5.ポジティブ・アクション(積極的差別是正措置)に対する意識

1)ポジティブ・アクションに対する支持

  • ○各国男女とも、ポジティブ・アクションに賛成と答えた者の割合が、反対と答えた者の割合を上回っている。
  • いわゆるポジティブ・アクションについて、その考え方を説明して、賛成かどうか尋ねた。(*)
  • 各国とも賛成(「賛成」と「どちらかといえば賛成」の合計)が過半数を超えており、反対(「反対」と「どちらかといえば反対」の合計)を大きく上回っている。
  • アメリカ、スウェーデン、ドイツでは、反対と答えた者の割合も3割近くに達している。
  • 日本では、同制度について「わからない・どちらともいえない」と答えた者の割合が25.6%に達している。
  • 性別に見ると、各国男女とも賛成と答えた割合が、反対と答えた割合よりも高いが、賛成と答えた者の割合は女性で、反対と答えた者の割合は男性で、それぞれ高い。ドイツでは賛成と答えた者の割合の男女差が最も大きい(女性の方が割合が高い)。

図 ポジティブ・アクションについて(全体)

* 設問は、「歴史的に形づくられてきた男女の不平等を是正するため、女性があまり進出していない分野では、一時的に女性の優先枠を設けたり女性の進出を促す計画を策定するなど特別な措置を講じて、男女の実質的な機会の均等を確保するべきである」という考え方に対する意見として聞いている。

【参考】

  • 旧東西ドイツについて、ポジティブ・アクションに対する賛否の割合を比べると、旧東ドイツで賛成と答えた割合が高い。

ポジティブ・アクションについて賛否の割合(旧東西ドイツ)

  • 性・年齢別にみると、日本では、20代、30代の女性で賛成する者の割合が高く、30代以降年齢があがるにしたがって賛成する者の割合が低くなっている。これは、30代以降、年齢があがるにしたがって、同制度について「わからない・どちらともいえない」と答えた人が多くなるためである。アメリカでは、20代、30代の女性で、スウェーデンでは、20代の女性で、それぞれ賛成する者の割合が高い。

図 ポジティブ・アクションに賛成する割合(性・年齢別)

表 ポジティブ・アクション(積極的差別是正措置)について(日本)

(SA)

表 ポジティブ・アクションの考え方に賛成か反対か(アメリカ)

(SA)

表 ポジティブ・アクションの考え方に賛成か反対か(スウェーデン)

(SA)

表 ポジティブ・アクションの考え方に賛成か反対か(ドイツ)

(SA)