第2分野 雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和

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第1節 ワーク・ライフ・バランス等の実現

ア ワーク・ライフ・バランスの実現のための長時間労働の削減等

1 法定労働条件の履行確保及び長時間労働是正のための監督指導体制の充実強化を行っている。【厚生労働省】

2 年次有給休暇の取得促進のため、連続した休暇を取得しやすい時季(夏季、年末年始及びゴールデンウィーク)にポスター・リーフレットの作成や、関係団体への周知依頼等の集中的な広報の実施により機運の醸成を図っている。【厚生労働省】

3 勤務間インターバル制度について、職種・業種等の特性を踏まえた業種別導入マニュアルや制度導入を支援するための動画を作成して周知するとともに、導入企業に運用面の工夫等を紹介いただくセミナーを開催して企業への導入促進を図っている。【厚生労働省】

4 労働者が健康で充実した生活を実現できるよう、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成4年法律第90号)を働き方・休み方改善ポータルサイトで周知し、労使の自主的な働き方の見直しを促進している。【厚生労働省】

5 メンタルヘルスの確保等、職場における健康確保対策を推進している。【厚生労働省】

6 女性活躍推進法等に基づき、(i)職業生活に関する機会の提供と(ii)職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備の両面からの目標設定や、情報公表を促進している。【厚生労働省】

7 生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む中小企業・小規模事業者や、傘下企業を支援する事業主団体に対する助成を行っている。【厚生労働省】

8 上記を含め「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(令和3年7月閣議決定)を踏まえた取組を着実に推進している。【厚生労働省】

イ 多様で柔軟な働き方の実現

1 多様で柔軟な働き方の実現に向けた企業の取組を促進している。

  • 労働者が育児休業や介護休業等を取得して、継続就業できるよう育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)の履行確保を図っている。また、出生直後の休業の取得を促進する新たな枠組みの創設、本人又は配偶者の妊娠・出産等の申出をした個別の労働者に対する休業制度等の周知の措置や、研修・相談窓口の設置等の職場環境の整備等について事業主に義務付けること、男性の育児休業取得率の公表を促進すること等を内容とする、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律(令和3年法律第58号)が令和4(2022)年4月より施行されており、改正法の着実な履行確保及び改正内容の周知を徹底している。【厚生労働省】
  • 短期の育児休業の取得に対応して、月内に2週間以上の育児休業を取得した場合であっても、その月の社会保険料を免除すること等を内容とする全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(令和3年法律第66号)が、令和4(2022)年10月に施行されたところであり、関係通知等を発出し、制度の適切な運用を図った。【厚生労働省】
  • 中小企業事業主に対して、「育休復帰支援プラン」モデル及び「介護支援プラン」モデルの普及促進を図るとともに、プランの策定を支援している。【厚生労働省】
  • 働き続けながら子育てや介護を行う労働者の雇用の継続を図るための就業環境整備に取り組む事業主に助成金を支給している。【厚生労働省】
  • 時間単位の年次有給休暇制度について、子育て、介護、治療など様々な事情を抱えている方が、柔軟に休暇を取得できるよう、働き方・休み方改善ポータルサイトでの周知リーフレット及び導入事例の掲載等により企業への導入促進を図っている。【厚生労働省】
  • 労働者一人一人のライフステージに応じ、勤務地・職務・労働時間を限定した「多様な正社員」制度を導入する上での留意事項や好事例を周知するとともに実態把握を行っている。【厚生労働省】
  • 時間を有効に活用でき、場所の制約を受けない勤務形態であるテレワークについて、適正な労務管理下における良質なテレワークの定着・促進のため、中小企業に対するテレワーク導入経費の助成や、テレワークに関する労務管理とICT(情報通信技術)の双方についてワンストップで相談できる窓口の設置など、各種支援策を推進している。【総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省】
  • 効率的・自律的に働ける制度であるフレックスタイム制度の導入時における適切な労務管理の徹底を図っている。【厚生労働省】
  • 転勤に関する企業のニーズや動向を捉え、企業の転勤に関する雇用管理のポイントを整理した「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」の周知を通じて、労働者の仕事と家庭生活の両立の推進を図っている。【厚生労働省】
  • 「多様な正社員」も含め、労働者全般の労働契約関係の明確化について、労働政策審議会における検討結果を踏まえて、労働基準法(昭和22年法律第49号)の労働条件明示事項に就業場所・業務の変更の範囲を追加する、労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令(令和5年厚生労働省令第39号)を公布した。【厚生労働省】
  • 不妊治療と仕事との両立を支援する企業内制度の導入に向けたマニュアルの周知、企業等を対象とした研修会・シンポジウムの実施、不妊治療のための休暇制度・両立支援制度を利用しやすい環境整備に取り組み、実際に利用させた中小企業事業主に対する助成金の支給、「くるみん」認定制度において創設された「プラス」認定の取得促進等により、不妊治療と仕事が両立できる職場環境の整備を推進している。【厚生労働省】
  • 中小企業における女性の活躍推進を図るため、育児休業中の代替要員を確保しやすくするための取組を推進しているとともに、中小企業が自社の経営課題解決に資する人材を確保できるよう、女性を含む多様な人材に対する企業の魅力発信やマッチングの促進等を行っている。【厚生労働省、経済産業省】

2 企業の経営者、業界単位の企業ネットワーク、経済団体等と連携し、女性の活躍の必要性に関する経営者や管理職の意識改革、女性の活躍やワーク・ライフ・バランスの推進に向けた経営者のコミットメントを促している。【内閣府、関係府省】

3 「少子化対策地域評価ツール」の活用促進等により、地域コミュニティを巻き込んだ子育ての支え合い、男女ともに子育てと両立できる魅力的な働き方、職・住・育が近接した暮らしやすいまちづくりなど、各地方公共団体における女性活躍に資する具体的な取組を推進している。【内閣官房】

4 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現に関する調査研究及び好事例の情報提供を行っている。【内閣府】

5 企業・団体の経営者・管理職・担当者や仕事と生活の調和に取り組む全ての人が取組にいかせるよう、仕事と生活の調和に関するメールマガジン「カエル!ジャパン通信」を月1~2回程度配信し、好事例の情報提供を行っている。【内閣府】

ウ 男性の子育てへの参画の促進、介護休業・休暇の取得促進

1 育児等を理由とする男性に対する不利益取扱いや、企業における育児休業等に関するハラスメントを防止するための対策等を推進している。【厚生労働省】

2 企業における男性社員の育児休業等取得促進のための事業主へのインセンティブ付与や、取得状況の情報開示(「見える化」)について、引き続き推進している。【金融庁、厚生労働省】

3 「男女共同参画週間」などの啓発活動や表彰の実施を通じて、男性の仕事と育児の両立の促進を図るとともに、男性の家事育児への参画等に関する社会的な機運の醸成を図った。【内閣府、厚生労働省】

4 公共交通機関、都市公園や公共性の高い建築物において、ベビーベッド付男性トイレ等の子育て世帯に優しいトイレの整備等を推進するほか、子供連れの乗客等への配慮等を求めることにより、男性が子育てに参画しやすくなるための環境整備を行っている。【国土交通省】

5 男性が、妊娠・出産の不安と喜びを妻と分かち合うパートナーとしての意識を高めていけるよう、両親共に参加しやすい日時設定やオンラインでの開催など、両親学級等の充実等により、父親になる男性を妊娠期から側面支援した。【厚生労働省(こども家庭庁)3

6 配偶者の出産直後の子育てを目的とした休暇取得の促進を図る「さんきゅうパパプロジェクト」による広報啓発等を実施するとともに、「第9回子育て応援コンソーシアム」において中小企業の男性の育児休業取得を促進する取組事例を紹介した。【内閣府(こども家庭庁)】

7 介護のために働けなくなることを防止するため、仕事と介護が両立できる職場環境が整備されるよう、育児・介護休業法の履行確保を図っている。また、介護支援専門員(ケアマネジャー)等が仕事と介護の両立に関する制度等の知識を習得するための研修カリキュラムを策定するなど、家族を介護する労働者に介護休業制度等が広く周知されるよう取り組んだ。【厚生労働省】

エ 女性の就業継続に向けた人材育成

1 企業による女性の就業継続に向けた研修の実施等の支援を行った。【厚生労働省】

2 労働者の主体的な職業能力の開発及び向上を促進し、再就職時の職業能力に基づいた評価にも資するよう、業界共通の職業能力評価の物差しとなる技能検定を始め、企業・労働者双方に活用される職業能力評価制度の整備を推進している。【厚生労働省】

3 ジョブ・カードを活用したキャリア形成支援を行っている。【厚生労働省】

3(こども家庭庁)とは、各施策担当省庁のうち、その担当部局(事務)が令和5(2023)年4月にこども家庭庁に移管されたものである。以下同じ。