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学ぶガイダンス

子育てや介護でいったん離職した女性にとって、キャリアの中断は大きな不安となるものです。とくにブランク期間が長いほど、「昔の技能・技術がいま通用するかどうか」と自分の職業能力に自信を失いかけている女性も多いのではないでしょうか。家庭や友人、ご近所という身近な人間関係だけでの生活が長いと、企業という組織での社会通念、ビジネスマナー、商慣習などに対して戸惑いや不安を抱くことでしょう。そこで、本コーナーでは、とくに再就職や起業を目指す女性が、まず自分や自分のやりたいことを明確にし、その目標へのステップアップをしていくための学習等の支援を中心に行う機関を初級編、専門知識や技能など、進むべき分野が決定した後にスキルアップするための学習・能力開発を主に行う支援機関を中級編として、公的支援機関などの情報を紹介します。

初級編として育児中でもできるスキルアップを、中級編として学習・能力開発を、公的支援機関情報を紹介します。 その学習内容は、以下に大きく分かれます。
(1) オフィスワーク(パソコンの基本、コミュニケーション能力、自己理解、仕事理解などビジネスセンス)をよみがえらせる
(2) 職業能力(パソコンスキルのほか、プレゼンテーション能力、企画力、営業技術、国際ビジネス能力、総務・労務関連、各種専門分野など職能分野別スキル)をレベルアップする
(3) 生涯学習(一般教養、語学など総合的な知識)を高める
(4) 再就業に直結するキャリア形成(就職活動模試、適性適職、棚卸、仕事への理解など)を高める

■初級編
全国の都道府県にある女性センター・男女共同参画センターを初めとして、女性と仕事の未来館などの支援機関では再就業を目指す女性のためのパソコン講座やビジネスマナーなどを中心とした「スキルアップセミナー」や「キャリアアップセミナー」などを開催し、サポートしています。 参加費用は無料、託児サービス付きというセミナーがほとんどですので、子育て中でも安心して参加できます。また、託児サービスがない場合は、一時保育の非定型保育ファミリー・サポート・センターを利用すれば学習時間を確保できます。19年度以降の日程・詳細は各支援機関に直接お問合せください。

■中級編
さらに本格的な訓練、学習、スキルアップを希望する人は以下のコースをおすすめします。ただし、3ヶ月、6ヶ月という学習期間を要するものもありますので、託児が不安な方は、お近くの子育て支援センターの一時保育の非定型保育を利用するとよいでしょう。

<再チャレンジにおすすめのスキルアップ関連サイト>

関連ページ 内容 サイト名(運営元)
求職している方々を対象として全国の公共職業能力開発施設や民間教育訓練機関等で実施する職業訓練コースの情報を紹介しています。様々な角度からの検索が可能です。
就職・仕事に役立つスキルを学ぶ情報があります。
企業が若年者の就職に関して特に重視している「コミュニケーション能力」「職業人意識」「基礎学力」「ビジネスマナー」といった就職基礎能力の修得を支援します。
企業の職業能力開発担当者やキャリア形成に関心を持つ方々に、職業能力開発に関するさまざまな情報を提供するポータルサイトです。
学習の形態(通学・通信・eラーニング)や、地域(都道府県別)、分野(情報処理・コンピュータ、オフィス事務、語学、マスコミ・デザイン、医療・保健衛生<ヘルパー>など各種分野)などから、それぞれ検索することができます。
協会正会員である全国国立大学へのリンク集。原則として本格的に学習・研究を志す方を対象にしていますが、大学によっては、「一般・社会人の皆さんへ」というコーナーがありさまざまなテーマでシンポジウムなどの参加を呼びかけています。
県立、市立等の公立大学のリンク集。原則として本格的に学習・研究を志す方を対象にしていますが、地域貢献関連、産学連携関連等で検索でき、大学によっては、「産学イノベーションセンター」「地域研究開発センター」等による公開講座、生涯学習、インターネット講座などの参加できます。地域住民への付属図書館の利用を開放しています。
協会に加盟する公立の短期大学28校(平成18年12月現在))へのリンク集。原則として本格的に学習・研究を志す方を対象にしていますが、社会人のためのオープンキャンパス、公開講座が充実しています。特別受講生制度や生涯学習制度を活用することもできます。
会に加盟する私立大学371校(平成18年4月現在)へのリンク集。原則として本格的に学習・研究を志す方を対象にしています。各大学ごとに特色は異なりますが、生涯学習、オープンキャンパス等の社会人の利用が充実しています。
連盟に加盟する私立大学124校(平成18年3月現在)のへのリンク集。原則として本格的に学習・研究を志す方を対象にしています。各大学ごとに特色は異なりますが、公開講座、フォーラム等に一般社会人の参加を呼びかけています。
協会に加盟する私立短期大学384校(平成18年5月現在)へのリンク集。原則として本格的に学習・研究を志す方を対象にしていますが、学習の目的や資格取得の観点から検索することができます。
地理的・時間的制約があって通学が困難な人のために設けた大学通信教育制度で、36大学、19大学院、8短期大学(18年現在)で実施しています。本サイトでは、学習方法の特色や履修方法がわかります。再学習や生涯学習をしたい方に適した高等教育制度です。
(財) 私立大学通信教育協会作成
協議会に加盟する看護学校371校(平成18年8月現在)へのリンク集。看護士を目指す方が地域別に学校選びができます。

男女共同参画社会の形成を目指した女性教育に関するナショナルセンターとしての役割を持つ施設で、愛称「ヌエック」のホームページです。女性のエンパワーメントのための研修をはじめとする、さまざまな研修、交流、調査研究、情報の収集・提供、学習支援事業を実施しています。各分野の女性研究者や活躍する女性に関する情報を提供しています。

学ぶ・スキルアップWebレポート

今回のテーマは… 『雇用・能力開発機構』
生涯職業能力開発促進センター「アビリティコース(離職者訓練)」で何を学ぶ?

■「私のビジネス感覚は鈍っていないかしら」と不安ではありませんか?
いったん離職した人にとって、「ビジネス感覚が取り戻せるか」、「昔の技能・知識が通用するか」が大きな不安になることがあります。特に、IT関連の業務に従事していた人にとって、技術革新は日進月歩のスピードで変化しています。それ以外の業務でも、実務や事務は3年前とは大きく変化しているケースが目立ちます。そこで、再チャレンジを希望する人が“浦島太郎”にならないようにするために、子育て中、ブランク期間中あるいは再チャレンジを決意したその日から、何を学べばよいか調べてみました。

■若い女性が増加する職業訓練コース
職業能力の向上を支援する公的機関「独立行政法人 雇用・能力開発機構」には、離職者・転職者の職業訓練を目的とした「職業能力開発促進センター」(一覧表参照 http://www.ehdo.go.jp/loc/index.html)が全国に配置されています。たとえば、ハローワークで「再就職(転職)するにはスキルアップしたほうがいいですよ」とアドバイスを受けた人が訓練の場として紹介されるところです。
その一つ、東京・墨田区にある「生涯職業能力開発促進センター」は通称「アビリティガーデン」 http://www.ab-garden.ehdo.go.jp/ といい、主にホワイトカラー(事務職)の職業能力のレベルアップを目的に開設された施設です。(他センターはものづくりなどを中心にした職業能力開発を推進しているところもあります。詳しくは各センターのホームページをご参照ください)
同センター・企画調整部企画調整課長・松山圭一氏は「アビリティガーデンは、より再就職しやすい実践的なカリキュラムや訓練内容となっています」といいます。
同センター受講者は、最近2年間の傾向として、20歳から39歳までの女性層が増加しているそうです。そのため、「育児中の方でも通所できるように近隣の託児所の情報を提供しています」(松山氏)と受け入れ体制も整えているとのことです。

■6ヶ月で約700時間のスキルアップをする
具体的なコースはどのようなものでしょうか?同センター・能力開発部指導課長・土屋芳之氏は、こういいます。
「18年度は9科23コースが行われ、590人の方が修了予定です。自分がどのコースを選べばよいかは、職歴と今後の希望職種を考えガイダンスを通して選択するように指導します。女性に人気のコースは、国際ビジネス管理科、eビジネス管理科、サービス企画科などです。最近の傾向として、派遣社員等を経験したあとさらにスキルアップしたいと考える女性が目立つようになりました」

離職者訓練コース(生涯職業能力開発促進センター19年度上半期計画)

コース名

期間

主な概要

カリキュラム内容例

ビジネスエキスパート科

6ヶ月

中小・中堅企業で管理・監督的職務を担当しようとする方を対象。自らの職務経験の再整理と各部門の専門性の強化。

IT活用、財務会計・予算管理、人事労務、マーケティング戦略、経営戦略他

国際ビジネス管理科

6ヶ月

豊富な職務経験を有する方を対象。海外や国内の国際部門で活躍できる人材を育成。

IT活用、マーケティング活動に関する技能及び関連知識、ビジネス英語、国際的な財務会計・分析、貿易実務他

流通システム科

6ヶ月

流通業界または物流業務に関心のある方を対象。生産管理、在庫管理、物流コスト等の効率的な社内流通の管理ができる人材を育成。

IT活用、マーケティングと情報管理、物流業界の最新テクノロジー、輸出入通関実務と関税関係法令等、ERPへの展開、リスク管理

ITシステム企画科

6ヶ月

企業内の情報システムに関心のある方を対象。業務効率の向上など現状業務における問題点の把握とその解決手法を習得し、担当する業務の情報化を利用者の立場から推進できる人材を育成。

IT活用、データベースを利用した顧客管理、企業経営と情報システム、業務データ分析、画面・帳票等のインターフェース設計、交渉力・プレゼンテーション力強化他

営業技術プロモート科

6ヶ月

企画力・営業力を高めたい方を対象。債務管理、採算管理とともにキャッシュフロー分析や統計解析によるデータ分析を学び、マーケティング戦略を踏まえた企画書作成の技能・知識を習得。

IT活用、与信管理、キャッシュフロー、債務管理、採算管理、売上予算計画表策定、コミュニケーション力、メーカー営業を主としたマーケティング戦略他

ビジネスクリエイト科

6ヶ月

中小企業における経営企画及び新事業・新分野進出に関心のある方を対象。キャッシュフロー経営、事業改善、事業継続戦略及び創業するためのノウハウ等、多様な形態でのビジネスプランの作成法を習得。

IT活用、データ分析、マーケティング知識・技能、創業・新規事業計画書の作成に関する知識、財務知識、経営戦略の基礎、就業管理・労務管理他

eビジネス管理科

6ヶ月

インターネットを活用してビジネス戦略モデルを展開する職務に就こうとされる方を対象。IT化によるビジネス管理の変革に対応でき、ITをツールとした新しい業務形態の構築、eビジネスの企画・立案ができる技能・知識を習得。

IT活用、ホームページの作成演習、WEBサイトの企画・提案、公開の手順、ネットビジネスの基礎知識、ネット利用のマーケティング調査、運営管理、戦略計画他

サービス企画科

6ヶ月

比較的職務経験の浅い方を対象。職業人としての基本的スキルを深め、とくに顧客対応に必要なサービスマインドを中心としたビジネスに必要なヒューマンスキルを高める。

コミュニケーション力、ビジネスコーチング、情報機器の活用、データ管理、顧客対応、サービス品質向上力、企画・プレゼンテーション力強化他

オフィスワーク スキルアップ科(仮称)

4ヶ月

事務職 への再就職を希望する方を対象。会社組織で働くために必須なコミュニケーションスキルや労務管理等の基本知識のほかに顧客指向とサービスマインドの知識を習得し、さらに業務改善が提案できるレベルまで実践力を高める。

IT活用、就業・労務管理、ビジネスコーチング、顧客対応力、マーケティングと情報管理、営業事務・販売在庫管理、問題解決技法、プロセス管理他

※受講料はすべて無料ですが、テキスト代は自己負担となります。

生涯職業能力開発促進センター「アビリティコース(離職者訓練)」で何を学ぶ?

■企業に採用されやすいスキルを学ぶ
企業が中途採用する場合、よく「35歳の壁」と言われます。本当にそうでしょうか?
同センター・能力開発部指導課専門役・奥田美都子氏は、「スキル次第です」とずばり否定します。「在職中ただ事務をこなしていただけという人は、確かに再就職の道は35歳にして狭まります。でも、マネジメント力などを身につけキャリア形成をしてきた方は、35歳以上でもしっかり再就職していきます。だからこそ、自信のない方にスキルアップをして欲しいのです。特に、最近増えた若い女性層は、スキル以前に社会的ルールを一から学ぶ必要があるケースもあります」

入所から修了まで“受講生の担任的存在”として受講生の相談に親身になって応える奥田氏に、受講してスキルアップして再就職できる女性の共通項を聞いてみました。
「ただ専門的なテクニカルスキルをいくら身につけても、就職に結びつくとは限りません。就職に結びつくかどうかは、『テクニカルスキル』だけでなく、人間力とでもいう『ポジティブシンキング(前向きな姿勢、切り替えの早さ、動機付けの強さ、やる気など)』と『コミュニケーション力』が備わっているかということが重要なポイントになっています。」
「どのコースにも、最初に12時間分のキャリア支援の講義を課して、その中で自己理解を徹底的に行い、6ヶ月間の活動計画表を各自に立ててもらいます。

キャリア支援の内容は大きく以下の3つになります。

■企業の採用担当者は面接時に中途採用者のどこを見るか
(平成15年度 職業能力の新たな方向性を探る研究会調査報告より抜粋)
企業の採用担当者、転職者、転職支援サービス(コンサルタントなど)、ハローワーク、離職者訓練関係機関などへのアンケート調査による

面接時の重要事項 良い評価 悪い評価
どうしてもこの会社で働きたいという意欲があるか 貢献したいという意欲があるか
* 会社の業務を調べている
* 長期間働くことを希望している
* 「当社と他企業を比較して、どのように感じますか」の問いに対して、当社について厳しい評価等を発言することは構わない。しかし、「自分ならこうする」という前向きな意見がある

*この仕事は好きか、好きなところを具体的に説明できる

目標が明確であるか
*将来のビジョンを明確に語れる(目標が明確かどうか)
*何でこの会社か、こういう場合どうしたいかなどを聞いた時の回答に熱意がある
*休日のことばかり質問する
* 何も質問しない
* 面接に遅刻する
* 履歴書の写真がぞんざいな写り
* 関係ない日本の経済の先行きや自分の得意な事柄についてとうとうと述べる
*意気込みが抽象的
*いろいろ突っ込んでいるうちに、志望動機が揺らいでしまうなど、一貫した主張の出来ない人
*「今の仕事は大変なんですか」と尋ねるとついぼろが出てしまう人
前の会社で成果・実績を出せたか 実績の裏づけのある知識・スキルがあるか
* 過去の経験の中からその会社・業務で役立つ要素を把握でき、それをアピールできる
* 過去の実績を実現できた理由をきちんと説明できる
* どういう仕事をして、どういう目標で取り組んできたかに答えることが出来る
* 「各商品分野の最新動向」「お客様にこんな質問を受けた場合、どのように対応しますか」などという質問でスキルを判断する

変化に臨機応変に対応できるか
* 過去にトラブルが起きたときにどのように解決できたかを説明できる
*「無理が利く人」。すなわち、お客様への対応等に応用が効き、ぎりぎりの要望に対してもきっちり対応できる人

コミュニケーション力があるか
*聞きたいことに対して的確に答えるか

顧客志向であるか
*顧客ニーズについてどう考えているか説明できる

率先性があるか
* とっさの行動(例:ゴミが落ちている、ドアが開いているのを見たとき)
* 前職で自分が何かを変革してきたかを聞く

心身のスタミナ・ストレス耐性があるか
*いじわるな質問にも顔色を変えない
*書類に記載してほしい情報が書かれていない












*目をあわせられない
*年下の面接官に対してフランクすぎる
*一方的に話し続ける(チームプレーができない人と思われる)






*体力的な無理がきかなそうな人
チームや会社に適応できるか 柔軟な考え方が出来るか
*変化を「見聞きし、感じて、どうするか考え、行動する」という一連のプロセスを自分でこなすことが出来る人

新しいことにチャレンジしたり学習したり出来るか
*業界全般について「このように変えていきたい」という意志があるかどうかをみる
*当社に入社することで、何を学ぼうとしているかをきちんと言える

誠実さがあるか
*面接官の質問を良く聞いている
*稚拙でも自分の言葉で話す・借りてきた言葉は使わない

自分の立場(市場価値・役割)をわかっているか
*給与などの面において途方もない要求はしない
*自分のやってきたことから「ここはできる」「ここはできない」を明確にできる

会社のカラーに合っているか、合わせられるか
*「企業の大きさ」「仕事の内容」「イメージ」が似ている企業の出身である
*自分の考えに固執している
*1つの物事について、「aにはbやcの側面もありますよね」と問いかけても「aにはaしかありません」などとがんばる人

*研修制度はどうですか?など聞く人は向上心に欠けると思う。自分で「自己啓発」をお願いしたい

*離職からの期間が長い、転職回数が多い
*転職歴に一貫性がない・目標が下方修正を繰り返したような経歴
*発言に一貫性がない
*きれい事ばかり話す

*自分の経験を強調しすぎる
*過去の給与が当社の水準より高い・ブランド意識にとらわれている・大企業出身
*「私が使っていた職員はそんなことなかった」などと表現する人や、椅子の座り方が横柄な感じの人

■取材協力をいただいた方

生涯職業能力開発促進センター 企画調整部企画調整課長 松山圭一氏
生涯職業能力開発促進センター 能力開発部指導課長 土屋芳之氏
生涯職業能力開発促進センター 能力開発部指導課 奥田美都子氏(左写真)

大学卒業後、伊勢丹に入社し、同期90名中女性ではTOPで係長に昇格。夫の海外転勤で退社しアメリカへ。駐在員の妻は働けないので大学で勉強、MBAの聴講をした。帰国後、国際機関に転勤後、外資系企業2社にヘッドハンティングされるが、指導員の試験に合格し、現在の機構に入ってこの1月で5年目となる。2児の母で、ワーキングウーマンとして、ミッション性の高い仕事と子育ての両立で苦労した経験を活かし、受講生の良きアドバイザーとして定評がある。