巻頭言
今も記憶に残る一つの場面があります。学生時代に参加した学会で周囲を見渡すと男性ばかりでした。以来そうした会合にも違和感なくおりましたが、ある時、他に女性がいると見える景色が変わることに気づきました。そして、「景色」はその場にいる人々の「意識」も変えるかもしれないと思うようになりました。
昨年春に国会の付属組織である国立国会図書館に着任しましたが、国立国会図書館の女性職員の比率は約50%、女性管理職比率も約33%(2017年4月)で、日常的に女性管理職が活躍している姿は新鮮でした。そしてこの状況は男女が共に働きやすい環境の一つのモデルになりうると考えています。性別も世代も超え、多様な在り方を認め合うことによって柔軟な発想を促し、それに相応した意識が醸成されうるからです。
女性管理職比率と企業の営業利益とが相関することはしばしば指摘されますが、男女共同参画の取組によって「景色」が変わり、「意識」が変わり、社会に確かな豊かさがもたらされることを期待して、自らも微力を尽くして参りたいと思います。
国立国会図書館長
羽入 佐和子
主な予定
7月中旬~8月末 | 夏のリコチャレ2017~理工系のお仕事体感しよう~(全国各地) |
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8月18日 | 女性活躍サミットinとっとり(鳥取県倉吉市) |