第2分野 雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和

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第1節 ワーク・ライフ・バランス等の実現

ア ワーク・ライフ・バランスの実現のための長時間労働の削減等

1 法定労働条件の履行確保及び長時間労働是正のための監督指導体制の充実強化を行っている。【厚生労働省】

2 年次有給休暇の取得促進のため、10月の年次有給休暇取得促進期間に加え、連続した休暇を取得しやすい時季(夏季、年末年始及びゴールデンウィーク)にポスター・リーフレットの作成・周知、都道府県や関係団体(223団体)への周知依頼等の集中的な広報の実施により機運の醸成を図っている。【厚生労働省】

3 勤務間インターバル制度について職種・業種等の特性を踏まえた業種別導入マニュアルや制度導入を支援するための動画を作成して周知するとともに、シンポジウムの開催や専門家によるアウトリーチ型コンサルティングの実施、助成金の支給等により、企業への導入促進を図っている。【厚生労働省】

4 労働者が健康で充実した生活を実現できるよう、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成4年法律第90号)を分かりやすく解説したパンフレット等を働き方・休み方改善ポータルサイトで掲載し、周知することで、労使の自主的な働き方の見直しを促進している。【厚生労働省】

5 メンタルヘルスの確保等、職場における健康確保対策を推進している。【厚生労働省】

6 コンサルティングの実施等により女性活躍推進法等に基づく目標設定及び目標達成のための企業の取組を支援している。【厚生労働省】

7 生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む中小企業・小規模事業者や、傘下企業を支援する事業主団体に対する助成を行っている。【厚生労働省】

8 上記を含め「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(令和3年7月30日閣議決定)を踏まえた取組を着実に推進している。【厚生労働省】

イ 多様で柔軟な働き方の実現

1 多様で柔軟な働き方の実現に向けた企業の取組を促進している。

  • 令和3(2021)年に改正した育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)について、令和4(2022)年度に施行された改正事項に加え、令和5(2023)年4月より常時雇用する労働者が1,000人を超える企業について、育児休業の取得状況の公表が義務付けられていることから、引き続き同法の周知及び履行確保を図っている。【厚生労働省】
  • 中小企業事業主に対して、「育休復帰支援プラン」モデル及び「介護支援プラン」モデルの普及促進を図るとともに、プランの策定を支援している。【厚生労働省】
  • 働き続けながら子育てや介護を行う労働者の雇用の継続を図るための就業環境整備に取り組む事業主に助成金を支給している。【厚生労働省】
  • 時間単位の年次有給休暇制度について、子育て、介護、治療など様々な事情を抱えている者が、柔軟に休暇を取得できるよう、働き方・休み方改善ポータルサイトでの周知リーフレット及び導入事例の掲載等により企業への導入促進を図っている。【厚生労働省】
  • 労働者一人一人がライフステージに応じて多様な働き方を選択できる勤務地・職務・労働時間を限定した「多様な正社員」制度について、制度を導入する上での留意事項や好事例の周知、導入支援を実施するとともに、制度導入状況や運営状況等の実態把握を行った。【厚生労働省】
  • 時間を有効に活用でき、場所の制約を受けない勤務形態であるテレワークについて、適正な労務管理下におけるテレワークの導入・定着促進や、中小企業への導入促進に向けて、助成金の活用や専門家による無料相談対応など、各種支援策を推進している。【総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省】
  • 効率的・自律的に働ける制度であるフレックスタイム制の導入時における適切な労務管理の徹底を図っている。【厚生労働省】
  • 転勤に関する企業のニーズや動向を捉え、企業の転勤に関する雇用管理のポイントを整理した「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」の周知を通じて、労働者の仕事と家庭生活の両立の推進を図っている。【厚生労働省】
  • 「多様な正社員」も含め、労働者全般の労働契約関係の明確化について、労働政策審議会における検討結果を踏まえて、労働基準法(昭和22年法律第49号)の労働条件明示事項に就業場所・業務の変更の範囲を追加する、労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令(令和5年厚生労働省令第39号)について、パンフレット等による周知・啓発を図っている。【厚生労働省】
  • 不妊治療と仕事との両立を支援する企業内制度の導入に向けたマニュアルの周知や企業等を対象とした研修会の実施等を行うとともに、くるみんプラス認定等の取得促進や、不妊治療を受けている労働者に休暇制度等を利用させた中小企業事業主に対する助成金の支給により、不妊治療と仕事が両立できる職場環境の整備を推進している。【厚生労働省】
  • 中小企業における女性の活躍推進を図るため、育児休業中の代替要員の確保や業務を代替する周囲の労働者への手当支給等の取組を推進しているほか、地域の中小企業・小規模事業者が経営課題の解決に向けた多様な人材の確保・育成・定着を図るため、経営者に対する職場環境整備等のセミナーや、マッチング等の取組を実施している。【厚生労働省、経済産業省】

2 企業の経営者、業界単位の企業ネットワーク、経済団体等と連携し、女性の活躍の必要性に関する経営者や管理職の意識改革、女性の活躍やワーク・ライフ・バランスの推進に向けた経営者のコミットメントを促している。【内閣府、関係省庁】

3 地域の実情に応じた少子化対策を推進するための「少子化対策地域評価ツール」の活用や、地域の少子化対策へのデジタル技術の活用の促進のための取組モデルの策定等を通じ、地域コミュニティを巻き込んだ子育ての支え合い、男女ともに子育てと両立できる魅力的な働き方、職・住・育が近接した暮らしやすいまちづくり等の取組を実践し、各地方公共団体における女性活躍に資する具体的な取組を推進した。【内閣官房】

4 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現に関する調査研究を行い、企業の取組に資する情報の提供を行っている。【内閣府】

5 企業・団体の経営者・管理職・担当者や仕事と生活の調和に取り組む全ての人が活用できるよう、仕事と生活の調和に関するメールマガジン「カエル!ジャパン通信」を月1~2回程度配信し、好事例の情報提供を行っている。【内閣府】

ウ 男性の子育てへの参画の促進、介護休業・休暇の取得促進

1 育児等を理由とする男性に対する不利益取扱いや、企業における育児休業等に関するハラスメントを防止するための対策等を推進している。【厚生労働省】

2 企業における男性社員の育児休業等取得促進のための事業主へのインセンティブ付与や、取得状況の情報開示(「見える化」)を推進している。【金融庁、厚生労働省】

3 「男女共同参画週間」(毎年6月23日から同月29日まで)などの啓発活動や表彰の実施を通じて、男性の仕事と育児の両立の促進を図るとともに、男性の家事・育児への参画等に関する社会的な機運の醸成を図った。【内閣府、こども家庭庁、厚生労働省】

4 公共交通機関、都市公園や公共性の高い建築物において、ベビーベッド付男性トイレ等の子育て世帯に優しいトイレの整備等を推進しているほか、子供連れの乗客等への配慮等を求めることにより、男性が子育てに参画しやすくなるための環境整備を行っている。【国土交通省】

5 男性が、妊娠・出産の不安と喜びを妻と分かち合うパートナーとしての意識を高めていけるよう、両親ともに参加しやすい日時設定やオンラインでの開催など、両親学級の充実等により、父親になる男性を妊娠期から側面支援している。【こども家庭庁】

6 配偶者の出産直後の子育てを目的とした休暇取得の促進を図るための広報啓発等を実施している。【こども家庭庁】

7 介護のために働けなくなることを防止するため、仕事と介護が両立できる職場環境が整備されるよう、育児・介護休業法の履行確保を図るほか、家族を介護する労働者に介護休業制度等が広く周知されるよう積極的な広報に取り組んだ。【厚生労働省】

エ 女性の就業継続に向けた人材育成

1 企業による女性の就業継続に向けた研修の実施等を支援している。【厚生労働省】

2 労働者の主体的な職業能力の開発及び向上を促進し、再就職時の職業能力に基づいた評価にも資するよう、業界共通の職業能力評価の物差しとなる技能検定を始め、企業・労働者双方に活用される職業能力評価制度の整備を推進した。【厚生労働省】

3 ジョブ・カードを活用したキャリア形成支援を行っている。【厚生労働省】