「共同参画」2019年8月号

トピックス1

「進路で人生どう変わる?理系で広がる私の未来2019」開催
内閣府男女共同参画局推進課

このシンポジウム「進路で人生どう変わる?理系で広がる私の未来2019」には、女子中高生やその保護者、学校の教員など、184名が参加、研究者、学生、起業家等、様々な分野で活躍している理系出身の先輩が登壇した他、理工チャレンジの趣旨に賛同する企業・大学等によるブース展示やワークショップも行われ、多様で豊かな理系の未来が紹介されました。

1.開会挨拶

まず、主催者を代表して渡辺美代子氏(国立研究開発法人科学技術振興機構副理事、内閣府「STEM Girls Ambassador」※)から開会挨拶があり、冒頭、「世の中は、女性の理系選択について、様々な誤解を持っている。」と理系選択の弊害になっている事柄について説明いただきました。また、「本日お招きした先輩たちは色々な分野からお集まりいただいています。このシンポジウムが、誤解や偏見なく本当にやりたいことを選んでいただく手助けになればと思います。」と本シンポジウムの趣旨について説明がありました。

※理工系女子応援大使(STEM= Science, Technology, Engineering and Mathematics)

2.基調講演

ズナイデン房子氏(日本マクドナルド株式会社上席執行役員CMO)と玉城絵美氏(早稲田大学創造理工学研究科准教授)のお二人に、「STEM Girls Ambassador トークセッション」と題して、理系選択の未来についてお話をいただきました。

ズナイデン氏からは、「理系を選択すると将来の選択肢が増える傾向にある。」「理系の知識・技術は専門性が高いから、代替可能性が低く職場で重宝される傾向もある。」「物事を理路整然と考える訓練ができるので、それにアート的な感覚をプラスできれば、新しい価値を世の中に送り出すこともできる。」とお話いただきました。

玉城氏からは、理系を選択した理由を交え、「必ずしも理系科目が好きだった訳ではなかった。」「日々、こんなサービスやモノがあれば世の中が便利になると思っていたが誰も作ろうとしなかった。」「それなら自分で作ってみようと思い、理系を選択し、起業するに至った。」とお話をいただき、お二人の掛け合いによるトークに会場は、興味津々といった様子でした。

保護者の参加も多かったことから、保護者へ向けて、ズナイデン氏から、「女性は自分のことを過小評価する傾向がある。」「どんな小さいことでもいいので、お子さんのことを褒めてください。」「自信を持つことで、運命を切り開く力になります。」と力強いメッセージがあり、玉城氏からも、「お子さんが後悔することがないよう、文理問わず様々な環境を見せて、選択肢を増やしてあげてください。」と語りかけました。

3.経験談発表・ホンネ座談会

続いて、様々な分野で活躍する理工系分野出身の先輩による「経験談発表」「ホンネ座談会」が行われ、理系進学を目指したきっかけや学生時代のお話、職業とそのやりがい等について紹介いただき、理系進学にかかわる興味深いエピソードを聞くことができました。

「学生時代から、色々なことに興味を持ち、何事にも取り組んでみて追求するタイプだったが、飽き性で、2、3年後には飽きてしまった。移り変わりの激しい業界の方が合っていると思い、現在はアプリやWebサービスの開発をしている。」

「学生時代から、色々なことに興味を持ち、何事にも取り組んでみて追求するタイプだったが、飽き性で、2、3年後には飽きてしまった。移り変わりの激しい業界の方が合っていると思い、現在はアプリやWebサービスの開発をしている。」

「特別理系が好きなわけではなかった。海外に行ったりして色々な経験をしているうちに、研究を通してモノづくりをしたいと思った。」

「小さい頃から科学館に行ったりして理系に興味があった。大学では、コウモリが超音波を発信し、距離を検知する仕組みに着目し、自動車の自動運転などに活用する研究をしている。わくわくする実験結果がでた時や学会で認められると楽しい。」

会場からは、進路選択に迷っている生徒や保護者の皆様から、学生時代にやっておくべきことや働く上で必要な考え方について質問があり、先輩たちからは、理系選択のみならず、社会人になる上で大切なことをお話しいただきました。最後に、登壇した先輩から、会場の皆様へ熱いエールが送られました。

終了後のアンケートでは、「理系に進んだ後の具体的なイメージが出来てよかった。」「登壇者が、面白そうとか興味があったことを仕事にしていて参考になった。」「理系に進むべき!ではなく、こういう道もあるよねという雰囲気でよかった。」といった感想が寄せられ、今回のシンポジウムで様々な学びがあったことがうかがわれました。

4.ブース展示・ワークショップ

内閣府男女共同参画局が中心となって取り組んでいる「理工チャレンジ(リコチャレ)」の趣旨に賛同する団体によるブース展示とワークショップが行われました。ブース展示では、17団体から仕事内容や取組、学校生活等の紹介が行われました。

ワークショップでは、3団体が参加し、ロボットプログラミングセミナー、おもちゃの構造を学ぶワークショップ、簡単な化粧品の実験などを実施し、多くの方にご参加いただき、みんな真剣に楽しく取り組みました。参加者のみならず、各企業等の担当者同士がネットワークを形成できる機会ともなり、今後の取組拡大につながる有意義な時間となりました。

当日の様子(動画)は、こちらをご覧ください。

http://www.gender.go.jp/c-challenge/video/index.html

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