「共同参画」2018年11月号

取組事例ファイル/企業編

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組

一昨年「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言が公表され、現在190名を越える男性リーダーが本宣言に賛同しています。今月は4名の賛同者の取組を紹介します。

社内保育所でさらに働き易い職場を実現

2018年2月の西部技研イノベーションセンターの開設に伴い、従来開発本部が実験室として使っていた本社1階のエリアを改装し、5月に企業主導型保育事業として「はにかむ保育園」を開園しました。現在では社員の子供達9名に加えて、近隣企業からも5名の子供達を預かっています。預かり年齢は0歳から4歳までで、午前8時から午後6時まで自社の就業時間に合わせて開園し、昼食やおやつも自前の調理室で提供しています。さらに、社員を対象に初年度の保育料を無料にしており、対象者にとっては手厚い福利厚生となっています。

またここ数年の事業の拡大に伴い、女性社員も、新卒、中途共に、パート職も含めて積極的に採用しており、女性の職域も設計職、開発職、品質保証職、製造職と適宜拡大していますが、社内保育所を持っていることで、優秀な人材を採用でき、地元企業の中でより特色のある存在になっています。

また、2017年4月に管理職の女性1名が執行役員に昇進し、これにより経営会議のメンバー8名中、2名が女性になりました。女性メンバーが増えたことで、月次の経営会議そのものの論点が広がり、より活発な議論が行われ、アウトプットの質が向上しました。さらに2018年4月から新たに女性の管理職が2名誕生し、より重要な職務を担当していることは、後に続く女性社員にとって、将来のキャリアパスが広がり、非常に良い刺激になっています。

隈 扶三郎 株式会社西部技研代表取締役社長
隈 扶三郎 株式会社西部技研代表取締役社長


2018年5月1日に開園した「はにかむ保育園」
2018年5月1日に開園した「はにかむ保育園」


「はにかむ保育園」入園式での挨拶
「はにかむ保育園」入園式での挨拶


多様な人材への投資と育成

バンクオブアメリカ・メリルリンチでは、性別を問わず、社員の成長に投資し、多様で有能な人材を確保し育成することが当社の重要な使命と考えています。なかでも我が国特有の文化的背景を鑑み、女性社員の活躍を支援することの重要性を強く感じています。当社の取組みの一例として、約20名の女性社員を対象としたスポンサーシップ・プログラムは、2018年で4年目を迎えます。リーダーとして必要なコミュニケーション能力の向上やブランディング力の強化のためのワークショップ、ロールモデルとなる女性幹部社員との対話や、ESG※関連のボランティア活動等を通して女性リーダーの育成を図っています。同プログラム以外にも、メンター制度、社員ネットワークへの提携参加、海外拠点で開催されるリーダー育成プログラムへの派遣等、女性の活躍を推進する様々な施策を実施しています。

優秀な女性社員の採用にも注力した結果、新卒および中途採用に占める女性の割合は顕著に増加し、2015年度にはそれぞれ30%、40%であったものが2017年度には50%に達しました。また、フレックスワーク、ベビーシッター料金の補助、法定産前産後休暇に加えて2週間の有給休暇、10日間の配偶者出産休暇、15日間の家族介護休暇等、制度面の充実を図り、社員一人ひとりがより良いワークライフバランスを実現し、十分に能力を発揮できるようサポートしています。今後も多様な人材への投資、育成を推進し女性の更なる活躍を後押ししていきたいと考えています。

※ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取ったもの

瀬口 二郎 メリルリンチ日本証券株式会社 代表取締役社長 バンク・オブ・アメリカ・グループ 在日代表
瀬口 二郎 メリルリンチ日本証券株式会社 代表取締役社長 バンク・オブ・アメリカ・グループ 在日代表


日本から多数の女性社員が参加したWomen’s Conference(香港にて開催)
日本から多数の女性社員が参加したWomen’s Conference(香港にて開催)


女性活躍推進についてのオープンな対話の様子(社員ネットワークにて)
女性活躍推進についてのオープンな対話の様子(社員ネットワークにて)


ダイバーシティなくして 会社の未来はない

JTでは、会社の持続的な成長にはダイバーシティの推進が必要不可欠であると考え、ダイバーシティ推進を経営課題の一つとして位置づけています。

私自身は、JTに入社し12年以上を海外で勤務してまいりました。海外では、性別・国籍・キャリアを問わず、多様な人財のアイディアやアプローチ方法が活かされており、ダイバーシティがもたらす恵みを肌で感じてきた次第です。そのような経験を踏まえると、日本に拠点を置くJTでは、ダイバーシティの取組開始前の女性管理職比率が1.3%と、同時期の海外グループ会社の26%と比較して、かなり遅れている状況でした。そこで、2013年より本格的にダイバーシティ推進の取組を開始し、その第一歩として、女性活躍推進を掲げました。組織風土の変革や制度整備、キャリア支援等の様々な施策を展開した結果、マイルストーンとした2018年度末までに女性管理職比率5%という目標は1年前倒しで達成し、現在は5.9%となっています。

VUCA※の時代の中で持続的成長を遂げていくには、性別や国籍等のデモグラフィックなダイバーシティのみならず、経験・専門性など、異なる背景や価値観を尊重し、違いに価値を見出し、その多様な視点を組織や戦略に取り込んでいくことが益々必要であり重要であると考えています。

女性活躍推進から始まったダイバーシティに関する取組は、この数年で女性のみならず、様々な多様性をいかに活かしていくかという形に発展する中で、ダイバーシティなくして会社の未来はないと改めて実感しています。

※VUCAとは、 Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったもの。

寺畠 正道 日本たばこ産業株式会社代表取締役社長
寺畠 正道 日本たばこ産業株式会社代表取締役社長


入社式にて新入社員へ向け多様化の重要性を語る姿
入社式にて新入社員へ向け多様化の重要性を語る姿


多様な支社メンバーと全体会議後の懇親会での1コマ
多様な支社メンバーと全体会議後の懇親会での1コマ


働き方の選択肢を増やすために

本区では、保育所整備に代表される保育環境の拡充等、次世代育成支援に係る施策を区の最重要施策の一つとして重点的な取組を進めています。子育て支援施策等を推進する本区としては、区役所自らが、女性職員の職場環境の向上に向けた取組を実践していく必要があると強く認識しています。

毎週水曜日のノー残業デー及び毎週金曜日の20時半の一斉消灯、月1日以上の年次有給休暇の取得等を促しており、2016年度から会議等、職務に合わせた柔軟な勤務時間制度として時差勤務制度を導入しました。時差勤務制度については、導入当初から、特に女性職員から介護や子育てに利用できないかとの声があり、また、女性職員が活躍していくためには、様々な働き方の選択肢を増やすことが重要であると考え、現在試行・検証期間中ですが、2018年8月から、介護や子育て以外の自己都合による時差勤務制度を認めています。

さらに、女性職員の昇任意欲を醸成させ、キャリアプランを作成する上で参考となるよう、女性係長等との座談会等の研修を実施しています。

女性職員への直接的な働きかけではありませんが、職場環境の向上に向けて、男性職員に対する育児支援を高めるため、配偶者が出産する際の男性職員の連続5日以上の休暇取得を勧奨しています。

こうした取組を通して、女性職員の活躍を推進することが質の高い区政運営につながり、さらには、文京区地域全体で女性の活躍推進の機運が醸成され、活力あふれる豊かな地域社会に結実していくと考えています。

成澤 廣修 文京区長
成澤 廣修 文京区長


子供と一緒に出勤して働く社員


リフレッシュコーナーに掲示されている「働くお父さんのためのパパプログラム」
リフレッシュコーナーに掲示されている「働くお父さんのためのパパプログラム」


内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)
法人番号:2000012010019