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第3節 雇用環境の変化
(雇用をめぐる情勢)
雇用を取り巻く状況には明るさがみえつつある。平成17年の企業の法的整理による倒産件数は7,905件で,近年続いていた減少傾向から,底を打ち増加基調に転じた。この背景には,景況感の回復を受けて前向きの経営を志向する企業が増えてきていることがあり,業容拡大への対応過程で倒産に至る「好況型倒産」が見られる((株)帝国データバンク調べ)。
厚生労働省「毎月勤労統計調査」によれば,平成17年の月間平均現金給与総額は前年比0.6%増となっている。また,総務省「労働力調査」によると,平成17年平均の完全失業者数は294万人で,男女とも3年連続して減少している。しかし,15~24歳層での完全失業率は高いまま推移しており,若年層の雇用情勢は依然として厳しいことがうかがえる。
(共働き世帯は増加)
昭和55年以降,夫婦ともに雇用者の共働き世帯は年々増加し,平成9年以降は共働きの世帯数が男性雇用者と無業の妻からなる片働き世帯数を上回っている。17年では,男性雇用者と無業の妻からなる片働き世帯は863万世帯となっている(第1-2-13図)。
その背景として,女性の社会進出に対する意識変化や,経済情勢の変化などがあると考えられる。