Ⅰ はじめに

 平素より、男女共同参画社会づくりに向けた施策の推進にご理解とご協力を賜り感謝申し上げます。

 現在、女性活躍促進に向けた取組が進んでいる一方、男性が家事・育児等に主体的に参画する動きは進んでいない状況にあります。「第4次男女共同参画基本計画」(平成27年12月25日閣議決定)では、施策の基本的な方向として、男性の家事・育児等への参画を促進すべく、6歳未満の子供を持つ夫の育児・家事関連時間を平成32年までに1日あたり2時間30分とする目標が掲げられております。

 こうした中、政府では、平成28年10月に、男女共同参画会議に「男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」を設置し、男性の家事・育児等への参画について調査検討を行い、報告書を取りまとめられました。本報告書においては、男性が家事・育児等に参画する意義が掲げられておりますが、男性が家事・育児等に費やす時間が長い世帯ほど、第2子以降の子が多く生まれていることから、男性の家事・育児等への参画の促進に行政が取り組むことは少子化対策としても有効であると明記されています。こうした点からも、地域において男性の家事・育児等への参画機会の創出に向けた取組の推進が求められているところです。

 また、「女性活躍加速のための重点方針2017」(平成29年6月6日すべての女性が輝く社会づくり本部決定)においても、男性の暮らし方・意識の変革は、我が国における女性の活躍の未来を拓くためにも極めて重要であるとされ、男性の家事・育児等への参画を促進させるため、先進的な取組事例の収集及び情報提供を行っていくことが明記されました。

 このため、内閣府男女共同参画局では、男性の家事・育児等への参画を促進させるため、平成29年度、各都道府県、管下市町村及び政令指定都市のご協力をいただき、各地域で実施している男性の家事・育児等の参画促進の取組について、内容等の情報の収集をさせていただき、そのご提供いただいた各地域における男性の家事・育児等の参画促進の取組、約1,600事例の中から、とりわけ、その取組内容が効果的で先進的と思われる41事例を選定し、その取組内容を内閣府男女共同参画局ホームページ上で提供させていただくことといたしました。

 これらの取組事例の情報の共有が図られ、各地域で、男性の家事・育児等の参画促進の取組がより効果的かつ効率的になされることを祈願いたしますとともに、内閣府といたしましても男女共同参画行政を推進してまいります。

 最後に、事例の収集に当たって、自治体の皆様からご協力をいただきましたことに深く感謝を申し上げます。