「共同参画」2020年7月号

特集1

「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」について
内閣府男女共同参画局推進課 暴力対策推進室

1. 経 緯

平成29年7月に性犯罪に関する刑法改正が行われましたが、その改正法において施行3年後検討規定が設けられました。これを踏まえ、法務省においてワーキングチームが立ち上げられ、性犯罪の実態等に関する調査を行い、令和2年3月31日にとりまとめが発表されました。

法務省が行ったヒアリングでは、刑法、刑事訴訟法等に関する見直しを求める声に加え、再犯の防止、被害者支援の充実、教育・啓発など幅広い取組を求める声もありました。このため、法務省において「性犯罪に関する刑事法検討会」(有識者会議)が発足(6月4日に第1回を開催)するとともに、性犯罪・性暴力対策全体については、橋本内閣府特命担当大臣(男女共同参画)の下、内閣府・警察庁・法務省・文部科学省・厚生労働省の局長級から構成される「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」を4月2日に立ち上げ、6月11日に、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を取りまとめました。

性犯罪・性暴力対策の強化の方針について(経緯)

2. 特 徴

今回取りまとめた「強化の方針」には、以下のような特徴があります。

  1. 被害当事者、支援者、有識者、地方公共団体等からのヒアリングや意見交換を重ねた上で策定しました。また、ワンストップ支援センター等を視察し、被害の状況や支援の取組について話を伺いました。
  2. 「強化の方針」とあわせて、橋本大臣のメッセージを出しました。政府の施策をまとめた文書に加えて、「強化の方針」に込めた大臣の想いや今後の取組への決意を示しています。
  3. 政治的にも重要なテーマとなりました。自民党、公明党の提言を受けるとともに、男女共同参画会議において内閣官房長官(議長)から「関係閣僚におかれては、『方針』に基づき、性暴力の根絶、二次被害の防止、被害者に寄り添った支援の充実に、連携してしっかりと取り組んでいただきたい」旨の発言もありました。

性犯罪・性暴力対策の強化の方針について(経緯)
一般社団法人Springの山本潤代表理事から要望書を受け取る
橋本聖子大臣と今井絵理子政務官

3. 概 要

政府は、令和2年度から4年度までの3年間を、「性犯罪・性暴力対策の集中強化期間」としました。「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」は、その第一歩として、今後の取組方針を示したものです。

刑事法の検討はもとより、被害者支援の充実、加害者対策、教育・啓発の強化等の総合的な対策としており、また、従来にない新たな取組を盛り込んでいます。

例えば、「ワンストップ支援センターを対象とした支援状況等調査」の結果(次ページ参照)を踏まえたセンターの抜本的強化や、生命(いのち)の尊さを学ぶ教育、性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないための教育として、「水着で隠れる部分は見せない、触らせないこと」「デートDV」等を盛り込んでいます。

また、方針の確実な実行に向けて、毎年4月を目途にフォローアップを行うこととしています。

性犯罪・性暴力対策の強化の方針(概要)

なお、「強化の方針」の決定に合わせて、男女共同参画局HPに、「性犯罪・性暴力対策」のページを設けましたので、ご覧ください。


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