コラム9 「がんに負けるな」伊藤忠商事株式会社のがんとの両立支援の取組

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コラム9

「がんに負けるな」伊藤忠商事株式会社のがんとの両立支援の取組


平成29年8月,伊藤忠商事株式会社は,社員ががんに怯えることなく,負けることなく,働き続けられる環境設定が社員の活力,組織の活性化を生むという考え方のもと,健康経営の方針に則った「がんとの両立支援施策」を新たに開始した。

以前より健康管理体制の充実を図り,高額医療費補助や長期疾病への支援施策は整備されていたが,今回の支援拡充のきっかけは,がんで長期療養中の社員が,社内の支援体制への感謝を岡藤正広社長にメールで送付したことであった。その社員は闘病の末に亡くなったが,悲報を受けた岡藤社長が「がんに負けるな」という標題のメッセージを全社員に送付し,支援拡充の決意を表明した。

その後,「予防」「治療」「共生」の3つの観点からなる「がんとの両立支援」として,国立がん研究センターとの提携による定期的な検診や,両立支援体制構築,高度先進医療費の支援充実,子女育英資金の拡大等の施策を推進することを決めた。

がんとの両立支援の主な施策

「予防」

  •  国立がん研究センター中央病院と提携し,40歳以上の社員は定期的に特別がん検診を義務化。検診費用は全額会社負担。検診結果に応じて早期の精密検査を実施。

「治療」

  • 国立がん研究センター専門医による即時治療
  • 高度先進医療費を全額補助

「共生」

  • 社内の相談窓口を担う両立支援コーディネーターを配置(主治医,社内の保健師や産業医,職場のメンバーと連携強化)
  • 療養中の社員が在職中に死去した場合の子女育英資金制度(小学校から大学院までの学費支給)の水準引上げ,社員の配偶者や子どもの就労支援 等

人材は最大の経営資源であり,社員一人ひとりが最大のパフォーマンスを発揮できる健康力の向上こそが,人材力の強化に繋がり,ひいては企業価値を向上させる。同社は,こうした取組を通じて,病気の有無を問わず全ての社員が持続してやる気やりがいを持ち,安心して思う存分に働き,能力を最大限発揮することのできる職場の実現を通じ「厳しくとも働き甲斐のある会社。日本一強くいい会社。」を目指す。

(岡藤社長が全社員にあてたメッセージ)

(岡藤社長が全社員にあてたメッセージ)