本編 > 男女共同参画白書の刊行に当たって

内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

昨年10月、我が国において、明治18(1885)年の内閣制度発足以後140年間で初めてとなる女性の内閣総理大臣が誕生しました。これは、いわゆる「ガラスの天井」を突破する画期的なことです。女性が政治・政策・外交の中心にいることは、「政治は男性が行うものだ」という社会全体の意識や思い込みをなくし、多くの女性を勇気づけるものであり、政治、経済など、あらゆる分野で女性の活躍が更に加速していく契機となるものと考えています。
この新たな内閣の下で、本年3月には第6次男女共同参画基本計画を決定し、あらゆる分野における意思決定への女性の参画拡大、女性特有の健康課題への対応、テクノロジーの進展を踏まえた男女共同参画の推進、性犯罪・性暴力、DV等への対応の充実、女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくりなどを柱として、これまでに築いてきた成果を土台に更に我が国の女性活躍・男女共同参画を前進させるための取組を盛り込みました。この新たな基本計画を礎とし、政府を挙げて、関連施策を着実に実行してまいります。
令和8年版男女共同参画白書の特集テーマは、「仕事や職業キャリアに関する女性の学び直し・暮らしを充実させる男性の学び直し~学び直しの現状と分析~」です。
本年は男女雇用機会均等法の施行から40年を迎える年であり、この間、我が国の男女の働き方は世代によって大きく変わってきました。事務職などで採用され、職業生活において男性と比べて業務経験の幅が少ない時代を過ごしてきた女性もいれば、結婚、出産や介護を契機に仕事を辞めて家庭で家族を支えることに力を注いでこられた女性もいるでしょう。また、様々な業務経験や転職などを経て、職業生活に力を注ぎ、キャリアアップを図ってこられた女性もいらっしゃることと思います。男性においては、一日の大半を職場で過ごしてこられ、時代の変化に伴って、余暇の時間や退職後の時間の使い方に戸惑いを感じておられる方もいらっしゃるかもしれません。現在では、これまでの40年間の女性活躍推進施策・男女共同参画施策の成果の積み重ねの中で、徐々に我が国の女性活躍・男女共同参画社会の熟度が上がってきており、育児や介護などでなかなか職業生活に時間を使うことが難しかった女性や、十分な業務経験を積むことのできる職業環境ではなかった女性が、キャリア形成のための学び直しを経て、人生の新たなステージに進んでいただくことが徐々にできるようになってまいりました。男性においても、退職後に仕事以外の楽しみや人と人とのつながりを持つことができるように、キャリアアップの目的以外での学び直しが行われるようになってきています。
本白書の中では、学び直しに関する障壁と意欲に関する男女の差異などについて分析しており、学び直しへの障壁は女性と男性によって傾向に差がみられ、そのような差を踏まえた対策を講じる必要があることを示しています。本白書が、国民の皆様に広く参照され、我が国の男女共同参画の現状に関する理解を深める一助となるとともに、全国各地の男女共同参画の更なる推進につながることを願っております。
令和8年7月