「共同参画」2017年8月号

取組事例ファイル/自治体編

和歌山県

和歌山のパパイクプロジェクトPAPAMO

和歌山県は、6歳未満の子を持つ男性の家事育児時間が全国最下位(H23年総務省「社会生活基本調査」)。就業時間、通勤時間とも全国平均より短いことから、和歌山県の男性は自宅に居ながら家事育児をしていないのではないか。和歌山県の女性が活躍する上で支障になっているのではないか。

このような問題意識から、和歌山県男女共同参画センター“りぃぶる”で男性の家事育児参画啓発に取り組むことになりました。

内閣府の少子化対策交付金により財源面の課題はクリアできたのですが、大きな問題は、家事育児に関心の薄い男性にどのように働きかけていくか。この点は、夫に不満を持っている妻を通じて働きかけることに重点的に取り組みました。

お笑い芸人による情報発信

和歌山の男性にも「育児をもっと楽しんでほしい」という想いを込めて、和歌山のパパイクプロジェクトPAPAMOと名付け、平成28年度に県内各地で啓発講座(パパ対象4回、ママ対象24回)を実施しました。また、特設サイトを開設し、お笑い芸人による子育てあるある動画やラジオ番組を配信しました。

実施に当たっては、子育て支援施設や市町村に協力を求めた他、地元の生活情報誌とも連携し、特集記事や連載漫画を掲載していただきました。

パパ対象の子育て応援講座では、お笑い芸人の男性講師の子育てエピソードについて女性講師がママの視点を含めて解説する講座や、男性向け育児書籍の著者を講師に招き、夫婦の考え方のずれやパパの心構えについて考える講座を開催しました。


パパ対象子育て応援講座の講師


パパ対象子育て応援講座の様子

ママ対象パパイクセミナー

ママ対象のパパイクセミナーでは、子育て支援施設において、カラーセラピスト、助産師、整理収納アドバイザーの3人の講師の中から各回1人ずつを招き、パパを育児に参加させるための夫婦間の円滑なコミュニケーションのコツを伝えました。夫が読みやすい漫画形式の育児書籍を配布し、受講後の夫との話し合いのきっかけとして活用してもらいました。

受講者は231人で、1ヶ月後アンケートでは「講座内容を夫と共有した」77%、「育児書籍について話をした」59%、「夫の育児が積極的になった」53%となりました。

「夫と育児について話すきっかけになった」、「本を読んだ夫に夫婦の意識のズレに気づいてもらえた」、「夫が夜中のおむつ替えをすると言ってくれた」といった夫の変化についての感想の他、「育児は女性の役割という自分自身の考えも変わった」との感想も寄せられました。


ママ対象パパイクセミナーの様子

今後の課題

本プロジェクトを一過性のものに終わらせないための県内での取組の継続や、家庭外、特に職場における意識改革が今後の課題と考えています。

事業概要は和歌山県男女共同参画センターホームページからご覧いただけます。
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今年は和歌山県が生んだ博物学・民俗学の巨星、南方熊楠の生誕150周年です。熊楠は、大英博物館をはじめ欧米で学び、帰国後は、自然豊かな本県の熊野を拠点に粘菌研究に没頭。柳田國男と並ぶ民俗学の創始者で、神社林破壊の危機を訴えた「エコロジスト」の先駆的存在でもあります。温泉で有名な本県白浜町に「南方熊楠記念館」新館がオープンした他、東京上野の国立科学博物館で12月から企画展「南方熊楠展」が開催されます。「知の巨人」と言われる南方熊楠をより深く知ってみませんか。

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