「共同参画」2018年3・4月号

取組事例ファイル/団体編

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組

平成26年に「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言が公表され、現在160名を超える男性リーダーが本宣言に賛同しています。今月は4名の賛同者の取組を紹介します。

社員一人ひとりの「夢だらけ」な人生を目指して

かんぽ生命では、経営方針の一つに「社員一人ひとりが成長でき、明るく生き生きと活躍できる環境をつくります。」と掲げています。

この方針の実現のためには、社員一人ひとりが、ワークとライフの双方で成長することを通じて自己実現を図り、当社の社員であることに誇りを感じ、働きがい・やりがいを高めていくための取組、即ち「働き方改革」が必要だと考えています。

その中の取組の一つである「女性活躍の推進」については、育児休業、育児部分休業、介護休業、配偶者出産休暇等、充実した制度の下、それらを積極的に利用していただくための意識付けを行っています。この取組は、育児・介護等、時間制約のある社員でも十分に能力を発揮していただくために必要不可欠なものであると考えています。

また、女性社員に対し、キャリア形成の機会を設けるために、30代前半からキャリア形成を主体的に考えさせる「キャリアデザインセミナー」、マネジメントスキル等の付与を目的とした「次世代リーダー研修」、管理者登用後においても、悩みや不安を払拭するための「メンタリング」等、計画的な育成を行っています。

今後とも社員一人ひとりが多様な能力を発揮することで、個人と組織双方の成長につながることを目指して取組を加速し、企業スローガンである社員の「夢だらけ」な人生をサポートしてまいります。


植平 光彦
株式会社かんぽ生命保険
取締役兼代表執行役社長


「次世代リーダー研修」の様子


ロールモデルとなる女性社員による講演

ジェンダー平等という世界の重要な問題の解決に取り組む

PwCは「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことを存在意義としています。急速に変化する社会情勢の中で、多様なクライアントのニーズを的確に捉え、複雑化する重要な課題を解決していかなくてはなりません。そのためには、一人ひとりが自分らしく、能力を最大限に発揮できるインクルーシブな文化の醸成が重要だと考えています。

PwC Japanグループ(PwC Japan)ではトップマネジメントが定期的に集まり、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)について議論し、必要なアクションの決定や進捗のモニタリングをしています。特に、在籍職員の3割以上を占める女性の活躍推進は力を入れており、女性リーダーパイプライン強化の為の「スポンサーシップ制度」、「若手女性向け研修」等を実施しています。また、D&Iの様々なテーマについて学び、1人ひとりの行動を促すことを目的とした『Inclusion Café』を毎月開催しています。

この他、D&Iを社外にも広めていく活動として注力しているのが、国連機関のUN Womenが提唱する、ジェンダー平等の実現に向けた世界規模の活動である『HeForShe』の推進です。PwCは推進企業として選出され、賛同しています。社内イベントや社外セミナー等を開催する他、特設ウェブサイト※を開設し、その中でアンコンシャスバイアスのeラーニング研修を提供しています。

一人ひとりが輝ける環境を整備し、クライアントや社会の重要な課題解決に貢献していきます。

※特設ウェブサイト:https://heforshe.pwc.com/groups/japan


木村 浩一郎
PwC Japanグループ
グループ代表


PwCで開設した『HeForShe特設サイト』で提供するアンコンシャスバイアスE-Learning研修


『Inclusion Café』にて、自分の取るべきアクションを掲げる参加者達

支援型職場風土の醸成を通じての女性活躍推進

三州製菓では、女性の能力を引出し活かすことが会社の発展に寄与すると考え、ダイバーシティ経営を実践しています。

ダイバーシティ経営の「制度」をつくっても活用されないこともあることから、当社では、支援型職場風土の醸成を推進しています。その為に「一人三役」「一善活動」等を行い、助け合いとお互い様の役立ちあう職場風土をつくって参りました。「一人三役」では自分の仕事以外に2つ以上のスキルを習得し、周囲の急な休みにも対応できるようにして、育児や介護中の従業員が安心して勤務を継続できるようにしています。

両立支援では「短時間勤務」「フレックス」「正社員登用」「ジョブ・リターン」等の制度拡充や「女性用機械の開発」など働き方の選択肢を増やし多様な働き方が出来る環境を整備しています。また、「ノー残業デー」「残業削減」「有休消化100%」を奨励し、従業員のワーク・ライフ・バランスを支援しています。

女性活躍を推進した結果、女性の従業員比率が70%以上となっています。そして、女性役員(比率50%)と女性管理職(25%)が経営会議に参画しています。また、全員女性の企画部門では、米菓製造の枠を超えた新しい発想で、当社売上全体の15%を占める「パスタ・スナック」というヒット商品を生み出しました。

今後の目標は、2020年までに女性管理職比率を35%にすることと、女性の更なる職域の拡大を目指して参ります。


斉之平 伸一
三州製菓株式会社
代表取締役社長


全員女性を配置した商品企画室の打合せの様子


店舗の商品レイアウト等を助言する女性営業社員

経営の重要課題としてのダイバーシティ推進

JFEグループは鉄鋼、エンジニアリング、商社の3つの事業を中心とした企業グループです。当社グループでは、すべての人材がその能力を最大限発揮できる環境を整えるべく、2015年4月に「JFEグループ人材マネジメント基本方針」を制定し、ダイバーシティの推進を経営の重要課題の一つと位置付け、女性の活躍を推進する様々な施策を展開しています。

施策を着実に実行するため、各事業会社にダイバーシティ推進室を設置し、同室を中心に階層別研修や女性従業員同士の交流会などの啓発活動を行っています。製鉄所の製造現場でも女性の採用を積極的に推進し、設備や作業補助具の改善など作業負荷軽減の取組を進めてきた結果、高齢者をはじめ、男性従業員にとっても作業効率の向上に寄与するなどの成果も出始めています。また、子育て世代の活躍を支援するために、両立支援制度の充実に加えて、企業内保育所の整備も進めています。女性従業員の管理職登用に関しては、JFEグループで2020年に女性管理職の人数を2014年度比で3倍とする目標を設定しています。

さらに、女性の活躍を推進する上では働き方の抜本的な見直しも不可欠です。現在、JFEグループでは、高い生産性で新たな価値を創造しながら、従業員一人ひとりが仕事に誇りと働きがいを感じられる働き方改革を進めています。在宅勤務制度、定時退社日や有給休暇取得奨励などの施策を充実させるとともに、システム化の推進やICTの活用を中心とした業務改革も進めています。

今後も、女性の更なる活躍を推進するため、取組を継続的に実行していきます。


林田 英治
JFEホールディングス株式会社
代表取締役社長


横浜の企業内保育所


製造現場で活躍する女性従業員

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