男女共同参画影響調査研究会(第7回)議事要旨

  • 日 時 : 平成12年6月22日(木) 10:00~12:00
  • 場 所 : 総理府5階特別会議室
  • 出席者 :
    (研究会)
    大澤眞理座長、山谷清志座長代理、片山泰輔、田中由美子、橋本ヒロ子、御船美智子の各研究協力者
    (総理府男女共同参画室)
    大西男女共同参画室長、武川参事官、田河企画官、池永男女共同参画調整官
  • 議 題 :
    ・報告書骨子案について
    ・報告書全体の構成について
    ・その他
  • 会議経過

    (1) 事務局から6月に開催された国連特別総会「女性2000年会議」、前回研究協力者から要望のあった点(各省庁において実施している男女共同参画社会の形成の促進に関する研修・訓練、男女共同参画室と統計部局との連携)を説明し、これらについて以下のような意見交換が行われた。

    <各省庁において実施している男女共同参画社会の形成の促進に関する研修・訓練について>

    ○ 同一テーマにつき何回か繰り返して実施するような研修も必要ではないか。

    ○ 入省して5年までには必ず誰でも一回は受けるようなもの、中堅クラス対象のもの、また、もっと高い地位の人を対象としたものなど、様々な研修が必要である。

    ○ 様々な研修が実施されているので、その中に一コマでも必ず男女共同参画社会の形成の促進に関する講義などを実施するようにすることも考えられる。

    <男女共同参画室と統計部局との連携について>

    ○ 家事、育児等の労働の把握について男女共同参画室と統計部局との連携が必要なの ではないか。

    (2) 男女共同参画影響調査研究会報告書骨子案について以下のような意見交換が行われた。

    <調査項目・観点の考え方について>

    ○ 施策の実施において、単に男女が等しく参加していればよいのではなく、女性の健康、女性に対する暴力に係る問題など、それに関わる者の性別に配慮すべきものもあるのではないか。

    ○ 施策の対象として男女双方を捉えるのみならず、施策を実施する側にも男女が等しく参加する必要があるのではないか。

    ○ 対象となる「施策」の定義は何か。具体的なものから抽象度の高いものまで含まれるような感じであり、各省庁の担当者は、何をしたらよいのか、また、自らの担当する施策と男女共同参画とどのような関係があるのかが理解しにくいのではないか。

    ○ 男女共同参画社会基本法その他の法律でも「施策」という用語が用いられている。

    「施策」をどういう意味で使うかを明らかにする必要があり、各省庁のあらゆるレベルの活動、事業も施策に含まれるようにすべきである。

    <データの整備について>

    ○ データについては、調査票には性別を記入するようになっているのだろうが、それを基に作成されたグラフや表に男女別の結果が表されていない。また、研究者などが望む要素の組み合わせのデータが採取できるよう、プライバシーに配慮しながらも個表など加工前のデータにアクセスできるようにすればよいのではないか。

    ○ 要素の組み合わせの条件を絞り込んでいくにしたがって男女別のデータがなくなる。

    例えば、職業別、地位別などそれぞれについての男女別データはあるが、職業別・地位別の男女別データがない場合がある。

    ○ 調査の対象となる施策によって、必要となるデータや調査方法について様々な工夫が必要となるのではないか。

    <体制の整備について>

    ○ 男女共同参画社会の形成の促進に関する研修の成果をモニタリングしたり、それを昇進を決める際の人事評価制度に盛り込めば、研修の実効性が確保されるのではないか。

    ○ 各省庁の男女共同参画担当窓口を強化し、そこを中心として男女共同参画影響調査を行うことが重要ではないか。

    ○ 現在各省庁で実施している男女共同参画社会の形成の促進に関する研修に、男女共同参画影響調査の手法に関することを組み込んでいくことが効果的ではないか。

    ○ 研修の教材、プログラムは、各省庁或いはその各局等で特定的なものも必要である。

    ○ 研修の教材、プログラムの開発については、内閣府男女共同参画局及び各省庁が協力し、さらに、シンクタンク、研究者などのバックアップも得て行うか、或いは、アウトソーシング(業務の外部委託)をする必要があるのではないか。

    <実効性の確保について>

    ○ 調査結果を公表することが重要である。

    ○ 女性団体からの意見を聴取する機会が必要ではないか。

    ○ 総理府が広範な国民各界各層との情報・意見交換のために開催している、いわゆる「聞く会」のようなものを定期的に開催し、調査結果を報告することも考えられるのではないか。

    ○ 男女共同参画会議の調査担当者と各省庁の担当者が集まって調査結果の検討を行うような会合があってもよいのではないか。

    ○ 男女共同参画影響調査そのものの企画・立案の段階から各省庁と連携し、調査を協力して実施していく枠組みを構築する必要があるのではないか。

    ○ 男女共同参画影響調査を行う主体と、それを分担する各省庁の担当部署のあり方について明確に示す必要があるのではないか。

    <骨子案全体について>

    ○ 研修に関する情報や女性職員の割合など、数値で提示しやすいものを定期的に調査して公表すれば男女共同参画影響調査に対する関心が高まるのではないか。

    ○ (施策の結果に関する調査項目について)「施策への満足」ということについては、その施策が目標としている便益に対する満足度ということのみならず、施策の企画・立案、実施の方法についての、参加者としての満足度も聞くべきではないか。

    (3) 次回(第8回)研究会は、平成12年7月31日(月)に開催することとされた。

以  上

(文責:総理府男女共同参画室)