「共同参画」2019年1月号

連載/その2

豊かな自然と心に出会えるまち・いの
いの町長 池田 牧子

いの町 町章

いの町は、平成16年10月、本川村、吾北村、伊野町が合併して誕生しました。

仁淀川と吉野川源流という二つの清流と、北は西日本最高峰の石鎚山に連なる美しい山々に抱かれた町です。7月からテレビで「風になりたい~」と歌いながら走る新型自動車CMのバックは、石鎚山系の町道瓶ヶ森線(通称UFOライン)です。東南部は温暖で、JRや路面電車、国道33号で高知市と繋がっている一方、中北部は広大な中山間地域で、特に北部の本川地区は、愛媛県西条市、久万高原町に接していて、冬はマイナス10度にもなり、南北の距離約80㎞、標高差1,000m以上という変化に富んだ町です。

いの町も地方の抱える課題はご多分に漏れずとなっています。人口減少、少子化、高齢化、過疎化、シャッター通りとなった中心商店街等々。就任してから2年目の平成30年度、それぞれ地域で異なる課題に対して縦割り行政から脱却し、横断的に取り組まなければならないという思いで、総合政策課を新設し、移住定住促進や、情報発信、少子化対策等プロジェクトチームを作り、課題解決に向けてスタートしています。男女共同参画も担当しております。

町の男女共同参画の取組は、平成16年度の男女共同参画条例の施行にはじまります。

平成26年3月には「第3次いの町男女共同参画プラン~誰もが互いにやさしく自分らしく輝けるまちへ~」が策定されています。

しかし、就任後に感じたことは形骸化しているということです。審議会等委員の男女割合や女性職員の管理職登用、育児・介護休業制度の普及などが盛り込まれているけれど、目標達成に至っておらず、検証も十分になされていないと感じました。

そんな中、平成29年10月、「女性の活躍が社会を変える~誰もが輝く社会を目指して~」をテーマにした、第5回全国女性町長サミットに参加する機会をいただきました。その時点で私を含め全国に7人という少数の女性町長のうち6人が兵庫県播磨町に集まりました。

平成28年4月に「女性活躍推進法」が施行され、女性活躍は転換期を迎えており、真に女性が活躍していくためには、働き方改革及び意識の変革、環境作りなどが必要であると確認いたしました。

男女共同参画社会の実現は、子育て支援、ワーク・ライフ・バランス、働き方改革及び男性の暮らし方や意識の変革、女性が活躍できる環境づくりが必要であると改めて認識しました。

このサミットが開催されることを機に、いの町では、女性議員、女性管理職及び女性中間管理職が集まり、女性活躍推進に関する意見交換会を実施しました。

「誰もが輝く社会」実現のためには、子育てや介護に対して支援の必要性や、男性職員の育児休業取得に、周りの意識改革の必要性があげられました。妊娠したら、夫妻のどちらが育児休業とるの?と自然に思えるようになりたいという意見も出、実効性のある取組はやっとこれからの感があります。

町長就任時、約2割であった女性管理職、議場にはわずか2人でした。平成30年度、女性管理職の割合を3割にすることができました。

また、男女共同参画の推進には、性別固定観念にとらわれず、女性の多様な働き方を実現させる制度の充実も必要であると考えています。

今年度、子育て支援策として、ファミリーサポートセンターの開設や、妊娠期から子育て期まで切れ目のない総合的な支援体制である「ネウボラ」に取り組みはじめました。

今後もさらに男女がともに働きやすい職場づくり、誰もが輝く社会を目指して取り組んでまいります。

執筆者写真
いけだ まきこ
1958年生まれ
1993年伊野町職員として採用(2012年3月退職)
2016年10月31日いの町長就任(1期目)
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