平成19年版男女共同参画白書

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第2章 就業分野における男女共同参画

(女性の年齢階級別労働力率(M字カーブ)の変化)

女性の年齢階級別労働力率については,現在も依然として「M字カーブ」を描いているものの,そのカーブは以前に比べてかなり浅くなっており,底になっている年齢階級も変化している。このM字カーブの変化は,女性の晩婚・晩産化による子育て年齢の上昇を反映したものと考えられる。

(増加する非正規雇用者)

雇用者のうち,正規の職員・従業者に占める女性割合は約3割で,昭和60年以降おおむね横ばいで推移している。

パート・アルバイトなどの非正規雇用者の割合が男女とも上昇している。特に女性はその割合が昭和60年の31.9%から平成18年には52.7%にまで上昇しており,過半数を占めるに至っている(第19図)。

第19図 雇用形態別にみた役員を除く雇用者(非農林業)の構成割合の推移別ウインドウで開きます
第19図 雇用形態別にみた役員を除く雇用者(非農林業)の構成割合の推移


(男女雇用機会均等法の改正)

男女雇用機会均等法が昭和61年に施行されて以後,制度上で男女均等取扱いは定着しつつあるが,急速な少子化と高齢化が進行する中,労働者が性別により差別されることなく,母性を尊重されつつその能力を十分発揮することができる雇用環境を整備することは,以前にも増して重要となっている。このような状況の中,男女双方に対する差別の禁止や,間接差別の禁止など性別による差別禁止の範囲の拡大,妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等を主な内容として男女雇用機会均等法が改正され,平成19年4月から施行されている。

(女性の勤続年数は長期化)

女性雇用者の勤続年数には長期化傾向がみられる。女性雇用者構成を勤続年数階級別にみると,昭和60年には勤続年数1~2年が最も多かったが,平成18年では,5~9年が最も多くなっており,10年以上の勤続者割合も上昇傾向にある(第20図)。

第20図 勤続年数階級別雇用者構成割合の推移別ウインドウで開きます
第20図 勤続年数階級別雇用者構成割合の推移


(管理職に占める女性の推移)

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」で女性管理職を役職別にみると,係長相当職の割合が最も高く,平成18年は10.8%となっている。また,役職が上がるにつれて女性の割合は低下し,課長相当職は5.8%,部長相当職では3.7%と上昇傾向にはあるものの極めて低くなっている(第21図)。

第21図 役職別管理職に占める女性割合別ウインドウで開きます
第21図 役職別管理職に占める女性割合


(賃金格差は,一般男女労働者間は長期的には縮小傾向,パートタイム労働者と一般労働者間もやや縮小)

男性一般労働者の給与水準を100とした時,女性一般労働者の給与水準は67.1となっている。また,男性の一般労働者と男女のパートタイム労働者の給与格差についてみると,平成18年では,男性パートタイム労働者の給与水準は男性一般労働者の52.6となっている。女性のパートタイム労働者の給与水準は男性一般労働者の42~46台でほぼ横ばいで推移しており,平成18年は46.8と,前年に比べ0.5ポイント格差が縮小しているものの,依然非常に低い水準にとどまっている(第22図)。

第22図 労働者の1時間当たり平均所定内給与格差の推移別ウインドウで開きます
第22図 労働者の1時間当たり平均所定内給与格差の推移


(共働き世帯は増加)

平成9年以降,共働きの世帯数が男性雇用者と無業の妻からなる片働き世帯数を上回っている。その背景として,女性の社会進出に対する意識変化や,経済情勢の変化などがあると考えられる。