- 日 時 : 平成12年9月14日(木) 10:30~12:30
- 場 所 : 総理府5階(526号室)特別会議室
- 出席者 :
(研究会)
大澤眞理座長、山谷清志座長代理、片山泰輔、御船美智子の各研究協力者
(総理府男女共同参画室)
大西男女共同参画室長、武川参事官、田河企画官、大塚男女共同参画推進官、池永男女共同参画調整官 - 議 題 : 報告書案の取りまとめについて
- 会議経過
(1) 事務局から男女共同参画影響調査研究会報告書案について説明し、これについて以下のような意見交換が行われた。
<男女共同参画影響調査の意義・必要性について>
○ 女性と男性とで「ニーズ」が異なるかという点については、これは男女で置かれている状況、担っている役割が異なっていることから生じる社会的ニーズの違いであり、人間的ニーズは男女で異なっているとは言えないのではないか。
○ 施策や事業はニーズに応えて実施されるものであるため、ニーズという語を使うのは論拠として強く、分かりやすい。しかし、本来人間のニーズは個々人で異なるものであり、ジェンダー(gender:社会的・文化的に形成された性別)に基づいて、またさらに遡って、セックス(sex:生物学的な性)に基づいてニーズが異なると解釈されるのはよくない。
<男女共同参画影響調査の方法について>
○ 施策それ自体を評価することと、その実施によるアウトカム(直接的な成果)やインパクト(波及効果や副次効果)を評価することとは異なる。施策の仕組みそのものの失敗により問題が生じてしまっている場合と、仕組み自体に問題はなくても、施策を実施した結果問題が生じてしまう場合とを区別して考える必要がある。男女共同参画影響調査は予期しない結果、意図せざる結果も対象とし、調査結果をそのようなアウトカム等を生み出した施策の見直しにつなげるものなのではないか。
○ 男女共同参画影響調査は、施策のアウトカムやインパクトを調べるものである。施策の失敗については、目標が曖昧、目標に対して手段が悪い、資源等の投入が不適切といった場合があるが、調査を行い、施策の実施により意図せざる何らかのマイナスの影響があることが判明した場合には、施策の企画・立案に立ち戻って考えるという過程を示した方がよいのではないか。
○ アカウンタビリティ(accountability)の本当の意味は、施策の結果についても説明ができることである。それを単に目的、目標に対して手段が適切であったかどうかについての「説明責任」としてしまうと、結果には責任を負わないよう逃げられるようになってしまう。
○ 男女共同参画影響調査は、予期せざる結果などによって施策の効果が減殺されたからといって、その犯人探しをするものではなく、次の施策のサイクルにおいてその情報が活かされ、適切な手段がとられるように、また、適切な量の資源等が投入されるように仕向けるものであることを強調すべきではないか。
<「はじめに」及び全体を通して>
○ 男女共同参画影響調査は、男女共同参画社会の形成に向けた多岐にわたる取組を、整合性をもって効果的に推進するため、政策過程自体を男女共同参画の視点に立って再構築するものと言えるのではないか。
(2) 次回(第10回)研究会は、平成12年10月24日(火)13:00から開催することとされた。
以 上
(文責:総理府男女共同参画室)