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両立ガイダンス

仕事を探すことと同時に大切なこととして、育児とどう両立させていけばいいのかという問題があります。安心して子育てできる環境は、再チャレンジをする女性にとって不可欠です。近年は、育児を支援するサービスや環境は多様化してきていますので、その利用方法も求職活動時と就業中、また就業時間内の急な対応等によりそれぞれ異なってくる場合もあります。また「再チャレンジしたいけれど、子どもがせめて小学校に入ってから」と考える女性も多く、これまで自ら育児を行ってきた女性にとっては、子育て支援サービスや施設を利用してまで働こうとすることに罪悪感を持ってしまうケースがあることも事実です。女性にとって自分自身の生き方と母親としての生き方のはざまで、仕事と子育てと、どういう選択をすることが自分にとってもお子さんにとってもベストな選択なのだろうと迷うことは当然のことなのかもしれません。一体、どう考え、どんな支援を利用したらいいのか、またうまく計画的に両立を進めていくにはどうすればいいのか。まずは一人で悩まずに支援機関や行政の情報を収集し、両立のための具体的な選択肢を探したり、相談機関で悩みを聞いてもらうことや、同じような思いを持つお母さん方との交流の場に参加してみてはいかがでしょうか。以下は、保育サービスや支援等を利用しようと考えているお母さんのための保育応援情報です。

公的支援情報

<保育所ガイド(探索情報、選び方のポイント)>

■子どもをどこに預ける?
(具体的な事業内容、時間等については地域や施設により異なりますので、市区町村の担当窓口まで直接お問い合わせください)
<ある自治体(市)の例>

※保育所においては、延長保育や一時・特定保育、夜間保育など、多様な保育サービスを行う施設が増えています。

※認可外保育施設のうち、地方自治体独自の基準を満たすと認められた「東京都認証保育所」や「横浜保育室」等があります。詳細については各自治体へお問い合わせください。

※上記の表の他、保育ママや地域子育て支援拠点など市区町村が行う取組や、事業所が任意で設置している事業所内保育施設などがあります。

※「保育所」は、児童福祉法で定められた保育施設ですが、私立の施設の中には「○○保育園」という名前で設置していることも多いことから、自治体によっては「保育所」という呼称で説明する場合や「保育所・保育園」あるいは「保育所(保育園)」と併記して使用しているところがあります。本サイトでは総称して「保育所」という表記で示しています。

【幼稚園情報(文部科学省管轄)】
満3歳児から入園。幼稚園の1日の教育時間は4時間を標準としており、二重保育(ベビーシッターや保育ママを併用)をする人もいます。また、全国の約7割の幼稚園が預かり保育を実施しています。

【保育所情報(厚生労働省管轄)】
0歳児から入所。保育時間は幼稚園と比較し長い時間の対応となり、働くママの多くが利用する保育施設。都道府県の認可を受けた認可保育園とそれ以外の認可外保育施設があります。

※認可保育所と認可外保育施設の違い
認可保育所とは、国の児童福祉施設最低基準(保育室の広さ、保育士の人数など)を満たしており、市区町村に入所申し込みを行います。一方、認可外保育施設は、認可がありませんが、認可外保育施設指導監督基準を満たすよう指導されており、個別の施設に直接申し込みます。

<参考>ある自治体の場合

【認定こども園】
平成18年10月から新しく認定こども園制度が始まりました。認定こども園とは、幼稚園、保育所等のうち、就学前の子どもに関する多様な教育・保育ニーズに対応するための施設です。

■どうやって預け先を探す?

【保育所の場合】
(1)まず、市区町村の保育課等窓口で認可保育所に申し込みます。(自治体ごとに名称が異なります。「認可保育所の入所について」とお申し出ください。)市区町村は、申し込みに基づく保育の実施責任がありますが、申し込みが多数に上る場合等は、優先要素を点数化しあらかじめ定められた選考方法によって公平に選考されます。
*年度途中でも入所申し込みができますが、乳幼児の多くは4月に入所決定されます。

(2)認可外保育施設を個別に探し、見学し、選択します。
市区町村によっては、認可外保育施設の一覧表を紹介しているところもありますので、係りの人に問い合わせをしてみましょう。
(3)インターネットのポータルサイトから、キーワードを入力して検索してみることもできます。
キーワードの例:「自分の住んでいる市区町村名 保育所」⇒認可保育所情報など
(4)都道府県公式ホームページから検索して保育所を探す
例:福井県公式ホームページ→「子ども・家庭」→「仕事と子育ての両立支援パンフレット」
(5)市区町村役場の公式ホームページから検索(呼称は各自治体により異なります)
例:各役所のホームページ→「福祉または出産・育児」→「幼稚園・保育所一覧」

(6)i-子育てネットのサイト(厚生労働省の委託を受けて(財)こども未来財団が運営)を活用。

【幼稚園の場合】
(1)都道府県の公式サイト、または市区町村役場のホームページから検索します。
または直接窓口に相談に行きます。
(2)近くの公園で知り合ったママ友の口コミ情報を元に、個別に見学する人もいます。
(3)インターネットからホームページを探したり幼稚園紹介の書籍から探します。

■入所できる保育所が見つからない場合、その他の子育て支援情報を探す

【保育所以外の子育て支援情報を探す】
インターネットのポータルサイトから、以下のキーワードを入力して検索してみることもできます。
キーワードの例:「自分の住んでいる都道府県名 子育て支援」⇒子育て支援NPO団体情報など

【i-子育てネットから探す】
ii-子育てネット
全国の保育所や放課後児童クラブ等子育て支援機関の検索ができます。

【ファミリー・サポート・センターに相談する】
幼稚園・保育所が見つからない場合、最寄りの子育て支援センターのほか、ファミリー・サポート・センターに問い合わせしてみるのも一策です。また、見つかったとしても、緊急時・病児保育の実情を一度相談しておくと、いざというときのサポートになります。

【保育ママ、保育室、ベビーホテル、駅型保育所、ベビーシッターの情報を確保する】
働くママにとって、二重保育が必要になることがあります。たとえば、保育所では病児はお休みさせなければならないため、緊急に預け先を探すことになります。病児だけでなく、家族の看護、出張、会議、休日出勤などに備え、二重保育先を知っておくと便利です。

両立Webレポート(1)

*以下は「ファミリー・サポート・センター」の会員を取材した東京都新宿区の内容であり、
個々の自治体の取組については直接市区町村へお問い合わせください。

今回のテーマは… 地域の会員同士がサポートをする『ファミリー・サポート・センター』利用の徹底取材
利用するママ 「4年間同じ人に預かってもらって安心でした」
預かってくれる人 「かわいい子供達にパワーをいただいています!」

■保育所における保育時間を越えて子どもを預けたい場合
働く方たちが子どもを長時間預ける保育所の内容は、自治体単位で異なりますが、通常週6日、11時間(7時〜17時や8時〜18時など)が基本となっています。ところが、出張で家を早く出なければならない、就業時間が18時だからお迎え時間には間に合わないなど、職場の事情などでお見送りお迎えの時間を延長しなければならないこともあります。
東京都新宿区の保育所の場合、延長保育というシステムがあり一般的に1時間単位で最長4時間まで延長が可能です。

[東京都新宿区の例]

(1)延長保育の登録をしておく

(2)毎月4,000円程度加算される

(3)自治体在住であることが延長保育を登録できる条件

(4)保育所ごとに延長保育受け入れ枠がありすべての人が利用できるとは限らない、

などの実情があります。

■ファミリー・サポート・センターを利用する
子育てと仕事を両立させるためには、その時々の緊急のサポートをいかに確保するかも大切です。その時、援助を受けたいという願いを実現させてくれるシステムが、ファミリー・サポート・センターで、全国の市区町村が設置しています。
同センターを利用するにはまず登録して会員になる必要があります。地域の中で子育ての援助を受けたい会員(利用会員)と援助したい会員(提供会員)が、相互に援助しようというシステムで労働省(当時)の呼びかけで実現しました。

預ける人と預かる人。多くの場合、預ける人は子育て中の女性で、預かる人は子育て経験者ですから、利用者からは「実家の母に助けられているような感覚です」という声を、また預かる人は「孫が一人増えたようで楽しい」、「在宅ででき働く女性のお役に立てることだからやりがいがあります」という声を聞くことができます。まさに、“両者にとって有益な支援システム”が築かれているのです。

援助活動の内容

1. 保育所までの送迎を行う
2. 保育所の開始前や終了後の子どもを預かる
3. 学校の放課後や放課後児童クラブ終了後、子どもを預かる
4. 児童が軽度の病気のとき、または回復期に一時的に預かる
5. 学校の夏休みなど保育施設などの休業日に子どもを預かる
6. 保護者等の病気や急用等の場合に子どもを預かる
7. 冠婚葬祭や他の子どもの学校行事の際、子どもを預かる
8. 保護者の買い物、習い事等外出の際、子どもを預かる など

利用時間と料金例

午前7時〜午後7時

1時間につき800円

上記時間帯以外と年末年始

1時間につき900円

     ■サービスと料金の例(※市区町村ごとに内容・料金は異なりますのでお問合せください)

「実例 新宿区に住む利用会員江尻さんを1日密着取材」

新宿区のファミリー・サポート・センター事務局は、新宿区社会福祉協議会の委託を受けて活動しており、利用会員が約1710人、提供会員が約280人、利用・提供どちらも登録する両方会員は26人(2006年11月末現在)登録されています。
その中の一人、江尻扶美さん(45歳)は、5年前長女の有佳ちゃんが1歳3ヶ月の時から利用会員になっています。20歳から今日まで区立保育所に勤務する江尻さんは、結婚は39歳、出産は40歳というベテランの保育士さんです。

■保育所とファミリー・サポート・センターを併用

「職場で育休を取る先輩や仲間のサポートをフルにやってきました(笑)。ちょうど制度が変わって育休を3年取ることも可能でしたが、それでは保育所を利用できなくなるので育休は1年3ヶ月で切り上げました」
保育所入所事情に詳しい江尻さんによると、「新宿区の場合、保育所に入りやすいのは4月の入所で、前年12月から1月中旬までに申し込み、2月末に入所できるか否かの結果がわかります。それでも、1歳から2歳児の待機(定員の空き待ち)が多く、保育所の空きがなくなる可能性が高いんです」とのこと(注意:保育所入所情報は市区町村別に条件・環境が異なりますので各担当部署<福祉課等>にお問い合わせください)。保育所の場合、保護者の就業または療養を支援する施設であるという性質上、たとえば4月入所を決めると、同時期に就業あるいは療養を証明する必要があります。

江尻さんは結局、保育士さんの仕事を中断してから1年4ヶ月後に職場復帰を果たしたのでした。
「保育所入所前に、ファミリー・サポート・センターの利用会員に登録しました。もともと、ある園長先生が同センターの立ち上げに関わったたときから知っていて、先輩ママが利用していたのを見て、働くママの味方であるセンターの良さを熟知していました」
江尻さんは、説明会(毎週1回は開かれる)に参加し、登録しました。すると、1週間ほどで同センターの担当者から連絡があり、事前に提出した条件にあう「提供会員」を紹介してくれることになりました。
(参考:保育園の基礎知識(保育園を考える親の会)

■提供会員林さんは在宅就業の再チャレンジ組(事例でも紹介)
その提供会員が、なんと江尻さんの自宅から30秒のところに住む林幸子さん(59歳)です。林さんは、高校卒業後鋼業系企業の事務をしていましたが、23歳で結婚を機に退職。以後30年間、子供二人の育児、舅姑二人の介護をしながら、ご主人の兄弟二人も一時は同居するという8人の大家族の家事に明け暮れたという専業主婦のベテラン。
「53歳になり、このままではいけない、何かしようという気持ちになりました。そんなとき、役所の広報誌に掲載されていた『保育所の非常勤職員募集』を見て応募しました。採用された保育所で、朝8時から10時まで早番の先生(保育士)のお手伝いをすることになりました」

ファミリー・サポート・センターの存在は区役所発行の公報誌を通し知っていたとのこと。「保育所での子どもたちと接した楽しさもあり、またその園長先生の薦めもあって、提供会員の登録をすることになりました。江尻さんとは同センターの紹介でお会いしました」
提供会員の講習会は、市区町村によって異なりますが、新宿区の場合、主に「新宿区の子育て状況を知ること、子育て支援者としての心構え等が中心です。そのほか、人工呼吸など救急法や小児医療等の健康管理を学びます。たとえば、大人への人工呼吸法は全体重をかけて胸を圧迫しますが、幼児へのそれは「指2本でする」など実地訓練で習得します。
「受講者は子育ての終わった40代後半から50代の女性が多かったですね。4回受講して修了すると、センターへ提供会員として登録できます。そのとき、自分が協力できる条件を記入しておけば、あとはセンターの担当者の方が条件の合う方を探して連絡してくれます」

林さんの条件とは、
1. 土曜・日曜日は原則預からない
2. 病気回復期でも受け入れられる
3. 平日13時から19時まで
林さんがいままで預かっている会員さんは5人。その中には、「ママがピアノを習うのでその間3時間を週1回預かる3歳児」や「母親のリフレッシュ時」、「双子のため自宅まで出張して子育て支援をする」などのケースもあります。

■徒歩15分離れた保育所にお迎えに行く
林さんは、江尻さんの長女有佳ちゃん(5歳)を、江尻さんが提出した「毎月の仕事のローテーション」をみて、夕方5時15分までには保育所にお迎えに行きます。

江尻家の○月スケジュール表

日付
保育所お迎え時間
利用会員(江尻さん)の家族
提供会員(林さん)
お迎え 引き取り時間
○日 16:30 早番16:15終○ × ×  
▲日 17:15 遅番18:00終 × 母18:30
□日 17:15 遅番18:45終 × 母19:15
●日 17:15 会議19:30終 × 父19:00
△日 17:15 遅番18:00終 × 母18:30
■日 17:15 遅番18:45終 × 母19:15
▽日 17:15 会議20:30終 × 父19:00

「保育所は徒歩15分の距離ですが、江尻さんご夫婦は忙しいから車で送迎をするようですが、私の時は歩きます。パパが『有佳は林さんと帰るときはいっぱい歩くから健康にいいね』と。公園で遊びながら、寄り道しながら、お話をいっぱいしながら、30分くらいかけて帰りますよ」と林さんは言います。

利用会員が夕食を作れないほど遅い場合、提供会員に頼めば1食500円程度で夕食を子どもに食べさせてくれます。江尻さん宅はパパが自営業ですから、夕食は自宅でできるため頼んでいませんが、ママが用意したおやつを食べて待っています。

■ファミリー・サポート・センターを利用して一番良かったこと
利用会員江尻さんは、「林さんにはもう4年も預かっていただいています。ベビーシッターと違ってセンターの場合、希望すれば同じ方に預かってもらえ子供も慣れているところがいいですね」と言います。 一番助かったことは、病児の保育。 「1歳の時、インフルエンザに罹って保育所を5日ほど休ませ、私も仕事を休みました。もう良くなったけれど完治してから登所させたいというとき、林さんに相談すると『普段の元気な時の様子がわかっているお子さんだから、預かっていいですよ。それに、うちは小さい子がいないから安心ですよ』と言っていただき仕事にも行けました」と江尻さん。
林さんも「静かに寝ているだけなので、預かりました」と言います。
「仕事を持つママのお役に立つのならうれしいです。子どもはお迎えに行くと飛びついてきてかわいい。運動会にもご招待されてお弁当まで作ってきていただいたこともあり、若いママたちとのコミュニケーションもでき楽しいですよ。同年輩の友人にも『子どもには癒されるから始めたら?』と会員登録を勧めました」林さんは、提供会員として社会参加したことで、同じ提供会員の交流会などで知り合った仲間と情報交換をする輪もでき、思わぬ喜びを味わえているそうです。
預かる側も預ける側もともに助かる・・・ファミリー・サポート・センターの本来の相互助け合いの精神が原点となっているのです。

両立Webレポート(2)

今回のテーマは… 職業訓練や就職活動中もサポートをする『子育て支援センターの賢い利用の仕方』

■子育て支援センターってどんなところ?

全国にある子育て支援センターでは、地域の子育て家庭へのサポートをする未就学の乳幼児とその保護者のための施設です。ここでは、和光市にある、みなみ子育て支援センターの活動内容を例にとって説明しましょう。
★ お母さんが自分を見つめなおす「グループカウンセリング」・子育てのヒントにする「ナチュラルタイム」
★ 同じ月齢のママ友を作る「おしゃべりひろば」、「ティーコーナー」「年齢別サークル」
★ 音楽療法士の指導のもと親子で体を動かす「リトミック」「体育あそび」 など

企画は盛りだくさんです。また、『一時保育・子育て相談』があり、再チャレンジを準備するお母さん方もさまざまな形で利用しています。
同センター内一時保育室を利用して子どもを一時預ける制度は大きく3タイプに分かれます。

一時保育の種類別利用方法(和光市みなみ子育て支援センターの場合)

種類

利用限度

利用できる条件

提出書類

申し込み開始・期限

非定型的保育

6ヶ月以内、週3日まで

保護者の労働・職業訓練・就学などのため家庭保育が困難な場合。

就労の場合:勤務証明書
職業訓練・就学の場合:学生証、パンフレット、教材のコピー等証明できるもの
*利用希望日の1ヶ月前の初日から
(例:4〜9月利用は3/1から)
*曜日指定以外は月毎
*幼稚園等の夏・冬・春休み中の予約は月毎
(利用希望日の1週間前まで随時)

緊急保育

1ヶ月以内

個々の状況を判断

保護者の病気・出産・災害・事故・看護・介護・葬儀などのため

診断書(受診が証明できるもの・診察券は不可)

利用希望日の1ヶ月前の初日から1週間前まで随時

リフレッシュ保育

1ヶ月につき4日以内

延長は原則不可

保護者のリフレッシュおよび習い事・社会的行事(入園式・学校行事・結婚式等)・引越・求職活動などのため

習い事・行事のお知らせ等

利用希望日の1ヶ月前の初日から1週間前まで随時

*利用料金は、通常利用時間(8:30〜16:30の8時間)で2000円、4時間以内で1000円、延長利用は30分毎200円です。(市区町村によって異なります。詳しくは直接お尋ねください)

再チャレンジする女性が子育てをしながらスキルアップのためにセミナーや学校に通う場合、あるいは再就業は決まったけれど正規保育園に入れなかった場合週3日であれば、「非定型的保育」に申請すれば実質的に利用することが出来ます。また、第二子出産のため第一子の子育てが困難になる場合は「緊急保育」に、ハローワークに行ったり就職説明会、入社試験や面接に行ったりする場合は「リフレッシュ保育」の求職活動に当たります。(注:ただし、「リフレッシュ保育」という制度を実施していない自治体もありますので直接ご相談ください)

■一時保育を利用して出来る「就職活動」
「和光市みなみ子育て支援センター」施設長の榊原久子さんに、一時保育の利用の実態と両立させる上でのアドバイスなどをお話いただきました。
榊原施設長ご自身子育て真っ最中。そのアドバイスは、利用者のママたちにとって“生きるテキスト”となっています。

非定型的保育利用の分布を見ると、10月以降の後半期に利用人数が多くなる傾向にあります。これは4月入園で、それまでの待機児童が多少解消されるため、利用が減る事と後半に向けて利用が多くなる理由としては、育児休暇明けの方が、徐々に就業への準備を始められるからではないかと考えられます。


※上記の表は一般的な流れで、地方自治体によって異なります

フルタイムで再就職したと同時に公立等の正規保育所に入所させたいと計画したとします。そのために、4月を待たず、年度前に一時保育室や民間保育室を利用して徐々に仕事に戻り、就労の準備を進めることも可能です。

■就業準備に向けて 一時保育室を利用する

育休明けで職場復帰されるお母さんが、育児休暇中に一時保育室を利用されるケースは多いです。子育て支援センター内に一時保育室があるので、センターに親子で遊びにきたり、一時保育室に就業準備や子育て中の気分転換にとお子さんを預ける姿も見られます。再チャレンジを望むお母さんには、完全復帰で「保育所」という方と、わが子や家族の状況に合わせて、少し子育てが落ち着いてから社会復帰される方とがいます。近年、幼稚園においても『預かり保育』といって、正規の保育時間外に保育を行ってくれるシステムを取り込んでいる幼稚園が増えており、幼稚園を選択しても延長保育の時間を上手に活用しながら、再チャレンジを目指すことも可能です。(*各園各所によって、実施・時間・料金は異なりますので、各園各所にお問合せが必要です)

「保育所の場合、0歳児でも和光市の場合2ヶ月から入所できます(市区町村によって受け入れる生後月齢は異なりますのでご注意ください)。自治体によって定員のほぼ倍の児童が待機待ちの状態ですから、入所しやすい4月に受け入れ月齢(例:2ヶ月)以上になることを見通してお腹にいる間から再チャレンジのスケジュールを組んでいるお母さんもいます。

しかし、非正社員(パートタイム)や祖父母同居などは正規の保育所入所の道は、まだまだ厳しいのが現状です」榊原施設長ご自身も、保育所に入れる苦労は経験済み。長男が1歳・次男が8ヶ月の時にタイミングよく7月開所の公立保育所に入所が決まりパートタイム勤務から再チャレンジしました。以下は我が家の3男のケースです。

非常勤職員として勤務していたので、正規ではない立場で産休と1ヶ月の育児休暇を取得後、生後4ヶ月の時に復帰。民間家庭保育室に預け、公立の保育所を申請したのですが、あえなく待機児童。1年間家庭保育室に通いながら公立の空きを待ちました。私の住んでいる行政は家庭保育室を利用していると待機児童のポイントとして加算されます。(保育支援の入所審査はほとんどの行政で就業のスタイルや家族構成等で加味するポイント制になっています。)かくして仕事復帰2年目に公立保育所に入所となりました。ここで、大切なポイントは民間家庭保育室や一時保育室のお世話になりながら、公立保育所の申請を続け、「待機しています!」とアピールすることです。また、4月入所が叶わなくても、「5月や6月でも、待機児童に対して毎月審査はありますから、繰上げ当選もありますよ」とのこと。こうした生きた情報を得るためにも、子育て経験者が集う「子育て支援センター」に通ってみるとよいのではないでしょうか。

■両立上手になるためのワンポイントアドバイス
一時保育室や民間保育室等を利用しながら、母親にも子どもにも無理のない形で再就職への準備を進めるためのちょっとしたポイントを何点がご紹介します。(榊原施設長 以下談)

1. 保育を体験してみる!
「子どもが集団生活に入ってみてはどうか?」もそうですが、母親にとっても子どもと離れる体験をし、育児・家事・仕事の3本立てライフサイクルのプレ体験を行い感覚をつかむ。
2. 母乳はどうする??
保育所では母乳をあげることができません(ほとんどの保育所では冷凍母乳も扱っていません)。保育所ではミルクになるので「母乳のみのお子さんは哺乳瓶でミルクを飲むことを試してみておいてください」とお願いしています。「保育所ではミルク 家では母乳」が可能であれば、無理に卒乳する必要もありません。私もそうしてましたよ。
3. 離乳食を試してみる!
保育所では6ヶ月前後からお子さんの様子を見て、離乳食を進めていきます。その上で、心配なのが「アレルギー」。保育所で進める前に、必ず、自宅で離乳食を試していただきます。アレルギーの心配があるようでしたら、かかりつけの小児科などに相談・受診してください。
4. ネットワークを作ろう!
子育てしながら仕事をすることは予測できない事態が起こるもの。子育て支援センターや地域の子育てサークル等に参加して、同じ年代の子どもを持つ母親同士のネットワークを作っておくとお互いに、いざというときに支えあうことができます。日頃の育児の悩み等共通する点も多く子どもが大きくなってからも付き合っている先輩ママも少なくありません。
5. 夫や実家との協力システムを考える
「急な発熱等で保育所から連絡があったとき」「残業のとき」「子どもの病気で仕事を休まなければならないとき」など、予測される事態に対して誰が動くかを話し合っておくことは、大切です。仮に夫婦どちらかしか休めない状況でも夫(妻)に妻(夫)側のリスクを感じていてもらうことは目に見えないけれど心の支えになるものです。

■子どもを預ける=罪悪感??
公共機関の支援情報や施設を利用して、再チャレンジのための両立できる環境を整えようとしても、肝心の母親の気持ちが迷うこともあります。たとえば、初めての施設に預けるとき、自我の芽生えを迎えた2歳前後の子どもの多くは、絶対的な存在である母親との別れをすんなりとは受け入れてくれません。保育所でよく見かける「この世の終わりを告げるような涙のお別れ」シーン。この瞬間、どれほどの母親が毅然とした態度で接することが出来るか。おそらく先輩ママたちの誰しも、苦い思い出があることでしょう。
榊原施設長はこうメッセージをくれました。「私自身子どもを預けている中で泣かれた経験はたくさんあります。子どもが体調を崩したときに『ここまでして仕事を続けるべきなのか?子どもを犠牲にしてるのか?子どもの傍にいられないことは母親失格なのか?』と悩んだこともあります。そんな時にいつも自分に勇気をくれる「原点」。それは「何のために再チャレンジしたのか」という思いでした。人によってその理由は様々だと思いますが、「なんのため」といいう一点は生活にめいいっぱいになっている自分を振り返り、前に進むための栄養剤となっています。そのように自分の心の作業をしながら『働く親の背中を見ていてくれる。働くことの尊さを感じてくれる日が必ず来る』と自分に言い聞かせ、子どもの心を信じることに努めます。その中で、子どもがしんどい時、子どもの『要(かなめ)』の時に傍にいること、そして子どもを信じたり、守ったりすることを心がけています。子どもの『要(かなめ)』のときを見極められる母親になれるよう、今も努力進行中です。」

これから再チャレンジをしようというお母さんたちへの応援メッセージは、以下の通りです。

* 「職場を見せてあげる」
機会があったらお子さんに父親や母親の職場を見せてあげられると良いと思います。「ここでママはがんばってる」と幼い子どもながらに必ず感じてくれますし、日中どこにいるのかを知ることで、安心します。「親の働く背中が見える」ことで自分の目で親の心を感じ取っていってくれます。

*心のキーワードは「感謝」です。
支援センターでも保育所でも子育てを通していかにたくさんの人に支えられているかを実感したという方は多くいます。周囲への感謝の心は必ず良い仕事・良い人間関係を育んでいってくれます。私も、わが子・夫・両親・友人・そして職場のみんなに「すみません」ではなく「ありがとう」の毎日です。

* 「私サイズのいい加減」
育児・家事・仕事と、座る暇もないほど心も身体もフル回転をさせる毎日。全てをやりきることも素敵ですが、上手に手抜きできるようになることも大切。「週に一度は妻も母もオフ!!毎週金曜日の夜は何もしない!」と決めているママ友もいますよ。

*「桜梅桃李〜私にしかできないことがある」
「桜梅桃李」という言葉があります。桜は桜の花を咲かせます。桜が梅の花を咲かせる事がないように自分にしか咲かせることができない花があります。決して周りと比べて卑下することなく、また、焦ることなく、自分のリズムで新しい生活を創り出していく。自分らしく生きるその姿は、わが子にとって『生きる』事を伝えていく最高のテキストになると思います。

*「母は強し!!」
独身時代と違い、生活を始めとする様々な事を抱えながらの毎日。だからこそ、生活や仕事上多少のリスクが発生しても悠々と乗り越えていけるたくましさが身についていくのですね。そこには生活に根ざした現実的な意識と即戦力になるパワーが満ち溢れています。独身時代につんできた経験も、子育ての経験も、すべて無駄なし!女性の力って素晴らしい!!

■取材協力をいただいた方

和光市みなみ子育て支援センター 施設長榊原久子氏

1970年生まれ、大学・教育学部卒業後、私立幼稚園に勤務。妊娠・出産のため退職。3年間の専業主婦を経て、第2子出産後、別の私立幼稚園にて時間パート職員として社会復帰をする。その後、現在の保育所(社会福祉法人)に非常勤職員として勤務。正規ではない、非常勤職員の立場で、産休・育休を取得し第3子を妊娠・出産した。 のちに、同法人の事業拡大に伴い、平成16年4月よりみなみ子育て支援センターの主任に抜擢され、同年10月よりセンター長を務める。