「共同参画」2015年 3・4月号

「共同参画」2015年 3・4月号

巻頭言

現在、日本の企業も女性の活躍推進に真剣に取り組んでいます。そのめざす所は、イノベーション、つまり革新を起こすことにあり、特にグローバル市場での競争力を高めるためには、ダイバーシティが必要不可欠です。日本人男性が中心となって長年培ってきた単一文化(モノカルチャー)において、大きな革新が生まれにくくなっていることは、皆さんも実感されているのではないでしょうか。

私ども日立製作所も、2012年に取締役の過半数を社外取締役とし、経営陣を多様化しました。その中には外国人も女性もいます。グローバル企業のトップを経験した社外取締役の登用により、日本企業ではあまり指摘されてこなかった視点での率直で活発な議論が行われ、ガバナンスの強化のみならず、経営の根幹である企業価値の向上においても大変大きな果実が得られつつあります。

今後更に女性を含む多様な人財の活躍を促進するためには、男性社員の意識改革と働き方改革が必要不可欠です。経営トップの強いリーダーシップのもと、男性中心につくられてきた日本的慣習の改めるべき所を改め、誰もが働きやすい柔軟な働き方を実現しなければなりません。そしてこれは、一企業だけでなく、日本社会全体で取組むべき課題でもあります。日本の国際競争力を高め、多様な人財が活躍できる豊かな社会を築くためには、日本社会が一丸となって、長時間労働の改善や性別役割分担意識の払拭等、働き方の意識改革に取組む必要があると考えます。


株式会社日立製作所
相談役
川村 隆

主な予定

*本年は「北京+20」。また、我が国が女子差別撤廃条約を批准してから30年です。

3月9日〜20日 第59回国連婦人の地位委員会
「北京宣言及び行動綱領採択20周年記念におけるフォローアップ」(ニューヨーク)
3月14日〜18日 第3回国連防災世界会議(宮城県仙台市)
3月18日 ダイバーシティ経営企業100選表彰式・なでしこ銘柄発表会シンポジウム(東京都千代田区)