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コラム1
夫婦双方で利用できる育児休業制度
男性の育児休業取得率については,平成24年度で1.89%と低い水準で推移しており,女性の育児休業取得率が83.6% であるのに比べると,大きな差がある。また,取得期間も約4割が5日未満と非常に短い。
男性の育児参加の促進は,育児に参加したいという男性自身のワーク・ライフ・バランスの実現だけでなく,配偶者である女性の就業継続への影響という点でも重要である。そこで,男性の育児休業取得を促進するような環境整備が図られてきている。
平成22年6月からは,父母が共に育児休業を取得する場合,原則子が1歳までの育児休業取得可能期間を,子が1歳2か月に達するまでに延長することができる「パパママ育休プラス」が施行されている。
この施行に合わせ,厚生労働省では,平成22年6月から,育児を積極的にする男性(イクメン)を応援する「イクメンプロジェクト」を実施し,働く男性が育児をより積極的に行うことができるよう,WEBサイトでの情報発信やシンポジウム開催等により社会的気運の醸成を図っている。
【イクメンプロジェクトのロゴマーク】
一方で,依然として収入が減るという経済的な理由から育児休業を取得しなかった者が男女とも一定程度存在する。特に男性の育児休業取得率が伸び悩んでいる状況にある中,男女ともに育児休業を取得していくことを更に促進するため,平成26年3月に育児休業給付の給付率引き上げ等を内容とする雇用保険法の改正がなされ,同年4月1日から施行された。
同改正により,育児休業開始時から最初の6月の間についての給付率を,これまでの50%から67%に引き上げることとされた。これにより,父母の双方が取得した場合,それぞれの育児休業開始時から最初の6月の間は67%の給付率となる。
厚生労働省では,「イクメンプロジェクト」の一環として,平成25年7月には,男性の育児参加を積極的に促進しつつ,業務改善を図る企業を表彰する「イクメン企業アワード」を創設した。育児休業給付といった制度面での対応と社会的気運があいまって,男性も育児参加がしやすくなり,男女ともに働きながら安心して子どもを産み育てる環境を整備していく必要がある。
「イクメンプロジェクト」http://ikumen-project.jp/index.html
(参考)父母ともに育児休業を取得する場合の育児休業給付のイメージ