「共同参画」2017年11月号

取組事例ファイル/団体編

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組

一昨年「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言が公表され、現在150名を超える男性リーダーが本宣言に賛同しています。今月は4名の賛同者の取組を紹介します。

一人ひとりが活躍できる環境づくり

ラーニングエッジ株式会社は、「人々が価値ある情報、知識、智慧を持つことにより、より豊かで幸せな生活を実現できる手助けをすること」というミッションのもと、世界トップクラス・本物・本質的な学びをセミナーや研修を通じて、ビジネスパーソンにお届けしています。社員に対しては、生涯働ける場所にする(従業員が最重要資産)ことを大切にしています。

特に女性の場合、結婚・出産といったライフイベントに伴い、働き続けるか否か、迷いが生じるところではありますが、結婚・出産を経てもまた戻って来たくなる職場づくりを目指しています。

そのため、本人の希望する働き方を尊重することはもちろん、社員一人一人が「会社を良くする」というマインドを持ち、活躍できる環境をつくることを心がけています。現在は、時短勤務をしながら活躍する女性リーダーが誕生したり、育児休業から戻ってきた社員も活躍しています。

2014年からは、フレックス制度を設けることで、勤務時間に柔軟性を持たせ、子育て中の社員は、保育園の時間にあわせて出社、退社をしています。その他の社員も、夜の予定を入れやすくなり、自己研鑽のための時間に使うことができています。また、育休明けの社員には、理解のある子育て経験のある女性上司をつけることで働きやすく相談しやすい環境も作っています。女性活躍推進に向けた取組はこれからのところも多いですが、様々なロールモデルを作りながら、お互いが助け合いながらも、高め合える精鋭集団を作っていくことを考えております。


清水 康一朗
ラーニングエッジ株式会社
代表取締役社長


「マーケティングブレークスルー集中講座」の様子


お客様の良きアドバイザーとしてセミナー中に活躍する女性社員

全ての社員にとって「働きやすい、やりがいのある会社」を目指して

SCSK株式会社では、経営理念「夢ある未来を、共に創る」の実現のため、「働きやすい、やりがいのある会社」を目指し、社員一人ひとりの個性や価値観、夢を尊重し、互いの力を最大限に活かしていくための基盤となる「働き方改革」に力を入れてきました。

働き方改革においては、年次有給休暇100%取得、月間平均残業時間20時間未満に挑戦する全社活動「スマートワーク・チャレンジ」を2013年から開始。残業を大幅に削減し、2016年度は17時間47分と目標を達成。有給休暇取得率も95.3%と目標達成が目前の状況です。

2016年度からはさらなる働き方改革推進のため、自席を前提としない、リモートワーク環境の整備をはじめとした「どこでもWORK」を開始しました。管理職を含めたリモートワークの実施目標設定や実績に応じたインセンティブ制度も整備し、組織的取り組みを促進しています。これらの施策により、女性が活躍する上で障害となっている長時間労働を改善し、家族の病気や介護など突然の事態に直面しても、組織と個人のパフォーマンスを可能な限り維持できる組織・基盤づくりを進めています。

働き方改革とともに、女性活躍推進のため、「2018年度までに女性ライン職100名」の目標を設定し、課長候補者へ最長3年間の育成プログラムを実施しています。2017年度には女性ライン職は75名となり、2012年度比で約6倍となりました。男性上司に向けた多様性マネジメント研修や、全社員に向けた啓発研修なども実施しており、より広義なダイバーシティの実現に向けて取組を継続していきます。


谷原 徹
SCSK株式会社
代表取締役 社長執行役員


働き方改革の成果


どこでもWORK

女性の無限の可能性を引き出す

株式会社イトーキは、お客様のワークスタイルに即したワークプレイスとソリューションをご提案することで、昨今の働き方改革という課題に対しお手伝いをさせていただいております。お客様の潜在的ニーズを引き出し課題解決に導く、それら一連のプロセスを私たちは「デザイン」と呼んでおり、ミッションステートメントとして『明日の「働く」を、デザインする。』を今年発表いたしました。私たちが目指す姿でもあり、常に立ち戻る原点でもあります。

働き方改革に取り組む企業が増えるなか、ワークプレイスやソリューションに女性の意見を取り入れることは、今後人財の流動化と多様性が進むにつれ一層広まっていくでしょう。そのためにも女性の視点は提案する側としても必要なことであり、社内の女性の成長支援や活躍推進には力を入れて取り組んでいます。「ダイバーシティ推進室の設置」、「新しいワークスタイルの促進(テレワークの活用)」、「育児・介護休業制度の改定(評価の柔軟性)」、「全国女性営業×社長ミーティングの開催(課題解決の施策展開)」、「選択型ビジネススキルアップ研修への女性参加促進」、「産休・育休者キャリア支援面談」など様々な取組を開始しています。

女性が仕事のみならずあらゆる分野において能力を発揮していくことは、企業にとっても理想の姿であり、ひいては「社会の元気」にもつながると考えています。今後も女性の無限の可能性を理解し引き出しながら、常に社会に貢献できる企業であり続けていきます。


平井 嘉朗
株式会社イトーキ
代表取締役社長


産休・育休者キャリア面談の様子


全国女性営業×社長ミーティングの様子

育児世代が活躍できる環境づくり

当社ではこれまでも、女性社員の積極的な採用・キャリア研修の実施や両立支援制度を通じ、育児世代が活躍できる環境づくりに取り組んできました。

その一環として、同じ赤坂に事業所を持つ、TBSテレビ、博報堂DYメディアパートナーズと共同で、社員の復職支援と地域への貢献を目指し、2018年4月に事業所内保育所「はなさかす保育園」を設立することと致しました。現在、開園に向けて準備を進めているところです。

本保育園は、多様な勤務体系の社員が、子育てをしながら安心して仕事を続けられるようサポートすることに加え、子どもにとっても質の高い、安心できる保育を提供します。また、自社で保育園を設けることにより、子育て経験の有無に関わらず、多様な視点や価値観に触れる社員教育の場として、相互理解、ダイバーシティにつなげていきます。

また2011年より継続して、育休中の社員を集めたワークショップ「MAMA UNIV.」を開催しています。既に復職を遂げている“先輩ママ”も参加することで、社員間の「タテ・ヨコ・ナナメ」の関係構築に寄与。育児の情報や悩みを共有する“同志”から、復職後は“仕事仲間”へ発展するなど、社内における女性活躍推進の端緒となっています。

復職後も、「病児保育料サポート」「家事代行・介護サポート」といった諸施策により、ワークライフバランスの観点からも、それぞれの社員の「新しい働き方」を支援しています。

今後も様々なバックグラウンドを持つ女性社員が、個性や能力を最大限発揮できるよう、「働きがい」と「働きやすさ」の両輪によるサポートをより一層進めてまいります。


水島 正幸
株式会社博報堂
代表取締役社長

はなさかす保育園ロゴ


子どもたちはもちろん、保護者、各社社員、地域の方々との交流にも活用できるフリースペース

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