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このサイト内で再就職とは、結婚・出産・介護などでいったん離職し、一定期間のブランクを経て、再び就業により社会との関わりを持つことであり、主に企業等と雇用契約を結んで働くことを言います。
就業することは、就業先の規則や業務責任とともに、組織の一員としての社会的責任や人間関係など多くの制約や協力関係の中に身を置くことになり、多くの子育て中の女性にとって再就職は、それらと育児・家事との両立をどう行っていくかという問題を解決していくことが必要となってきます。しかし、働き方の選択肢は1つだけではありません。また子育て支援の環境も近年多様化してきています。自分の気持ちと周囲の状況を慎重に判断し無理をせず自分にあった働き方を選びましょう。
例えば・・・
- できるところからはじめる
- 子どもが学校から帰宅するまでの時間だけ就業する
- ブランクにより忘れかけてきた就業感覚を取り戻すため、慣らし運転として週3日程度働く
再就職をする場合、正社員(フルタイム)だけではなく、パートタイマーや契約社員、派遣社員のように短時間労働、曜日限定労働などの形態もあります。まずは短時間での就業をして、機会をみて正社員になるなど、子どもの成長にあわせて就業形態を変えていく女性も少なくありません。 ただし、これまでは正社員募集での年齢制限、採用条件(資格・スキル)などが壁となり、実際働きたい時期(年齢)に希望する就職先がないといった声も聞こえてきます。しかし雇用状況は絶えず変化していますので、就職先は見つからないものとあきらめずに再就職したいという気持ちを大切に持ち続けることも必要です。とともにメンタル面の悩みや不安を解決していくことも一つの方法です。例えば、『前職からのブランクが長すぎて社会復帰をする自信がない』という場合、 社会復帰する自信がないという主な原因には、主に @以前のスキルが通用しないのではという不安 A組織・人間関係に溶け込めるかという不安 B時間的制約があるのに仕事をこなせないのではという不安などがあります。 そこで、不安を一つずつ克服していくためにも、子育てなどのブランク期間を利用して、まず再就職をするための準備をする、あるいは自分のライフスタイル、人生 設計と照らし合わせて就業形態を変化させていく、その計画をまず立ててみることも再チャレンジをしやすくする方法ではないでしょうか。
再就職へのステップ(参考例)
再就職フロー |
不安・疑問・問題点 |
具体的なアクション |
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|---|---|---|---|---|
再就職したい |
どうすればいいかわからない 自信がない |
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業種・職種を考える |
自分に何ができるかわからない 自分に何が向いているのか どんな職業があるのか 経験や資格・スキルを生かせるか |
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就業形態を考える |
就業形態の違いがわからない 何時間勤務、週何日勤務がいいのか |
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再就職の準備をする |
現状の自分のスキルで大丈夫か 必要な資格はあるか |
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再就職活動をする |
どこで仕事を探すのか 面接は大丈夫か 就職活動中の子供は大丈夫か |
*就職活動の流れの再確認 *自分の条件を洗い出す *求人募集情報を収集する ⇒ハローワークインターネットサービス ⇒マザーズ・ハローワーク(全国12都市) ⇒パートバンク ⇒仕事情報ネット *求人募集に応募する *履歴書を作成する ⇒再就職の知恵袋パンフレット(東京都産業労働局) *職務経歴書を作成する ⇒職務経歴書の書き方(ハローワークインターネットサービス) ⇒再就職の知恵袋パンフレット(東京都産業労働局) *面接・採用試験を受ける ⇒再就職の知恵袋パンフレット(東京都産業労働局) *一時保育先を確保する |
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再就職先が決まる |
子供の預け先は大丈夫か 家族の協力は得られるか |
今回のテーマは… 『ワーク・ライフ・バランスを柔軟に考えれば、再就職の道は広がっていく』
講師 法政大学キャリアデザイン学部助教授 武石恵美子氏
■働き方をコーディネートする
働く女性の割合を年齢別に見た「女性の労働力率」のグラフは、通称M字カーブといわれるように、30代前半の出産・子育て期に労働力率は低下します。けれども、これに就業を希望している人の割合を加えた潜在的労働力率をみると、子育て期の割合が上昇します。子育て期は働きたいのに働いていない人が多いのです。

しかしこれには地域差があり、とくに子供のいる女性の有業率が高い(1)福井(2)山形(3)富山ではM字の谷がほとんどなく、逆にM字の谷が著しく低くなるのは(1)神奈川(2)奈良(3)大阪など大都市周辺となっています。
この地域差はなぜ起こるか。一つには、親世代と同居する割合が高い福井(37・6%)は、三世代同居率が低い神奈川(5・9%)より有業率が高い。つまり親との同居が子供を持つ女性の就業率を上げているといえます。ただし、福井県の「親と同居しない女性」の有業率(45.7%)は神奈川県の「親と同居する女性」の有業率(32.6%)よりはるかに高い結果になり、親との同居が女性の就業率を上げるのは地方では顕著ですが、都市部では必ずしも同居、非同居が就業率を上げる要因とは言い切れません。たとえば、都会の祖父母世代は個人的趣味をもち自分のやりたいことがあって必ずしも子育てに全面的に協力するライフスタイルになっていないこと、また地方ほどコミュニティで子育てをするという習慣が希薄なことも一因かもしれません。だからこそ、都市部のほうが社会的な保育サービスの充実が求められているわけです。また、神奈川・奈良・大阪のように大都市圏周辺に在住することは、通勤時間が長く両立が困難になるケースが多いと考えられます。東京の場合は、職住接近ということもあるでしょうが未婚女性が多いこともありM字型はさほどきつくは下がりません。
女性の有業率の高い地域と低い地域
女性の有業率の高い地域 |
女性の有業率の低い地域 |
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都道府県 |
子どものいる 女性の 有業率 |
女性の 有業率 |
合計特殊 出生率 |
都道府県 |
子どものいる 女性の 有業率 |
女性の有業率 |
合計特殊 出生率 |
福井県 |
72.6% |
67.8% |
1.47 |
神奈川県 |
43.9% |
53.8% |
1.17 |
山形県 |
70.5% |
66.3% |
1.39 |
奈良県 |
44.0% |
50.0% |
1.12 |
富山県 |
69.3% |
66.1% |
1.33 |
大阪府 |
45.5% |
53.5% |
1.16 |
石川県 |
68.7% |
67.1% |
1.31 |
兵庫県 |
46.7% |
52.9% |
1.20 |
島根県 |
68.3% |
65.3% |
1.40 |
北海道 |
49.3% |
56.7% |
1.13 |
合計特殊出生率は厚生労働省「人口動態統計」(2005)
注:「女性の有業率」は15-64歳の年齢層である。
女性にとって働くということは、結婚・家事・出産・育児をどう乗り越えていくかが大きな課題となります。だからといって、一人で完璧にこなすという概念から自らを開放していくことが必要です。たとえば、同居する親がいなくてもパートナーとのシェアを図る、充実してきた社会的サービスをフルに活用するなどして、自分の働き方、生き方をコーディネートしていくことがポイントです。ところが、責任感が強く仕事も育児も中途半端は嫌だという女性もいます。みんな完璧にはなかなかできませんから、順位をつけて、ある部分は中途半端でいいと割り切ることも必要ではないでしょうか。再就職をする場合、まずきちんと働ける環境を整えてから働くというのではなく、家族の協力を取り付けたり公的支援機関を上手に使い、自分のおかれている環境で可能な範囲を考え直してみるといいと思います。
■求められる人材、働く側の就業意識
労働力の需要サイドである企業側から言えば、再就職する女性をどう捉えているのでしょうか。企業にとって、正社員とは新規に採用して育成して将来の幹部候補生にするわけですから、期間をきらず定年まで勤めてもらうという長期的スタンスで見ています。ところが、いったん仕事をやめた人がブランクを経て再就職をする場合は、一から投資をするには困難ですから、ある程度即戦力になる人材、あるいは長期的キャリア形成に乗らずに短期的視点で必要なときに必要な仕事をしてくれる人材を求めています。そのため、再就職する人は長期的な育成からは外れてしまうというハンディはどうしてもあるでしょう。
働く側からの意識からすれば、いま日本の労働市場で一番の問題点は、『正社員』と『非正社員』に二極化しているということがあります。正社員は、安定しており処遇も高いですが、しかし拘束度も高く残業や転勤などもあります。一方で非正社員は拘束度は低いですが、処遇も正社員に比べて低いことが多いようです。再就職をする女性の場合、もともと育児や家事のために仕事をやめているわけで家庭責任がある人たちですから、拘束度の高い正社員という働き方をすすんで選ぶかというとそのハードルは高いといわざるを得ません。「フルタイムよりも、もう少し生活のバランスを取れる働き方を」と望むと、非正社員の道になるわけです。そういう働く側の生活上の制約から働き方を選ぶ事情と、企業側の人材確保に対するスタンスとがあいまって非正社員が増えてきているわけです。 |
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■ワークライフバランスの考え方
では、再チャレンジする女性にとって、仕事と生活のバランス(ワークライフ・バランス)をどのように考えればよいか。ここで、誤解されやすいのが、ワークとライフが天秤のようにつり合っていて50対50で始めてバランスがとれていると思う人がいます。それは間違いで、ワークライフ・バランスとは人の価値観や生き方ですから、ワークが100でもライフが100でもよいのです。そして、バランスは時と場合によって変化していくことが重要なのではないでしょうか。子どもが小さいときには生活が重要度を増し、成長するにつれて仕事に重点が移る。また、親が介護を必要とすれば生活にシフトする。そのように、「私のワークライフ・バランスはこれ」という決め方ではなく、そのときの状況でもっと柔軟に自由に考えてよいものです。 それも一人でバランスを取るのではなく、夫や家族の協力を得ながらということも考えておくと良いでしょう。
■はたして在宅就業はワークライフ・バランスを取りやすいか
ワークライフ・バランスを取りやすい在宅就業という働き方を選ぶ人もいます。在宅就業の場合、大きく二つの雇用形態があって、ひとつは企業と雇用関係があって在宅という安定した働き方ですが、再就業の方はおそらく独立、SOHO系で仕事があった場合だけ請け負うという働き方が多いようです。その市場はとても条件は厳しく、思うように仕事が得られないことが多いようです。また、スキルを要求されたり納期を厳守したりという社会人として当然の資質のほか、他の人より高品質の仕事をこなしていかなくてはなりません。
ワークライフ・バランスでみると、在宅就業は家で仕事ができるよさがありますが、多くの場合は仕事を断ると次がこないという強迫観念から仕事を断れないで請けてしまい、かえって仕事と生活のバランスが崩れることもあるようです。また、優秀な人ほど仕事が多くきて、オーバーワークとなってしまうケースもあるようです。一定の評価を得るまでは多少無理はするが、自分はどういう生活を目ざしていくのか確固とした意思がないとバランスを取るのは難しいでしょう。企業に勤める以上に、自制心やスキルを磨いていく向上心、計画性などいろんな技量を要求される働き方ではないでしょうか。
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■なかなか一歩が踏み出せない人へ |
ある出版社に再就職した女性が、前職を辞めて子育てに専念しているとき 「社会から取り残される感覚、ちょうど駅の最終列車がでるホームの、そこからも追い出されてしまったような疎外感を感じた」と話してくれたことがあります。耐え切れなくなった彼女は子どもが1歳になる前から就職活動を始め、たまたま家族欄がない履歴書でだして内定。後日子どもがいることがわかって、それだけの理由で内定を取り外すこともなく無事再就職したそうです。そういう気概がある、モチベーションをもって再就職をする女性もいます。自分が本当に再就職したいと思う気持ちが大切で、その気持ちが小さなチャンスを逃すことなく捕まえることにつながるのではないでしょうか?
■後悔するのではなく、他人と比較するのではなく、自分の納得のいく人生設計を
結婚や子育てで仕事をやめた人が辞めなきゃ良かったとか、辞めずに働き続けている元同僚をみて「きらきらしてていいな」と思うことはあるでしょうが、比べても仕方ありません。自分は別のすばらしいものを手に入れているのだから、臆すことはありません。同僚も捨ててきたものも拾ってきたものもあるわけですから、自分の選択にもっと自信を持っていいのだと思います。
バリー・シュワルツというアメリカの心理学者が書いた『なぜ選ぶたびに後悔するのか』という本があります。選択肢が多くなると後悔することが多くなると。現代人は、たとえばジーンズ1本選ぶにしても、一番いいものを買おうとすると買った後からもっといいものがでてきて後悔する。その心理学者の言葉を借りれば、人間には2種類いてマキシマイザーとサティスファイザーに分かれるといいます。つまり「誰よりもいい人生を送りたい」「誰よりもいいジーンズを買いたい」というマキシマイザーは、少しするともっといいものがでてきて選んだ結果を後悔する。サティスファイザーとは、とりあえず満足していればよいと思う人で、世の中の一番いいジーンズを買わなくても、とりあえず自分がいいと思うジーンズで満足する。
女性は結婚や出産など男性に比べ選択を重ねていくことが多いですが、仕事をやめたことも、そこでいったん選択したのだからさかのぼって後悔するのではなく、ここから自分が満足いく、あるいは納得のいく人生を作っていくと考えたほうがいいと思うのです。つまりマキシマイザーの後悔人生をやめて、ある意味でサティスファイザーの要素を取り入れていくべきだと思います。
■これからの再就職を考えるヒント
フルタイムの正社員といわゆる非正規パートタイム労働者が同じ仕事をしている場合、いまは100対60ほどの処遇の差があるといわれていますが、オランダやドイツでは両者に賃金格差がなくなる方向にあります。いま日本でも、均衡処遇という考え方で、同じ仕事をしていて将来的にも同じキャリアを積むであろうといわれる人が5%いるといわれ、同じ賃金制度にしていくという動きがあります。また、瞬間的には同じ仕事をしていてもキャリアが違う例、たとえばいまレジ打ちで同じ仕事ですが正社員はキャリアアップしていくという場合、パートの人が納得いく賃金体系にする努力をしていくという動きがあります。たとえば、パートの人が正社員になりたい場合、転換できる仕組みを、また能力に応じた賃金制度にする仕組みを、という均衡処遇を企業側に義務付ける法律が国会に提案される予定です。オランダなどヨーロッパでは、仕事に対する賃金相場があり、誰がやってもその仕事の賃金は同じなわけです。日本のように人に賃金がついている場合は、仕事+キャリアで賃金を考えるわけで、仕事の賃金相場を考えるのは難しいのですが、将来パートタイムの賃金格差は改善されていくでしょう。

再就職する女性はパートタイムが多いのですが、パートで入社しても優秀、やる気のある人なら正社員への転換ができるという企業がありますから、募集事項があまり要望に沿っていなくとも、トライしてみるといいでしょう。たとえば、入った後キャリアアップの仕組みがあるとか、パートでも正社員となって活躍しているとか、正社員にはならなくてもマネージャー的存在として仕事をしている先輩がいるとか、実際のパート人材の活用の仕方をみることで企業選びをすれば、再就職の道はもっと開けるのではないでしょうか。
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■取材協力をいただいた方 法政大学キャリアデザイン学部助教授 武石恵美子氏 |








