平成16年版男女共同参画白書

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第1節 国内本部機構の組織・機能強化

1 男女共同参画会議の機能発揮

(1)男女共同参画会議の活動

内閣府に設置された重要政策に関する会議の一つである男女共同参画会議は,内閣総理大臣や議長である内閣官房長官及び男女共同参画担当大臣のリーダーシップの下,男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な方針,基本的な施策及び重要事項などについて調査審議を進めてきた。

平成15年度は,14年1月の同会議における小泉内閣総理大臣からの指示を受け検討を進めてきた「女性のチャレンジ支援策の推進に向けた意見」を4月に決定し,内閣総理大臣及び関係各大臣に意見を述べた。これを踏まえ,「2020年までに,指導的地位に女性が占める割合が,少なくとも30%程度になるよう期待」し,「チャレンジ支援策」に取り組んでいくこととされた(第2-1-1表)。

第2-1-1表 女性のチャレンジ支援策の推進に向けた意見別ウインドウで開きます
第2-1-1表 女性のチャレンジ支援策の推進に向けた意見

また,「男女共同参画にかかわる情報の収集・整備・提供」に係る施策について平成14年度までの実施状況を監視し,15年7月に「政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況及び今後の取組に向けての意見」として決定し,内閣総理大臣及び関係各大臣に意見を述べた(第2-1-2表)。

第2-1-2表 政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況及び今後の取組に向けての意見別ウインドウで開きます
第2-1-2表 政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況及び今後の取組に向けての意見

さらに,個人のライフスタイルの選択に対する中立性等の観点から,税制・社会保障制度・雇用システムについて調査審議を行っている。

(2)各専門調査会の活動

基本問題専門調査会では,平成14年1月の小泉総理大臣からの指示を受け,男女がともに個性と能力を十分に発揮できる社会の構築に向け,女性の新しい発想や多様な能力を活かせるよう様々な分野におけるチャレンジ支援策について検討を進め,平成15年4月に,男女共同参画会議に最終報告を行った。

女性に対する暴力に関する専門調査会では,配偶者暴力防止法の見直しに関する調査検討を行い,平成15年6月に「配偶者暴力防止法の施行状況等について」を取りまとめ,男女共同参画会議へ報告した(第2-1-3表)。

第2-1-3表 配偶者暴力防止法の施行状況等について別ウインドウで開きます
第2-1-3表 配偶者暴力防止法の施行状況等について

また,それ以外の女性に対する暴力全般について検討を行い,平成16年3月に「女性に対する暴力についての取り組むべき課題とその対策」を取りまとめた(第2-1-4表)。

第2-1-4表 女性に対する暴力についての取り組むべき課題とその対策別ウインドウで開きます
第2-1-4表 女性に対する暴力についての取り組むべき課題とその対策

苦情処理・監視専門調査会では,重点的に監視を行う施策として,男女共同参画基本計画の重点目標2「男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し,意識の改革」に掲げる「男女共同参画にかかわる情報の収集・整備・提供」及び重点目標11「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」に掲げる施策について,平成14年度から引き続き調査検討を進め,「男女共同参画にかかわる情報の収集・整備・提供に関する調査検討結果」について報告を取りまとめた。

影響調査専門調査会では,特に女性のライフスタイルの選択に影響の大きい税制,社会保障制度,雇用・就業について調査検討を行い,「ライフスタイルの選択と雇用・就業に関する制度・慣行」についての論点整理を取りまとめた。

2 総合的な推進体制の整備・強化等

(1)男女共同参画基本計画の推進

政府は,「男女共同参画基本計画」に沿って,関係行政機関が連携を保ちつつ,総合的に諸施策を推進している。

(2)年次報告等の作成

男女共同参画社会基本法(平成11年法律第76号)第12条に基づき,「平成14年度男女共同参画社会の形成の状況に関する年次報告」及び「平成15年度において講じようとする男女共同参画社会の形成の促進に関する施策」(男女共同参画白書)を作成した。

(3)国際機関・諸外国の国内本部機構との連携・協力の推進

男女共同参画社会の形成の促進に関する各種国際会議への出席,相互交流,インターネット等を活用した情報交換を通じて,国際機関,諸外国の国内本部機構の連携・協力に努めた。

(4)男女共同参画担当大臣

平成4年の宮澤内閣の改造に際し,女性問題を総合的に推進するために行政各部が所管する事務の調整を行う婦人問題担当大臣が置かれ,内閣官房長官が指定された。その後名称は「女性問題担当」,「男女共同参画担当」と変わるが,以後歴代内閣において男女共同参画を担当する大臣が置かれており,9年9月の内閣改造以来内閣官房長官が「男女共同参画担当」に指定されている。

平成13年1月以降は,内閣府設置法(平成11年法律第89号)に基づく特命担当大臣としてより強力かつ迅速に男女共同参画社会の形成の促進に関する事項の企画立案及び総合調整を行っている。

(5)男女共同参画推進本部及び男女共同参画担当官会議の開催

男女共同参画推進本部(以下「本部」という)は,閣議決定に基づき,内閣総理大臣を本部長,内閣官房長官・男女共同参画担当大臣を副本部長とし,特命担当大臣を含む全閣僚を本部員として内閣に設置されている。本部には,男女共同参画担当官が置かれ,本部員を補佐するとともに関係行政機関において所要の調整の事務を行っており,また,関係行政機関相互の機動的な連携を図るために,男女共同参画担当官会議が置かれている。

平成15年度は,6月に「女性のチャレンジ支援策の推進について」を決定した。また,本部会議の開催等必要に応じ,男女共同参画担当官会議を開催した。

(6)男女共同参画に関する施策についての苦情の処理に関する取組の推進

国及び地方公共団体に寄せられる男女共同参画に関する施策についての苦情解決に当たっての視点・方法論や苦情事例等を紹介する「苦情処理ガイドブック」を作成し,関係機関等に配布するほか,地方公共団体における苦情処理事務の指導的立場にある者を対象とする研修を実施した。

(7)行政相談委員,人権擁護委員等の活用

政府の施策についての苦情の処理及び人権が侵害された場合における被害者の救済については,行政相談委員,人権擁護委員に対し,男女共同参画に関する認識を高めるため,引き続き研修及び情報提供の充実を図るとともに,こうした実施状況を踏まえ,地方公共団体との緊密な連携を図っている。

また,総務省では,行政相談委員の中から男女共同参画に関する施策についての苦情の処理に関し中心的な役割を果たす「男女共同参画担当委員」を平成15年9月に都道府県域ごとに2名から4名,全国で123名を指名した。

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