有するその他のグループの経済包摂とエンパワーメントを推進し支援を継続
  • 資本及び資産、市場、スキル及び能力構築、発言力と主体性、イノベーション及び技術に対する女性のアクセスの改善等を通じて、全ての女性の完全かつ平等な経済参加及びリーダーシップを促進
  • 包摂的な経済成長を主導する女性と包摂的成長のためのラ・セレナ・ロードマップの完全な履行を促進する継続的な取組を歓迎
  • 有給・無給のケア及び家事における不平等な分担に対処するケア分野の政策とインフラ投資、そして、グローバル・バリューチェーンにおけるジェンダーの平等を進めることにコミット
  • STEM分野等における女性及び女児の教育を支援
  • 多様な背景を持つ女性及び女児に対するジェンダーに基づいた暴力や差別を防止し、対処するためのイニシアティブ及び戦略を積極的に奨励するコミットメントを再表明
  • 異なる国内事情を考慮しつつ、2030年までにジェンダー間のデジタル格差を半減すること等、デジタル格差を縮小することにコミット

閣僚声明

11月14日及び15日、米国・サンフランシスコにてAPEC閣僚会議が開催され、日本からは、上川陽子外務大臣及び西村康稔経済産業大臣が参加しました。

第1セッションにおいては、「持続可能な未来に向けた革新的環境の実現」、「すべての人にとって公平で包摂的な未来への支持」が議題とされ、日本からは、自然災害への対応に関して、WPS(女性・平和・安全保障)を念頭に女性の視点を適切に反映させつつ、国際連携を強化することの重要性を強調するとともに、女性、中小零細企業等の全ての人の公正な経済機会へのアクセスの確保がAPEC地域の一層の経済成長に資する旨述べた上で、その為のデジタル化や新技術の活用等の施策の重要性を指摘するなどしました。

第2セッションにおいては、「広範な経済的繁栄を前進させる、強靱で相互に連結した地域の構築」が議題とされ、日本からは、女性や若者、中小零細企業を巻き込んだAPEC地域全体の成長を促すことは重要な貿易・投資課題であることを指摘した上で、APECでの取組を進めていきたい旨を述べるなどしました。

また、閣僚会議の成果文書として、APEC閣僚共同声明が採択されました。ジェンダーに関しては、下記のとおり言及されました。

  • 中小・零細企業や女性、必要に応じて、先住民、障害者、農村地域や遠隔地の人々等、未活用の経済的潜在性を有する人々を含む全ての人々及び全てのエコノミーに対して公平に恩恵をもたらすような貿易・投資を推進するためのAPECにおける作業の重要性を強調
  • 女性が所有、主導、管理する中小・零細企業含め全ての人々に明白な恩恵、健康増進及び幸福をもたらす成長を促進することにコミット
  • 女性と経済に関するハイレベル政策対話(HLPDWE)及びAPEC女性と経済フォーラム(WEF)の議論を歓迎
  • この成果は、HLPDWEと中小企業大臣会合の合同開催につながり、女性と包摂的成長のためのラ・セレナ・ロードマップ(2019-2030)に沿った、あらゆる経済活動における女性の完全かつ平等で有意義な参加、リーダーシップ及び意思決定を通じたジェンダーの主流化の重要性が強調
  • 女性を気候変動政策に包摂するためのベストプラクティス及び勧告の作成におけるエコノミーの作業を評価
  • 強靱なアジア太平洋共同体を構築する重要性を認識し、地域における経済活動、リーダーシップ及び意志決定における女性の参加を推進するため、デジタル包摂性とイノベーションを推進し、グローバル・バリューチェーンにおけるジェンダーの平等を進め、ケア・インフラに適切に投資
  • 多様な背景を持つ女性及び女児、そして、必要に応じて、先住民、障害者、農村・遠隔共同体の人々等、未活用の経済的潜在性を有するその他の人々の障壁を減らし、社会的、経済的、財政的な包摂を促進することにコミット
  • STEM原則及び行動におけるAPEC女性を通じた、包摂的で持続可能な経済成長のためのSTEM分野における女性の参加とリーダーシップを支援する重要性を認識
  • 焦点を絞った投資等を通じ、STEM分野における女性の労働参入、教育、リテンション、昇進における主要障壁に対処することにコミット
  • 「2023年女性と経済のダッシュボード報告書」に留意し、ジェンダーの平等のために細分化されたデータを統合することを奨励
  • 女性の貢献を評価し、地域における女性の起業家精神とイノベーションの発展を示す、APECイニシアティブ及び賞の重要性に留意
  • WEFにおけるジェンダーに係る予算配分に関するAPEC大臣の議論に留意
  • 全ての経済部門におけるジェンダーの平等に焦点を当てることを確保する支援を行うため、必要に応じて、ジェンダーに係る分析を計画及び国内予算に適用する重要性を認識

各会合の詳細及び宣言の全文は、外務省・経済産業省ホームページよりご覧いただけます。