「共同参画」2017年12月号

連載 その2 女性首長から

一人ひとりが輝ける“愛でつながる北杜市”へ
北杜市長 渡辺 英子

北杜市市章

山梨県の北西部に位置する北杜市は、日本百名山に囲まれ、世界文化遺産である富士山を望むことができる素晴らしい山岳景観に加え、国蝶オオムラサキも日本一の生息数を誇ります。また、市内には3つの日本名水百選があり、ミネラルウォーターの生産量、日照時間もそれぞれ日本一と、自然環境に恵まれた文字どおり「山紫水明」の地といえます。

この豊かな自然環境から作られたおいしいお米や安心・安全な野菜、果物などの食べ物、そして心を癒してくれる美しい自然景観、これらすべてが「健康」に始まり「幸せ」につながると考えております。

さらに、市内には美術館、図書館、資料館などが数多くあり、「一流」の作品を身近に触れることもできます。

この恵まれた環境の中で、私たちは、一人ひとりがお互いに人権を尊重し、心豊かな、ほほえみにあふれた未来に輝く杜「ほくと」を築き、次世代につなげることを目指し、平成23年11月に男女共同参画都市宣言を行いました。

宣言が行われてからも、女性が立ち上がるにはまだまだ難しさがあります。私は、女性活躍の道を次世代につなげたい、自分が活躍すれば女性を見る目が変わる、との強い思いから、市長選出馬を決意しました。市民からも女性ならではの細やかな目線での政策に期待する声もあり、平成28年11月に山梨県内初の女性首長として北杜市長に就任することができました。このことは、山梨県でも女性の活躍が望まれていることの表れであると感じ、その先駆けとなれたのではないかと思います。

私が市長になり、まず取り組んだこととして、「働く人・働きたい人」にとってより魅力ある市となるべく、県内の自治体では初となる「イクボス宣言」を行いました。市が率先してワーク・ライフ・バランスを考え、結婚、妊娠・出産、子育て、介護を社会全体で支え、市民一人ひとりがより充実した暮らしを育むことができるよう、取り組んでおります。

今、あらゆる分野での女性の活躍が叫ばれ、「女性が輝く日本」へ向けた政策も打ち出されている中で、女性の活躍促進は市にとっても重要な課題であり、女性が発言しやすく活躍できる場を、あらゆる場面で数多く創設していくことが必要であります。

そのような中で、今年度、北杜市内の企業の連携強化と地域振興を目的として設立した「北杜市企業交流会」と連携し、「就活女子会」を開催しました。

「就活女子会」は、「はたらく」をキーワードに、これから働きたい女性と現在市内で働いている女性が働き方や子育てとの両立など、ライフスタイルに合わせた働き方について気軽に話をする場です。就職活動中の女性の不安を少しでも取り除き、女性が活躍できる場所や働き方を見つけるきっかけとなってほしいと願っています。

また、安心して子育てができる環境を整えるため、子育て支援住宅の整備や子育て世代包括支援センターを開設するなど、子育て支援の充実にも力を入れております。

今後も、女性目線で誰もが活躍できる、優しく思いやりのある市政の推進、「市民一人ひとりが輝ける“愛でつながる北杜市”」の実現に向け、邁進してまいります。

執筆者写真
わたなべ・えいこ/1946年生まれ/元山梨県教職員/平成15年より長坂町議会議員/北杜市合併後は市議会議員(平成25年より議長会会長)/平成28年11月に山梨県内初の女性首長として北杜市長に就任/座右の銘「真実一路」
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