「共同参画」2018年12月号

トピックス

W20(Women 20)について
W20運営委員会事務局

2018年12月から1年間、日本がG20の議長国となり、6月の首脳会談をはじめ関係閣僚会議が開催されます。G20には、世界19か国とEUが参加しており、持続的成長と経済的安定のための新たな国際的な枠組みとなっています。

W20は、G20のエンゲージメント・グループの一つとして、2015年以降、民間が主体となって女性に関する政策提言を行う活動をしています。W20の提言はG20のコミュニケに反映されることを通じて世界の新たな経済秩序の形成に影響を与えます。また、国内対話、イベントの開催などを通じて、女性のエンパワメントに向けた問題意識や好事例の共有を行います。

2018年のG20議長国はアルゼンチンで、10月1日から3日まで、首都ブエノスアイレスでW20サミットが開催され、日本からは、W20運営委員会の目黒依子共同代表や黒田玲子委員などが出席しました。会期初日は、コミュニケのとりまとめに向けた丁寧な議論と合意形成が行われ、続く2日間は、労働における男女平等、農村地域における女性などをテーマとするイベントが一般参加者にも開かれた形で催されました。最終日には、2017年議長国ドイツ、2018年議長国アルゼンチン、2019年議長国日本の代表が共同でプレゼンテーションを行い、モメンタムの継続を誓うとともに、アルゼンチンのスサナ・バルボW20議長から同国のマクリ大統領に対し、コミュニケを手交しました。マクリ大統領から、ジェンダー課題への取組は決して後戻りしないという力強いメッセージが発信され、会場は大いに沸いていました。

W20では、労働、金融、デジタルの3分野が継続的な議論の柱となっており、議長国がもう一つ柱を設定することが慣例的に行われています。アルゼンチンでは、地方部が新たな柱となりました。コミュニケの主な内容は、以下のとおりです。

【労働】

・25by25の達成のための両立支援や無償労働の男女平等な分担
(2025年までに各国の男女の就労率の差を25%削減)
・非正規雇用による就業率上昇では、男女の賃金格差は縮小しない
・性暴力・セクハラ防止への取組の優先順位が高まっている

【金融(資金)】

・女性の経済的自立のためには、財産の所有・管理が重要
・女性起業家への投資が重要(世銀のWe-Fiなど)

【デジタル化】

・デジタル化は男女格差縮小のチャンスだが、デジタル格差が開いている
・女性へのSTEM教育の充実、デジタル技術の習得
・オンライン・ハラスメントへの対応

W20アルゼンチンの熱気は、日本に引き継がれ、11月20日東京にて、アルゼンチンから日本への議長国引継ぎの公式イベントが行われました。日本が議長国を務める2019年W20では、従来からの3本の柱に加え、これまでの議論内容を実践的に加速化させるためのガバナンスを重要な4本目の柱として据えることを提唱し、関係各国から大いなる期待をもって合意を得ています。

日本では、2019年3月23、24両日、東京で、W20サミットを開催します。政府主催のWAW!と合わせての開催となります。

W20運営委員会では、コミュニケのとりまとめに向けて、日本国内での様々な市民団体、ビジネスセクター等との対話を重ねるため、10月29日と11月29日に東京で、12月17日に大阪で、12月21日に仙台で集会を開催します。ご意見をたくさんいただいており、今後、日本としての案にまとめ、G20各国との調整を精力的に行っていきます。

世界の様々な国際会議で、女性のエンパワメントが大きなテーマになっています。日本で初めて開催するG20。世界各国との議論を通じて、また、W20サミットとWAW!の共同開催という大きなイベントの中で、女性の活躍、男女共同参画を通じた社会・経済的インパクトの実現に向け、大きな波をつくっていきたい、そして、それを東京だけではなく日本全国に広げていきたい、日本の取組を世界に発信するとともに、世界的な女性の課題に一丸となって取り組んでいくことで新しい富と成長のカタチを見出していきたいと考えています。

コミュニケドラフト会合(10月1日開催)
コミュニケドラフト会合(10月1日開催)

コミュニケ手交式(10月3日開催)
コミュニケ手交式(10月3日開催)

ハンドオーバーミーティング
ハンドオーバーミーティング

ハンドオーバーセレモニー
アルゼンチンから目黒依子共同代表、吉田晴乃共同代表へのハンドオーバーセレモニー(11月20日)


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