「共同参画」2016年10月号

「共同参画」2016年10月号

取組事例ファイル/団体編

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組

一昨年「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言が公表され、現在130名を超える男性リーダーが本宣言に賛同しています。今月は2名の賛同者の取組を紹介します。

「女性の“はたらく”を応援する」ための取組

Woman&Crowdは、「女性の“はたらく”を応援する」というビジョンを掲げて、「Woman&Crowd(ウーマンクラウド)」いう国内で唯一の女性専用クラウドソーシングを運営しています。現在は,約25万人の女性にご利用いただいています。働いている女性と働きたい女性にとって、この仕組みを多様な働き方の1つの選択肢として社会に浸透させるべく取り組んでいます。

社員に対する女性活躍に関する取組は、親会社であるサイバーエージェントの取組を踏襲しています。最近の取組では、育児休業を取得した女性社員の仕事復帰を後押しすることを目的とした認可外保育園補助制度や、社内報『ママ報』を発行しています。さらに、同じ市区町村に住むママ社員同士の交流を促すため、昼食代を補助する制度も開始しました。

また、Woman&Crowdが提供している女性社員の労働環境や満足度を向上するための特典をそろえた、福利厚生パッケージサービス「macalon+」をサイバーエージェントに導入すると同時に、「Woman&Crowd」の約25万人の女性会員に対して無料で提供しています。本サービスを活用し、家事や育児、介護などのサポートサービスをはじめとする、様々な特典や割引を利用することができます。

女性活躍を加速させるために、女性が多様性を持って働くことができる環境を提供し、女性の働きやすさをサポートする取組を今後も一層推進して参ります。


遠藤 大介
株式会社Woman&Crowd 取締役


社内報『ママ報』発行


ママ社員同士の交流『おちか区ランチ』

執行役をオーナーとする6つのプロジェクトでダイバーシティ推進

日立化成では、個々人が性別・国籍等に関わらず尊重され、能力を発揮し、活躍するダイバーシティ推進を「グローバル競争における重要な経営戦略の一つ」と位置づけています。特に女性活躍支援に関し、「男性リーダーの会」行動宣言に賛同するとともに、「2020年度までに管理職における女性の割合を15%とする(*)」という数値目標を設定しました。

目標達成のためには、真の「働き方改革」、すなわち、制度・意識・環境の総ての観点からのアプローチが必要であると考え、「管理職の意識改革」「女性の意識改革」「技術系女性の採用拡大」「キャリアデザインの支援」「長時間残業の削減」「在宅勤務の利用促進」の6つのプロジェクトを同時に進めています。これらは執行役がオーナーとなり、積極的に関与することで、推進の加速を図っています。例えば、「管理職の意識改革」プロジェクトでは「女性を中心とした多様な部下のマネジメントセミナー」を実施し、参加者は部下の個別育成計画を立て、実行しています。「在宅勤務の利用促進」プロジェクトでは、日数・時間・事由の制限を無くした柔軟な制度運用ルールを作りました。利用者は、以前は育児中の女性約10名でしたが、新ルール運用後は、男性も加え100名以上に増えました。その他、男性育休の取得を奨励し、3年間ゼロだった男性育休取得者が5名になりました。これらの施策は男性社員の新しい働き方転換の支援にも繋がると、改めて気づきました。

今後も「働き方改革」を通して、社員一人ひとりの活躍を支援していきます。

(*):対象は45歳未満の管理職


田中 一行
日立化成株式会社 取締役会長


在宅勤務の利用促進プロジェクト
2人の執行役に事業部、営業、IT、人事等幅広い部署からなるプロジェクトメンバー


女性の意識改革プロジェクト
男女管理職、育児経験のある女性社員を交えたグループディスカッション