「共同参画」2020年3・4月号

特集2

令和元年度国・地方連携会議ネットワークを活用した男女共同参画推進事業
内閣府男女共同参画局総務課

内閣府では、男女共同参画推進連携会議、同会議構成団体、地域版男女共同参画推進連携会議等とともに、男女共同参画を推進するため全国各地でシンポジウム等を開催しています。令和元年度は5件のシンポジウムを開催しましたので、ご報告します。

1.来たれ、リーガル女子!~女性の弁護士・裁判官・検察官に会ってみよう~

 女子中高生が進路を考える際の参考としてもらうため、弁護士、裁判官、検察官として活躍する女性法曹からその仕事内容や魅力を紹介するシンポジウムを開催しました。

 池田桂子氏(弁護士、愛知県弁護士会元会長)による基調講演と、法曹三者によるパネルディスカッションは、福岡県弁護士会、鹿児島大学、金沢弁護士会、早稲田大学大学院法務研究科にも中継されました。

 続くグループセッションでは、法曹三者の普段の生活、仕事の内容やそれぞれの職業のやりがいについて参加者から積極的に質問がされていました。

 このほか、会場入り口のロビーでは裁判や法曹の仕事に関するパネル展示が行われ、参加者は足を止めて展示を見ていました。

 参加者からは「話を聞いて、信念を持って働く姿をとてもかっこいいと思い、同じ業界に入りたいと強く感じた」、「法曹の仕事のイメージが変わった」などの声が聞かれました。


パネルディスカッションの様子


法曹三者と来場者の質疑応答の様子


司法制度に関するクイズのパネルや法服などの展示

2.「地方における大学、行政、企業の連携による多様な人材・活躍に向けて」

 地域の現状を踏まえた男女共同参画・女性活躍の課題を共有し、男女共同参画のあり方を産学官が共に考えるためのシンポジウムを開催しました。


上野千鶴子氏

 上野千鶴子氏(社会学者、東京大学名誉教授)による、男女共同参画の歴史と現状、今後の多様な人材の活躍のあり方についての基調講演に続き、産学官の各分野からパネリストが登壇し、自らの経験を交えてそれぞれの立場で行ってきた男女共同参画の取組や、男女共同参画社会実現の課題について共有されました。基調講演者の上野氏も加わり、家事時間の男女差や若い女性の県外への流出など島根県特有の課題に対し、産学官それぞれがどのように取り組んでいくか等について活発に意見が交わされました。 参加者からは「企業、大学、行政それぞれの立場からの話が聞け、多様性が求められる現場で参考になることがあった」、「データを使った説明がわかりやすかった」などの感想が寄せられました。



パネルディスカッションの様子

3.「男女共同参画社会の共創~生活者・企業・行政で創る九州/関西の未来~」

 市民と企業、行政それぞれの立場から地域の男女共同参画を展望するシンポジウムを、福岡と大阪を繋ぐリレー形式で行いました。

 内閣府より男女共同参画の現状についてデータを交えつつ説明したほか、それぞれの会場で企業や行政、議会、民間団体まで多様な立場のパネリストが登壇してパネルディスカッションを行い、男女共同参画の好事例の共有や男女共同参画社会の実現に向けた活発な議論が交わされました。

 参加者からは「企業・政治・若者など、様々な視点での話を聞くことができて良かった」、「男女の決めつけをせず、皆ができることを助け合いながら働いていきたい」などの声が聞かれました。


福岡会場でのパネルディスカッション


大阪会場での様子


会場には託児スペースも設けられました

4.「“生活を豊かにする”働き方改革講演会・交流会 ~働きやすい、暮らしやすい男女共同参画のまち“静岡”について考える~」

 生活を豊かにする働き方改革をキーワードに、多様な働き方・生き方を考えるシンポジウムが行われました。

 青野慶久氏(サイボウズ株式会社代表取締役社長)による、多様な働き方を実現する取組とそれを支える組織のあり方についての講演と、内田美紀子氏(株式会社るるキャリア代表取締役)による、静岡市内企業の働き方改革取組事例の紹介に続き、参加者によるワールドカフェ形式の交流会が行われました。交流会では様々な職種、年代の参加者同士がそれぞれの職場や生活の中で感じる課題を共有し、男女共同参画のために取り組むべき具体的な行動について活発に議論を交わしました。

 参加者からは、「ひとりひとりの経験や率直な意見を聞くことができ良かった」「今後も企業の取組を知る機会が欲しい」などの声が聞かれました。


青野慶久氏


内田美紀子氏


ワールドカフェの様子

5.「企業×女性起業家の取引促進イベント~ビジネスにも赤い糸ってあるんです~」

 女性のエンパワーメント原則(WEPs)の実践のため、女性起業家と企業の取引促進を目的とするイベントを開催しました。

 トークセッションでは、過去の本事業をきっかけに繋がった企業と女性起業家のコラボレーション事例を取り上げ、両者が協力に至るまでの経緯や協力の効果などを紹介したほか、様々な分野で活躍する全国女性起業家の事業を紹介し、今後のコラボレーションの展望などについて活発な発表がありました。また、新サービスや女性起業家と解決したい課題について、企業からプレゼンを行い、女性起業家にコラボレーションを呼びかけました。

 参加者からは、「起業する方法や起業家の悩みが聞けて良かった」、「女性起業家の活躍は、ダイバーシティの推進に留まらず社会課題の解決に繋がるビジネスを生むことに意義がある」などの声が聞かれました。


コラボレーション事例報告の様子


事業を紹介する女性起業家


企業からのプレゼンの様子

 内閣府と男女共同参画推進連携会議は令和2年度に本事業の対象を、男女共同参画推進に資する普及啓発用教材作成等の企画にも拡大して実施する予定です。

 

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