「共同参画」2018年11月号

連載/その2

地域における女性の活躍推進⑲ 女性の力で地域の課題を解決する
内閣府男女共同参画局総務課

今回は、平成29年度・平成28年度補正「地域女性活躍推進交付金」から2事業を紹介します。

○「森林女子」就業促進モデル事業(徳島県)

本県では、森林・林業からの地方創生の実現を目指している一方、高齢化により新規就業者の確保・育成が最大の課題となっています。近年、林業現場では機械化が進み、女性の活躍も大いに期待できるようになりましたが、山林の中での労働環境の改善が課題となっています。このような課題解決に向け、「『森林女子』就業促進モデル事業」として、「女性が働きやすい環境づくり」及び「林業現場体験会」を実施しました。

 「女性が働きやすい環境づくり」では、林業における女性ならではの課題の掘り起しやネットワーク作りを行ったほか、林業現場体験会参加者との意見交換を行いました。また、「林業現場体験会」では、女性に限定した体験ツアーを実施し、女性や若者が働いているモデル事業体での「森林女子」の活躍の視察や林業現場における作業体験を行いました。当該ツアーへは、県内外から12名が参加し、参加者から林業即戦力の養成機関である「とくしま林業アカデミー」への入学者が出たほか、県内林業事業体への就業促進や目標である30名の新規林業就業者の達成という成果となりました。今後も更なる就業者増を目指し、アピール活動の実施や、就業環境の改善に取り組んでいくこととしています。

「林業現場体験会」における視察と作業体験(徳島県)1

「林業現場体験会」における視察と作業体験(徳島県)2

「林業現場体験会」における視察と作業体験(徳島県)3
「林業現場体験会」における視察と作業体験(徳島県)


○女性農業者がいきいきと働く環境整備事業(福岡県)

女性農業者は農業就業人口の半数を占め、農作業や農村生活の重要な担い手となっていますが、機械や作業着など、女性向け製品が少なく、不便を感じることも多い状況となっています。本事業では、県内企業との連携によって女性農業者が働きやすい環境を整えるプロジェクト「アグレディ」として、企業のノウハウと女性農業者のアイデアによる商品開発プロジェクトを発足し、女性農業者のニーズに応える新商品の検討・開発を行いました。

商品開発に当たっては、女子学生を加えた検討チームを結成、女性農業者のニーズに若い世代の発想を加えて商品コンセプトを検討しました。その結果、本年度は「保湿石けん」「足軽サポーター・5本指ソックスセット」の2商品が開発され、また、農業機械及び農作業着の商品化や改良に向けたコンセプトが作成されました。これらの取り組みは、JAあぐりフェスタ、女性農業者の大活躍大会、福岡県農林水産まつり等でPRされたところです。本年も引き続き、女性が扱いやすい農業機械、草刈機、女性向け農業用品の開発に向けたプロジェクトが進行しており、女性農業者だけでなく、農業者全体の作業環境の改善にもつながることが期待されているところです。

商品開発チーム会合、報告や情報交換の様子、商品の発表様子(福岡県)1

商品開発チーム会合、報告や情報交換の様子、商品の発表様子(福岡県)2

商品開発チーム会合、報告や情報交換の様子、商品の発表様子(福岡県)3
商品開発チーム会合、報告や情報交換の様子、商品の発表様子(福岡県)


○交付金事業による取組の詳細はHPをご覧ください。

http://www.gender.go.jp/policy/chihou_renkei/kofukin/h29/jisshi_h29.html

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
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