内閣府ホーム  >  内閣府男女共同参画局ホーム > 男女共同参画とは > 男女共同参画白書 > 男女共同参画白書 令和8年版 > 第1節 男女共同参画の視点に立った各種制度等の見直し

第10章 男女共同参画の視点に立った各種制度等の整備

本編 > 2 > 第2部 > II > 第10章 > 第1節 男女共同参画の視点に立った各種制度等の見直し

第1節 男女共同参画の視点に立った各種制度等の見直し

ア 働く意欲を阻害しない制度等の検討

1 働き方の多様化を踏まえつつ、働きたい女性が就業調整を意識しなくて済む仕組み等を構築する観点から、税制8や社会保障制度等について、総合的な取組を進める。

  • 税制については、令和8(2026)年度税制改正において給与所得控除の最低保障額が74万円(所得税において令和10(2028)年分以後、個人住民税において令和11(2029)年度分以後は69万円)に引き上げられるところ、今後も、働き方の多様化や待遇面の格差を巡る状況の変化を注視しつつ、働き方の違いによって不利に扱われることのない、個人の選択に中立的な税制の実現に向け、所得再分配機能が適切に発揮されているかといった観点も踏まえながら、諸控除の更なる見直しを進める。
     また、働き方の違い等によって有利・不利が生じないような企業年金・個人年金等に関する税制上の取扱いや、働き方の多様化を踏まえた退職給付に係る税制について、企業年金・個人年金等は企業の退職給付の在り方や個人の生活設計にも密接に関係することなどを踏まえ、その検討を丁寧に行い、関係する税制の包括的な見直しを行う。【総務省、財務省】
  • 社会保障制度については、被用者保険加入によるメリットの理解を十分に広めながら、社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律による中小企業等で働く短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大を着実に実施するとともに、更なる適用拡大の検討を進める。
     第3号被保険者については、多様な属性を持つ者が混在していることを踏まえつつ、被用者保険の適用拡大を進める中で第3号被保険者を縮小することを基本的な方針としつつ、その実態を分析し、制度の在り方の検討を進める。【厚生労働省】
  • 配偶者の収入要件があるいわゆる配偶者手当については、税制・社会保障制度とともに、就業調整の要因となっているとの指摘があることに鑑み、配偶者の働き方に中立的な制度となるよう、労使に対しその在り方の検討を促す。【厚生労働省】

イ 家族に関する法制の整備等

1 現在、身分証明書として使われるパスポート、マイナンバーカード、運転免許証、住民票、印鑑登録証明書なども旧氏併記が認められており、旧氏の通称使用の運用は拡充されつつあるが、婚姻により氏を変更した人が不便さや不利益を感じることのないよう、旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備の検討を含め、旧氏使用の拡大やその周知に取り組む。【関係府省】

2 婚姻後も仕事を続ける女性が大半となっていることなどを背景に、婚姻前の氏を引き続き使えないことが婚姻後の生活の支障になっているとの声など国民の間に様々な意見がある。そのような状況も踏まえた上で、家族形態の変化及び生活様式の多様化、国民意識の動向等も考慮し、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、戸籍制度と一体となった夫婦同氏制度の歴史を踏まえ、また家族の一体感、こどもへの影響や最善の利益を考える視点も十分に考慮し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進めるものとされており、引き続き、法務省ホームページ等における情報提供を行いつつ、国民や国会議員による議論の動向等を踏まえ、必要な対応を検討する。【法務省、関係府省】

ウ 男女の多様な選択を可能とする育児・介護の支援基盤の整備

1 子ども・子育て支援新制度の実施による幼児期の学校教育、保育、地域の子ども・子育て支援の充実、幼児教育・保育の無償化、「保育政策の新たな方向性」に基づく取組、「放課後児童対策パッケージ2026」に基づく放課後児童クラブの受入児童数の拡大などにより、地域のニーズに応じた子育て支援の一層の充実を図る。【こども家庭庁、文部科学省、厚生労働省】

  • 幼稚園・保育所・認定こども園を通じた共通の給付や小規模保育への給付、地域の事情に応じた認定こども園の普及、地域子育て支援拠点や放課後児童クラブ等地域のニーズに応じた多様な子育て支援策を着実に実施する。
  • 地域の課題に応じた保育の提供体制の確保を図るとともに、保育人材の確保のための取組を総合的に推進する。
  • 多様な保育ニーズに対応するため、延長保育、休日保育、夜間保育、病児保育、複数企業間での共同設置を含む事業所内保育等の多様な保育の拡大を図る。
  • 就業の有無にかかわらず、一時預かり、幼稚園の預かり保育等により、地域における子育て支援の拠点やネットワークを充実する。
  • 幼児教育・保育の無償化の着実な実施や保育利用に係る支援等により、保護者の経済的負担の軽減等を図る。
  • 放課後等デイサービス等の障害児通所支援における預かりニーズに対応した支援や保育所等における障害のあるこどもの受入れを進めるとともに、マザーズハローワーク等を通じ、きめ細かな就職支援等を行うことにより、障害のあるこどもを育てる保護者を社会的に支援する。

2 こどもの事故防止に関連する関係府省の連携を図り、保護者や教育・保育施設等の関係者の事故防止の意識を高めるための啓発活動や、安全に配慮された製品の普及等に関する取組を推進し、男女が安心して子育てができる環境を整備する。【こども家庭庁、関係府省】

3 こどもの安全な通行を確保するため、こどもが日常的に集団で移動する経路等の交通安全環境の整備や、地域ぐるみでこどもを見守るための対策等を推進する。【警察庁、こども家庭庁、文部科学省、国土交通省】

4 男女の多様な選択を可能とする介護の支援基盤の整備を推進する。【厚生労働省】

  • 都道府県や介護事業者等を主体とし、イベントの企画、マスメディア、ネット広告などの発信、パンフレット作成などの情報発信を行い、介護の仕事のイメージや社会的評価の向上、理解の促進を図る。
  • 介護現場において多様な働き方(朝夕のみ、夜間のみ、季節限定のみの勤務、兼業・副業、選択的週休3日制等)が可能となるような環境整備に向けた事業所の取組への支援を行う。
  • 介護に関する入門的な知識・技術を習得するための研修(介護に関する入門的研修)を実施し、事前の周知から研修受講後の介護施設等とのマッチングまでの一体的な支援を行う。

5 安心して育児・介護ができる環境を確保する観点から、住宅及び医療・福祉・商業施設等が近接するコンパクト・プラス・ネットワークの取組や、住宅団地における子育て施設や高齢者・障害者施設の整備、各種施設や公共交通機関等のバリアフリー化、全国の高速道路のサービスエリアや「道の駅」における子育て応援施設の整備等を推進する。【国土交通省】

6 医療・介護保険制度については、多様な人材によるチームケアの実践等による効率化・重点化に取り組みながら質の高いサービスの充実を図る。その際、医療・介護分野における多様な人材の育成・確保や、雇用管理の改善を図る。

そのため、介護労働者の雇用管理改善を促進する介護雇用管理改善等計画(令和3年厚生労働省告示第117号)に基づき、介護労働者の雇用管理改善等を図る。また、人材不足分野(医療、介護、保育、建設、警備、運輸等)における人材確保支援の強化を図るため、主要なハローワークに人材確保支援の総合専門窓口となる「人材確保対策コーナー」を設置し、関係機関・業界団体との連携により、求人者及び求職者に対する支援を実施するとともに、アウトリーチによる医療・介護・保育分野の求人充足支援を強化する。【厚生労働省】

7 住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進し、家族の介護負担の軽減を図る。【厚生労働省】

8 多職種協働により在宅医療・介護を一体的に提供できる体制を構築するため、都道府県・保健所の支援の下、市区町村が中心となって、地域の医師会等と緊密に連携しながら、地域の関係機関の連携体制の構築を推進する。【厚生労働省】

9 男女ともに子育て・介護をしながら働き続けることができる環境の整備に向けて、育児・介護休業法の履行確保を図る。また、仕事と育児の両立支援の促進のため、次世代法の周知を行うとともに、仕事と子育ての両立を推進する企業を対象とした認定及び特例認定の取得を促進する。あわせて、仕事と介護の両立支援の促進のため、「企業による社員の仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール」や付属資料の積極的な活用促進を図る。【厚生労働省】

10 認知症や一人暮らしの高齢者が、社会から孤立することなく、住み慣れた地域の中で、希望を持って自分らしく暮らし続けられるよう、共生社会の実現を推進するための認知症基本法及び「認知症施策推進基本計画」に基づき、「新しい認知症観」に立ち、認知症施策を総合的かつ計画的に推進することにより、住民等を中心とした地域の支え合いの仕組みづくりを促進する。(再掲)【厚生労働省、関係府省】

11 就職を希望する女性医師に対して医療機関や再研修先の紹介等を行う女性医師バンク事業の実施や都道府県における女性医師の復職に関する相談窓口の設置等、女性医師等が働きやすい環境の整備を進める。【厚生労働省】

8 配偶者の所得の大きさに応じて、控除額を段階的に減少させる配偶者特別控除の導入によって、配偶者の給与収入が103万円を超えても世帯の手取り収入が逆転しない仕組みとなっており、配偶者については、税制上、いわゆる「103万円の壁」は解消している。