「共同参画」2020年7月号

巻頭言

性暴力を、なくそう。

性犯罪・性暴力は、被害者の尊厳を著しく傷つける重大な人権侵害であり、決して許されないことです。その影響は長期にわたることも多くあります。

私は、大臣就任以来、性暴力被害の当事者や支援団体の方々からお話を伺い、被害の実態や深刻さに、心を痛めておりました。性犯罪・性暴力の根絶を求める被害者や関係者の切実な声を正面から受け止め、性暴力被害という理不尽をなくしていくための具体的な政策を、関係者の力を結集して進めていくことが、私に課せられた責務です。

このため、令和2年度から4年度までの3年間を、「性犯罪・性暴力対策の集中強化期間」として、政府の取組を抜本的に強化していくこととしました。そして、その取組方針として、6月11日、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を取りまとめました。性犯罪・性暴力の問題に強力に取り組んでいくための、初めての政策パッケージであり、政府としての決意を示したものです。

本方針には、刑事法の検討はもとより、被害者に寄り添った細やかな支援の一層の充実、加害者対策、生命(いのち)の尊さを学び、性暴力の加害者や被害者や傍観者にならないための教育・啓発の強化などを盛り込みました。「性暴力をなくす」、「二次被害を生まない」、「被害者をしっかりと支援する」。このことを、現場まで浸透するよう、関係機関が連携して、速やかに、集中的に実行していきます。


性暴力を、なくそう。


「性暴力はあってはならない」という認識を社会全体に広げながら、性暴力のない社会、誰一人取り残さない社会の実現に向けて、全力を尽くしてまいります。

国民の皆様のご理解とご協力を宜しくお願いいたします。

立教大学教授 萩原なつ子
内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
橋本聖子

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
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