「共同参画」2018年9月号

行政施策トピックス1

「進路で人生どう変わる?理系で広がる私の未来2018」の開催について
内閣府男女共同参画局推進課

平成30年6月24日(日)、日本科学未来館にて、内閣府・文部科学省・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)主催のシンポジウム「進路で人生どう変わる?理系で広がる私の未来2018」を開催し、女子中高生やその保護者、学校の教員、約260名が参加しました。本シンポジウムでは、ピアニスト、学生、起業家等、様々な分野で活躍している理工系出身の先輩をお招きした他、理工チャレンジの趣旨に賛同する企業・大学等によるブースも展開し、多様で豊かな理工系の未来を紹介しました。

1.開会挨拶

まず、主催者を代表して渡辺 美代子氏(国立研究開発法人科学技術振興機構副理事、内閣府「STEM Girls Ambassador」)から、「なぜ、理系に進みたい女子は悩みが多いのでしょうか。それは、『理系を選択した後にどのような未来があるのかわからない』自分の将来を想像できない、という理由ではないかと考えました。本日お招きした先輩たちは色々な分野からお集まりいただいています。皆さんにも理系進学の先にある限りない可能性を感じていただければうれしく思います。」と力強い挨拶がありました。

2.基調講演

中島さち子氏(ジャズピアニスト、東京大学大学院数理科学研究科特任研究員、㈱steAm代表、内閣府「STEM Girls Ambassador」)から、「21世紀に必要な創造力とは?~数学と音楽の視点から~」と題して基調講演をいただきました。講演の中で、「21世紀の傾向の一つとして業界の境界線がなくなってきている」「文系理系という分け方もなくなってくるのではないか」「AIの進展により、今まで無かった職業ができてくる」等、こうした変化によって、今まで正しいと思われていたことが通用しない時代が到来すること、数学を含め複数の分野で知識を深めることが必要となること、それらを掛け合わせることによって、新たに生み出される創造力が大切になってくることをお話しいただきました。

シンポジウムの様子


その他にも、数学を応用したマジックやミニコンサートを交えて、数学の楽しさについてもお話しいただきました。特にミニコンサートでは、会場から五つの音をもらい、その音を用いて即興で曲を作り演奏すると、来場者から大きな拍手が沸き起こり、異分野との融合を体現されていました。

シンポジウムの様子


3.経験談・ホンネ座談会

続いて、様々な分野で活躍する理工系分野出身の先輩による「経験談」「ホンネ座談会」では、理系進学を目指したきっかけや、学生生活、職業とそのやりがい等についてご紹介いただきました。「人工的に流れ星をつくる会社をやっている。宇宙が好きで、分からないことが多い宇宙を知るために理系の学問である天文学を選んだ。理系の知識が役に立っている。」「8歳からウェブサイトやプログラミング、パソコンを作っていた。パソコンについて学んでいくと、数学・英語・電気の知識が必要になった。好きなことをやっていたら進路先がたまたま理系だった。」等、理系進学を目指した興味深いエピソードを聞くことができました。

シンポジウムの様子


また、会場からは、進路選択に迷っている中高生や保護者の皆様から、勉強方法や悩み等についての質問があり、先輩たちからは熱いエールが送られました。

終了後のアンケートでは、「理系にこんなにたくさんの選択肢があることを知り、視野が広がった」「理系の未来は広がっていると改めて感じることができた」「音楽と数学に関係があることに驚いた」といった感想が寄せられ、今回の交流で様々な学びがあったことがうかがわれました。

シンポジウムの様子


4.ブース展示

ブースには、男女共同参画局が中心となって取組んでいる「理工チャレンジ(リコチャレ)」の趣旨に賛同する団体22団体が出展し、各団体における取組やリコチャレイベントの紹介を行った他、先輩との交流や、ロボットやコンピュータによるデモンストレーション等もあり、多くの来場者に科学技術や理工系の職業に触れていただきました。ブースを回って情報収集したり真剣に経験談を聞いたりする熱心な姿が多く見られました。

シンポジウムの様子

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
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