「共同参画」2020年10月号

トピックス3

すくらむ21の防災事業
川崎市男女共同参画センター

すくらむ21とは

神奈川県川崎市唯一の男女共同参画推進拠点として1999年に開館しました。「すくらむ21」の愛称には、「男女が手を取り、肩を組み、助け合いながら活動の輪を広げ、男女共同参画社会の実現する21世紀に」との思いが込められています。指定管理者の事業には施設管理・貸出も含まれ、近年の平均年間来館者は約15万人です。事業は施策事業と自主事業に分かれ、施策事業は調査研究、相談、情報提供、学習研修、交流・ネットワークの5基幹事業と、それを支える一時保育で構成されます。自前の調査実施から他の事業(イベント開催、市内各所への出前講座、冊子の制作・配布等)へ展開できる点が特徴であり、強みです。

防災事業

すくらむ21では、東日本大震災を契機に、女性の視点を盛り込んだ防災事業に力を入れています。市民参画を促すために、『防災冊子制作準備のプロジェクト』を立ち上げ、女性市民の参加を得ました。2013年に冊子が完成した後、その女性たちが市民グループを結成し、「JKB(女性の視点でつくるかわさき防災プロジェクト)」と名乗り、すくらむ21とともに防災講座の企画や出前講座の開催、防災訓練参加、防災・減災冊子の制作・配布、普及のための情報発信などに取り組んでいます。


市役所危機管理室との連携・協力

所管課である人権・男女共同参画室だけでなく、複数の部署との連携に努めています。東日本大震災後、防災担当の危機管理室との連携を強め、被災女性たちが集える居場所「避難者ほっとサロン」(月1回)を始め、現在も継続しています。防災分野では、女性リーダー養成の重要性が強調されながら、当市でも防災に関わる市民は男性が多いため、その重要性について理解を広げていく必要があります。課題の共有のために、市(危機管理室)と市自主防災組織連絡協議会主催で防災シンポジウムを毎年1月に開催しています。今年1月には、女性の視点からの防災に関する講演会、事例発表を実施しました。先駆けて前年8~10月に市内7か所(全7区)で市自主防災組織連絡協議会が主催する各区の自主防災組織リーダー等養成研修にて、防災女性リーダー養成研修プログラムを開催しました。


研修参加者からは、「男性中心だと女性が必要なものが分からないので、運営の中に入ってほしい。」(男性)、「運営は男性が中心だし、男性にまかせておけばいいという自分の意識を反省した。」(女性)といった声が聞かれました。所管課の理解と後押しを得て、防災部署との連携が実現させた事業でした。

防災・減災冊子の制作・配布

2013年3月に防災冊子を発行したシニア版は、大好評で増刷を重ねました。いただいた感想や意見を踏まえ、シニアが欲しい情報、見やすい文字や色合いなどデザイン面での改善点を把握しました。2020年2月に、シニア版の改訂となる「シニアシングル女性のためのサバイバル読本」を発行しました。全国紙に取り上げられ、全国から問い合わせをいただき、これまで約280名に送付しています。ニーズは確実にあり、掘り起こされているはずです。各所での取組に役立てば、と思います。


おわりに

すくらむ21では、「防災」を通じた男女共同参画の理解拡大を目指し、これからも市民とともに地道に取り組んでまいります。

詳しくはこちら!
すくらむ21
女性の視点を生かした防災への取組
【URL】 https://www.scrum21.or.jp/disaster_prevention/gender/

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